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2026.05.25
#腎臓内科

女性の高血圧の原因とは?更年期のエストロゲン減少やストレスとの関係を解説

若い頃は低血圧でも、年齢を重ねると血圧の上がり幅を気にする女性は少なくありません。女性の高血圧は、更年期における女性ホルモン「エストロゲン」の減少や、日々のストレスが関係しています。自覚症状は、頭痛やめまい、むくみなどが現れやすいですが、気づかずに過ごされている方もいます。

この記事では、女性の更年期特有の高血圧の原因や現れやすい自覚症状、今日から始められる対策まで解説します。年齢による変化を見過ごさず、ご自身の体を守るために日常生活習慣や行動を変えていきましょう。

イーヘルスクリニック新宿院では、女性のライフステージや生活習慣を踏まえ、血圧の状態を丁寧に評価します。生活習慣の見直しや必要に応じた治療を提案し、健康的な血圧管理をサポートします。気になる症状のある方はご相談ください。

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記事監修:天野方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
経歴:埼玉医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学付属病院足利赤十字病院などで勤務。2016年、帝京大学大学院公衆衛生学研究科へ入学。2018年、ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)へ留学。予防医療特化のメディカルクリニックで勤務後、2022年「イーヘルスクリニック新宿院」開院。
専門分野:腎臓内科、抗加齢医学(アンチエイジング)、産業医学
資格:日本腎臓学会専門医・指導医抗加齢医学会専門医日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士・博士

女性の高血圧の主な原因

女性の高血圧には、以下の4つの要因が複雑に関係します。

  • 更年期によるエストロゲン減少
  • ストレスや睡眠不足による自律神経の乱れ
  • 食生活・運動不足などの生活習慣
  • ピルの服用や妊娠との関係

更年期によるエストロゲン減少

更年期の高血圧には、女性ホルモンであるエストロゲンの減少が関わっています。更年期に入り卵巣の機能が低下すると、エストロゲンの分泌量が減り、血管の弾力性が失われます。弾力性のない血管は、硬くなり血圧が上昇しやすいです。エストロゲンの主な働きは下記のとおりです。

  • 血管の弾力性を保つ
  • 血管を広げて血流をスムーズにする
  • 悪玉コレステロールをおさえ、動脈硬化を防ぐ

エストロゲンの分泌量低下は、収縮期血圧が上がりやすくなるため、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まる可能性があります。更年期は、症状や数値に異常を認めない場合でも、日頃から意識して血圧を測りましょう

ストレスや睡眠不足による自律神経の乱れ

ストレスや睡眠不足が続くと、自律神経が乱れやすくなります。自律神経の乱れは、血管の収縮を引き起こし血圧を上げやすくします。更年期のホルモンバランスの変化が、自律神経の乱れにつながることが報告されています。自律神経が乱れると、以下の変化を感じる方が多いです。

  • 寝つきが悪い
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 理由もなくイライラしたり、不安になったりする
  • 急に顔がほてったり、汗をかいたりする
  • 頭痛や肩こり、めまいが続いている
  • 疲れがなかなか取れない

上記の項目に心当たりがある場合は、自律神経が乱れている可能性があります。日頃から意識的にリラックスできる時間をとり、自律神経を整える工夫を始めましょう。

食生活・運動不足などの生活習慣

高血圧の原因の一つに、食生活や運動不足などの生活習慣が関係しています。女性は、年齢とともに基礎代謝が落ちやすいため、若い頃と同じ生活では肥満や高血圧になりやすいです。また、遺伝的要因も組み合わさると、高血圧を発症しやすくなるため、注意が必要です。

食生活では、塩分の摂りすぎに注意しましょう。塩分の摂りすぎは、血液中の水分量を増やし、血圧を上げやすくします。外食や加工食品、麺類の汁などは塩分が多いので注意してください。運動不足は肥満の原因になり、高血圧のリスクを高める報告があります。

