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2026.05.26
#内科

血圧と塩分の関係を解説!減塩のポイントと生活習慣の改善方法

健康診断で「血圧が高めです」と指摘された方は多いのではないでしょうか。近年、日本人の塩分摂取量は、厚生労働省が定める目標量(成人男性7.5g未満、成人女性6.5g未満)を上回っています。知らず知らずのうちに、将来の健康リスクを高めている方も少なくありません。

過剰な塩分は血液の量を増やし、血管を縮め、腎臓にも負担をかけるという3つのメカニズムで血圧を上昇させる可能性があります。この記事では、血圧と塩分の関係を詳しく解説します。併せて、我慢せずに続けられる減塩のコツから食事以外の改善アプローチなど、今日から実践できる具体的な方法をご紹介します。

イーヘルスクリニック新宿院では、血圧の数値だけでなく、食事や生活習慣を含めて総合的に診察を行っています。一人ひとりの生活に合わせた減塩の工夫や血圧管理の方法をご提案します。お気軽にご相談ください。

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記事監修:天野方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
経歴:埼玉医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学付属病院足利赤十字病院などで勤務。2016年、帝京大学大学院公衆衛生学研究科へ入学。2018年、ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)へ留学。予防医療特化のメディカルクリニックで勤務後、2022年「イーヘルスクリニック新宿院」開院。
専門分野:腎臓内科、抗加齢医学(アンチエイジング)、産業医学
資格:日本腎臓学会専門医・指導医抗加齢医学会専門医日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士・博士

塩分で血圧が上がる理由

塩分を摂りすぎると血圧が上がる理由を、体の中で起きている3つの変化から解説します。

  • 循環血液量の増加
  • ナトリウムによる血管収縮
  • 腎臓への負担

循環血液量の増加

体には、血液中の塩分(ナトリウム)の濃度を一定に保つ働きがあります。塩辛いものを食べると、血液中のナトリウム濃度が一時的に高くなります。体は、濃くなった血液を薄めて元の状態に戻そうとします。その結果、体の細胞などから水分を血管の中へ引き込み、血管の中を流れる血液量(循環血液量)が増えます。

たくさんの血液が血管の中を勢いよく流れると、血管の壁にかかる圧力(血圧)が強くなります。循環血液量が増えることで、血圧が上がる可能性があります。

ナトリウムによる血管収縮

高ナトリウムは、血管の内皮機能に影響を及ぼすことが研究で報告されました過剰なナトリウムは、血管の壁にある筋肉を収縮させ血管内を狭めます。狭くなった血管内を同じ血液量が流れるため、血管の壁に圧力がかかり血圧を上昇させます。

血管が収縮した状態が長期間続くと、血管の弾力性は低下しやすくなります。硬く、脆くなった血管は動脈硬化となり、さまざまな合併症リスクを高めます。厚生労働省は動脈硬化が、脳卒中や心筋梗塞など、命に関わる病気の発症が高まることを示しています。

動脈硬化と高血圧は互いに影響し合うため、関係性を正しく理解しておくことが大切です。以下の記事では、動脈硬化と高血圧の関係や原因、症状、予防・改善策について詳しく解説しています。
>>動脈硬化と高血圧の関係とは? 原因や症状、予防、改善策についても紹介

腎臓への負担

腎臓は、血液を濾過して体に必要なものを再び取り込む臓器です。不要になった老廃物や余分なナトリウム(塩分)を尿として体の外へ排泄しますしかし、塩分の多い食生活を続けると、腎臓のナトリウムバランスを調整する働きに負担がかかります。

塩分の多い食生活は、腎機能が低下する可能性があります。腎機能が低下すると、ナトリウム(塩分)の排泄機能も低下します。腎機能が落ちると、体の中にナトリウムと水分が溜まりやすくなります。その結果、循環血液量が増えてさらに血圧が上昇します。高血圧治療では、腎機能の定期検査が欠かせません。

無理なく続ける減塩生活のコツ

減塩は塩分ゼロを目指すのではなく、日々少しずつ控えることが大切です。減塩生活のポイントは以下のとおりです。

  • 出汁・香辛料を活用した調理法
  • 外食時のメニューの選び方

出汁・香辛料を活用した調理法

味の決め手は塩だけではありません。うま味や香り、酸味などを上手に活用する調理法で、塩分の物足りなさを補いましょう。昆布やかつお節、しいたけなどから取る出汁は、うま味成分が豊富です。出汁をしっかり効かせると、料理に深いコクと満足感が生まれ、塩や醤油を減らせます。

