高血圧による頭痛の対処法は?安静にすべきか、市販薬は使うべきかを解説

ズキズキと脈打つような頭痛や、締め付けられるような重い痛みがあると、血圧が高い方は高血圧のせいかもしれないと不安になることがあります。成人の約3人に1人が該当すると言われる高血圧は、今や誰にとっても身近な病気です。
ただの頭痛と軽く見ると、自己判断で選んだ薬が症状を悪化させたり、命に関わる病気のサインを見逃したりするおそれがあります。この記事では、高血圧に関連した頭痛が起きた際に取るべき対処法や救急車を呼ぶべき危険なサインの見分け方などを解説します。大切な命を守るために、正しい知識を身につけましょう。
イーヘルスクリニック新宿院では、高血圧による症状や頭痛についての診察を行っています。血圧や生活習慣、症状の経過を確認しながら、適切な管理方法をご提案します。頭痛が続く場合や不安がある方は、早めの受診をご検討ください。
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記事監修:天野方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
経歴:埼玉医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学付属病院や足利赤十字病院などで勤務。2016年、帝京大学大学院公衆衛生学研究科へ入学。2018年、ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)へ留学。予防医療特化のメディカルクリニックで勤務後、2022年「イーヘルスクリニック新宿院」開院。
専門分野:腎臓内科、抗加齢医学(アンチエイジング)、産業医学
資格:日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士・博士
高血圧による頭痛の対処法について、以下の3つを解説します。
高血圧に関連した頭痛が疑われるとき、まず安静にすることが大切です。慌てて動いたり興奮したりすると血圧が上昇する可能性があります。テレビやスマートフォンの光、周囲の音など刺激が少ない部屋を選び、楽な姿勢で横になるか深く腰掛けてリラックスしましょう。
ゆっくり深い呼吸を繰り返すことも心と体を落ち着かせる助けになります。体が冷えると血管が縮み血圧が上がることがあるため、必要であれば毛布で体を温かく保ってください。少し落ち着いたら血圧を測定しましょう。
急激な血圧上昇は脳の血管に大きな負担をかけ、脳を守る血液脳関門の働きが低下し、頭痛や神経症状を引き起こすことがあります。頭痛を感じた場合も、まず血圧を測り、客観的な数字をもとに次にとるべき行動を決めましょう。
安静にしていても痛みがつらい場合、市販の鎮痛薬を検討することがあります。高血圧の方は成分に注意が必要で、血圧への影響が比較的少ないとされるアセトアミノフェンを主成分とする薬が使いやすいとされています。服用時は用法・用量を守り、自己判断で長く続けず、痛みが続く場合は医療機関を受診してください。
他の薬を飲んでいる場合は医師や薬剤師に相談をしましょう。アセトアミノフェンは過剰に取ると肝臓に負担がかかることがあり、お酒をよく飲む方は特に注意が必要です。高用量を長期服用すると収縮期血圧が上がったという報告もあり、あくまで一時的な対処と考え、高血圧の診断・治療を優先することが大切です。
ロキソプロフェンナトリウムやイブプロフェンを主成分とする鎮痛薬は、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)に分類されます。痛みを抑える効果が期待できる一方、高血圧の方が使うには次の3点に注意が必要です。
NSAIDsは、血管を広げるプロスタグランジンの生成を妨げ、血管が縮みやすくなり血圧が上がることがあります。降圧薬と併用すると、血圧を下げる効果が弱まるおそれもあります。腎臓への血流を減らし腎機能に影響することがあり、もともと腎臓に負担がかかりやすい高血圧ではリスクが高まります。
これらの理由から、高血圧の方が自己判断でNSAIDsを服用するのは望ましくありません。痛み止めが必要な場合は、かかりつけ医に相談し、体の状態や服用中の薬に合わせた薬を処方してもらいましょう。
すぐ受診すべき危険なサインについて、以下の4つを解説します。
今まで経験したことのない激しい頭痛は、くも膜下出血や高血圧性脳症など、脳の血管の深刻なトラブルのサインである可能性があります。以下のチェックリストのいずれかに当てはまる場合は、救急車を呼んでください。
一刻を争う可能性があります。夜間・休日でもためらわず救急要請してください。
頭痛とともに言葉や体の動きに異常が現れた場合は、脳卒中(脳梗塞や脳出血)が強く疑われます。脳の血管が詰まったり破れたりして、脳の細胞がダメージを受けている状態です。脳卒中のサインは「FAST」で覚えましょう。
1つでも当てはまったら速やかに救急対応してください。脳卒中の治療は、発症からいかに早く開始できるかが、その後の回復を大きく左右します。