その他の生活習慣では、過度な飲酒や喫煙が高血圧の原因になります。アルコールは長期的に飲み続けると血圧を上昇させやすいです。タバコに含まれるニコチンは、交感神経を刺激して血管を収縮させることで血圧を上げやすくします。動脈硬化を進める要因でもあるため、高血圧の進行にも影響します。

以下の記事では、高血圧と動脈硬化との関係や原因、症状、予防・改善のポイントについてわかりやすく解説しています。
>>動脈硬化と高血圧の関係とは? 原因や症状、予防、改善策についても紹介

ピルの服用や妊娠との関係

経口避妊薬(ピル)の服用や妊娠の経験は、血圧に影響するため注意が必要です。避妊や月経困難症の治療などに用いられる経口避妊薬は、含まれるホルモンの作用により、一部の方で血圧が上がる場合があります。

妊娠20週以降に高血圧がみられ、臓器障害などを伴う状態は、子癇前症(こかんぜんしょう)に該当する可能性があります。子癇前症は妊娠高血圧症候群の一つであり、出産後の高血圧や心血管疾患のリスクが高いことが報告されています。

経口避妊薬を服用している方や、子癇前症など妊娠高血圧症候群の経験がある方は、日頃から血圧を定期的に測定しましょう。気になる変化があれば医師に相談し、薬の中止や変更は自己判断で行わず、必ず処方医に相談してください。

女性に現れやすい自覚症状

女性の高血圧に現れやすい、以下3つの自覚症状をご紹介します。

  • 頭痛
  • めまい
  • むくみ

頭痛

早朝覚醒時などに血圧が急激に上昇すると、脳や首まわりの血管に負担がかかり、頭痛が現れることがあります。脈に合わせてズキズキするような痛みや、後頭部や首の後ろにかけて重だるい痛みを感じる場合は注意が必要です。以下の症状を伴う場合は、脳卒中など命に関わる病気の可能性も考えられます。

  • 経験したことのないような激しい痛み
  • 手足のしびれや麻痺で動かしにくい
  • ろれつが回らない
  • 言葉がうまく出てこない
  • 激しいめまいや吐き気

早朝は交感神経の働きやホルモンの影響で血圧が上がりやすいです。睡眠不足やストレス、寒さ(起床時の冷え)などが重なって、血圧がさらに上がる場合もあります。症状を自覚する場合は、早急に医療機関へご相談ください。

めまい

血圧のコントロールが不安定になると、脳に送られる血液の流れが一定しなくなり、脳が一時的に酸素不足に陥ることがあります。めまいは、さまざまな原因が考えられるため、高血圧と特定するのは難しいのが実情です。主なめまいの原因は、以下のとおりです。

  • 貧血:血液中の酸素を運ぶヘモグロビンの不足
  • 耳の病気:メニエール病など、平衡感覚を司る三半規管の問題
  • 自律神経の乱れ:ストレスや更年期によるホルモンバランスの変動

上記の他にも降圧薬を飲み始めた時期や種類によっては、副作用としてめまいや立ちくらみが現れる場合もあります。めまいが続く際は、自己判断で薬をやめず、かかりつけの医師に相談することが大切です。

むくみ

むくみは、高血圧が長期間続くことで、重要な臓器に負担がかかり始めたサインの可能性があります。高血圧は、血液を濾過する腎臓や、血液を全身に送り出す心臓に負担をかけ続け、機能低下を引き起こす要因の一つです。腎機能の低下は、体の中の余分な塩分と水分を排出できず、体に水分が溜まりやすくなります。

心機能の低下は、血流の悪化が影響し足やすねに水分が溜まりやすくなります。むくみは、すねの骨の上あたりを5秒ほど強く押して確認しましょう。へこんだ跡が戻らない場合は、むくみが生じている可能性があります。むくみが続く場合は、医師に相談し検査で心臓や腎臓の状態を確認しましょう。