市販の顆粒だしを使う際は、食塩無添加のものを選ぶと安心です。料理の香りは、食欲をそそり、薄味を補うのに活用できます。以下の調理法を取り入れましょう。

  • 香味野菜:爽やかな香りで味を引き締める
  • 香辛料やハーブ:料理に変化とアクセントを加える
  • 香ばしい油:仕上げに少量加えるだけで、豊かな風味が立ち上る

レモンなどの柑橘類やお酢の酸味は、味全体を引き締める効果が期待できます。唐辛子やこしょうなどの辛味も、味のアクセントとして有効です。調理法を組み合わせることで、塩分に頼らなくても満足できる美味しい料理が目指せます。

外食時のメニューの選び方

外食や市販の惣菜は、一般的に塩分が多くなりがちですが、選び方と食べ方次第で調整できる場合があります。以下のポイントを知っておくと、塩分摂取量を減らすことが可能です。

  • 麺類の汁は残す
  • 定食スタイルを選ぶ
  • 調味料は「かける」から「つける」へ
  • 野菜や海藻を積極的に摂る

個人差があり効果を保証するものではありませんが、カリウムには体内の余分なナトリウムを体の外に排出する働きがあります。食事の最初にサラダや野菜の小鉢を食べることで、カリウムを補いナトリウムの排出を助ける働きが期待できます

食事以外の生活習慣改善アプローチ

食事の改善は重要ですが、それだけでは不十分な場合があります。食事以外で意識したいポイントは以下のとおりです。

  • 有酸素運動
  • 体重管理
  • ストレス管理

有酸素運動

体を動かす習慣は、血圧を下げる可能性があるだけでなく、心臓や血管を健康に保つためにも大切です。研究では、運動によって血管を拡張させる一酸化窒素などの血管作動性物質が、放出されることが示されています。血管作動性物質の働きで血管がしなやかになり、血流が改善されることで血圧が下がりやすくなります。

具体的にはウォーキングや軽いジョギング、サイクリングなどリズミカルに体を動かす有酸素運動がおすすめです。目標は、少し汗ばむくらいの強さで、1回30分以上の運動を定期的に(できれば毎日)行うのが理想です。

時間確保が難しい方は、アイソメトリックハンドグリップ運動がおすすめです研究で血圧を下げるのに有効であることが示されました。場所を選ばず手軽にできるため、運動の第一歩として始めやすいです。心臓や腎臓などに病気がある方は、運動が制限されている場合があるため、主治医に相談したうえで取り組みましょう。

体重管理

肥満や内臓脂肪の蓄積は、高血圧の危険因子の一つです。体重が増えると、全身に血液を送り出すために心臓はより強く働く必要があります。心臓がより強く働く状態が続くと心臓に負担がかかり、血圧が上がりやすくなる可能性があります。

ご自身の体重が適正かどうかはBMIという世界共通の指標で確認できます。BMIの計算方法は、体重(kg)÷[身長(m)×身長(m)]で、BMIの目標値は25未満です。数値が25以上だった場合は、まずは減量を目標にしましょう。

体重管理の基本は、食事で摂るエネルギー量と、運動で使うエネルギー量のバランスを整えることです。減塩とあわせて、バランスの良い食事と適度な運動を心がけ、健康的な体重を目指しましょう。

体重と血圧との関係を理解することで、生活習慣の改善にもつながりやすくなります。以下の記事では、血圧と体重の関係や肥満を改善する重要性について詳しく解説しています。
>>血圧と体重の関係とは? 肥満を改善することが高血圧治療につながる

ストレス管理

強いストレスを感じると、体を興奮させる交感神経の働きが活発になります。その結果、血管が縮こまり、一時的に血圧が上がります。血圧が上がりやすい状態が続くと、高血圧が慢性化するリスクが高まります

近年の研究にもとづき、ストレス軽減は血圧管理に役立つ可能性があることが報告されています。自分に合った方法で、上手にストレスを解消していくことが大切です。ストレスをため込まず、心と体を意識的に休ませる時間を作りましょう。

まとめ

高血圧の対策は、ただ塩分を減らすだけではありません。出汁や香辛料で美味しく減塩する工夫とあわせて、運動や体重管理、ストレス解消などの生活習慣の見直しが大切です。いきなりすべてを完璧にやろうとすると、かえってストレスになる可能性があります。

まずは「麺類の汁を残してみる」「一駅手前で降りて歩いてみる」など、ご自身が取り組みやすい内容から実践してください。有酸素運動は、肥満の改善や気分転換も期待できます。自分に適した日常生活を積み重ね、将来の健康維持につなげましょう。

イーヘルスクリニック新宿院では、高血圧や生活習慣に関するご相談にも対応しています。血圧の状態や食事・運動習慣を確認しながら、無理なく続けられる改善方法について医師が丁寧にご案内します。気になる方はお気軽にご相談ください。

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