高血圧による頭痛に伴う症状で、何度も繰り返す激しい嘔吐は危険なサインとなる場合があります。脳出血などで脳がむくむと頭蓋骨内で脳が圧迫され、嘔吐中枢が刺激されて脳圧の急上昇を示すことがあります。食べすぎや胃の不調とは異なり、次の特徴があります。
市販の吐き気止めで様子を見るのは危険な場合があります。頭痛を伴う激しい嘔吐は脳の異常のサインの一つと考え、すぐに医療機関を受診してください。
「頭痛」は高血圧と関連して現れることがある症状の一つです。すべての頭痛が高血圧によるものとは限らず、痛みの出方や部位によっては注意が必要なケースもあります。以下の記事でも、高血圧と頭痛の関係や痛みが出やすい部位、受診が必要となる危険な頭痛の特徴や対処法について解説しています。
>>高血圧と頭痛の関係は?頭が痛くなるのはどのへん?危険な頭痛と対処法を解説
自宅で測った血圧で、上が180mmHg以上または下が120mmHg以上が続く場合、高血圧性緊急症の可能性があります。極端な高血圧は、脳・心臓・腎臓などに急激なダメージを与える危険な状態です。次の症状が1つでもあれば臓器障害のサインの可能性があり、直ちに救急車を呼び専門治療を受けてください。
安静にしても改善しない場合は、速やかに救急要請してください。
高血圧に関連した頭痛を防ぐために重要な血圧管理の3つの柱を解説します。
血圧管理において、食生活の見直しは治療の重要な基盤の一つであり、ポイントは3つです。
塩分のとりすぎは血圧上昇の主な原因です。塩分が増えると水分を溜め込み血液量が増え、血管を押す力が高まります。厚生労働省によると、高血圧の方の食塩摂取量は1日6g未満が目標とされています。
カリウムは余分な塩分を尿から出すとされています。カリウムの摂取は減塩と合わせると血圧を下げる効果が期待できます。腎機能が低下している方は高カリウム血症のリスクが高まるため、医師や栄養士に相談してください。
DASH食は高血圧対策としてアメリカで開発された食事法で、成人の血圧を有意に低下させることが報告されています。野菜・果物・全粒穀物を増やし、魚・鶏肉・低脂肪乳製品をとり、脂身や甘いものは控えましょう。
以下の記事では、高血圧の方が食事で気をつけたいポイントや血圧を下げる可能性がある飲み物・食べ物について解説しています。
>>高血圧の食事で気をつけること!血圧を下げる飲み物・食べ物も紹介
食事と並んで血圧コントロールに役立つのが、適度な運動です。血管をしなやかにし血圧を下げやすくする効果が期待されるほか、体重管理やストレス解消にも役立つとされています。ウォーキングや軽いジョギング、サイクリング、水泳といった有酸素運動がおすすめです。
厚生労働省によると、運動の頻度は定期的に(できれば毎日30分以上)実施することを推奨されています。強度は中等度(ややきつい)の有酸素運動です。急に激しい運動を始めると体に負担がかかるため、散歩など軽い運動から始めてください。
血圧が高い方や心臓・腎臓に持病がある方は、運動を始める前に必ず医師に相談してください。体調が優れないときは無理をせず休むことも大切です。
生活習慣の改善でも血圧が十分に下がらない場合や、もともと血圧が高い場合には薬物療法が必要になります。薬で血圧を安定させることは、脳の血管にかかる負担を減らし、頭痛の再発や脳卒中などのリスクを抑える重要な手段です。医師は患者さん一人ひとりの体の状態や他の病気の有無に合わせて適切な薬を選択します。
主な降圧薬には、次の種類があります。
ARBやACE阻害薬については、片頭痛の予防に関連性があるとする報告もあり、頭痛と高血圧の両方に働きかける選択肢となる場合があります。薬は医師の指示どおりに毎日きちんと飲み続けることが大切です。自己判断で薬をやめたり量を減らしたりすると、血圧が急上昇し危険な状態を招くおそれがあります。
わからないことや不安があれば、医師や薬剤師に相談してください。

高血圧に関連した頭痛では、まず安静にして血圧を測り、必要ならアセトアミノフェンの市販鎮痛薬を用法どおりに服薬しましょう。ロキソプロフェンやイブプロフェンなどのNSAIDsは血圧を上げたり腎臓に負担をかけたりするため、自己判断での服薬は避けてください。
突然の激しい頭痛、ろれつが回らない・麻痺・しびれ、繰り返す嘔吐、血圧が180/120mmHg以上が続くときは、要注意です。夜間・休日でも迷わず救急車を呼んでください。食事療法や運動療法、薬物療法で血圧を管理することが、頭痛の再発と脳卒中予防につながります。
いつもと違う痛みや不安な点は、自己判断で済ませず、早めに医療機関やかかりつけ医に相談することが大切です。
イーヘルスクリニック新宿院では、頭痛や血圧に関するご相談にも対応しています。血圧の状態や生活習慣、症状の経過を丁寧に確認し、必要な検査や治療について医師がご案内します。気になる症状がある場合は、お気軽にご相談ください。
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