日常生活で意識したいポイント

高血圧の基本治療は「生活習慣の改善」と「薬物療法」です。日常生活で意識したい以下のポイントを解説します。

  • 減塩
  • 適度な運動
  • ストレス管理
  • 服薬管理

減塩

厚生労働省では、高血圧の方の塩分摂取量の目標を1日6g未満としています。以下のポイントを参考に、今までの食生活から塩分を少しずつ減らす工夫を始めてみましょう。

  • 汁物は具だくさんにする
  • 香味野菜や香辛料を活用する
  • 酸味やうま味を取り入れる
  • 加工食品や外食を控える
  • 醤油やソースはつけて食べる

味噌汁やスープは具を増やすと、汁の量が減り、自然と減塩が図れます。香味野菜や香辛料の風味を活かすと、薄味でも美味しく感じられます。お酢やレモン汁、だしのうま味などを活用すると、塩味が少なくても味や風味を楽しめます。醤油やソースを小皿に分けて少しずつつけることで、摂取量をおさえましょう。

血圧を整えるためには塩分だけでなく、日々の食事全体のバランスや取り入れる食品、飲み物も大切になります。以下の記事では、高血圧の食事で気をつけたいポイントや血圧管理に役立つ飲み物、食べ物について解説しています。
>>高血圧の食事で気をつけること!血圧を下げる飲み物・食べ物も紹介

適度な運動

運動をすると血行が良くなり、血管内皮から一酸化窒素(NO)などの血管拡張物質が産生されやすくなります。血管拡張物質の産生が、血管のしなやかさを保つことにつながると考えられています。運動習慣がない方や苦手な方は、体を動かす習慣を取り入れることから始めましょう。ウォーキングやスロージョギング、ランニングなどの有酸素運動がおすすめです。

厚生労働省は、毎日30分以上の定期的な有酸素運動を推奨しています。分割した運動でも、1日合計40分以上を目指しましょう。運動は「ややきつい」と感じる程度で取り組んでください。

日常生活での習慣化にする工夫として、階段の利用や一駅手前からの歩行、テレビを見ながらの足踏みなどがあります。ただし、心臓や腎臓などに病気がある方は、運動が制限されている場合があるため、主治医に相談したうえで取り組みましょう

ストレス管理

ストレスは血圧を変動させる要因の一つです。ストレスを感じると、交感神経が活発になり、血管が収縮して血圧上昇に影響します。ストレスが長期間継続することで、交感神経が優位になり血圧が正常値に戻りにくくなります。以下を日常生活に取り入れ、ストレス発散やリラックスできる環境を取り入れましょう。

  • 温めのお湯で半身浴
  • 趣味に集中できる時間
  • ゆっくりとした深呼吸
  • 質の良い睡眠

仕事や家事、人間関係など、現代社会でストレスを完全になくすことは難しいですが、上手な付き合い方を見つけることが大切です。自分に適したリラックスできる時間を作り、心と体を休ませましょう。

服薬管理

生活習慣を改善しても高血圧が続く場合には、薬物療法が検討されます。薬を選ぶ際には、年齢や治療中の病気、副作用の出やすさなどを総合的に判断します。他の病院や薬局にかかる際にも、お薬手帳を提示することで、薬の重複や危険な飲み合わせが防げます。

体調の変化や気になる症状があれば我慢せず、医師や薬剤師に相談してください。薬は長期的な管理が必要であるため、効果を感じなかったり、血圧が安定したと自己判断でやめたりするのは避けましょう。

まとめ

女性の血圧は、更年期におけるホルモンの減少や日々のストレス、生活習慣など、ライフステージの変化が影響しています。女性の高血圧は、頭痛やめまい、むくみなどの症状が現れやすいですが、自覚症状がないまま進行する方もいます。症状が無い場合でも、日頃から血圧を測ることで数値を客観的に評価できるのでおすすめです。

減塩や適度な運動、ストレス管理は高血圧の改善が期待できます。日常生活に取り入れやすい取り組みから始めましょう。年齢のせいと見過ごさず、不安なことや気になる症状があれば、専門家へ気軽にご相談ください。家庭で血圧を測る習慣は、自身の体をいたわる大切な第一歩になります。

イーヘルスクリニック新宿院では、女性の血圧に関する不安や更年期の体調変化についてのご相談にも対応しています。些細なことでもお気軽にご相談ください。

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