食後に血圧が下がるのは本当?食後低血圧の原因や症状、対処法を解説

健康診断で「血圧の下が高い」と指摘されても、自覚症状がほとんどないため、つい放置してしまっていませんか。その数値は、血管が休みなく緊張し続けている状態を示す危険なサインです。下の血圧が高い状態が続くと、気づかぬうちに動脈硬化が進行します。
この記事では、特に30~40代の若い世代にも見られる「下の血圧だけが高い」状態の本当の怖さと、将来の深刻な病気を防ぐための具体的な対処法について詳しく解説します。
イーヘルスクリニック新宿院では、下の血圧が高い状態に関するご相談にも対応しています。血圧の状態や生活習慣を丁寧に確認しながら、原因の評価や無理なく続けられる管理方法について医師がご案内します。
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記事監修:天野方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
経歴:埼玉医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学付属病院や足利赤十字病院などで勤務。2016年、帝京大学大学院公衆衛生学研究科へ入学。2018年、ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)へ留学。予防医療特化のメディカルクリニックで勤務後、2022年「イーヘルスクリニック新宿院」開院。
専門分野:腎臓内科、抗加齢医学(アンチエイジング)、産業医学
資格:日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士・博士
下の血圧(拡張期血圧)が高い状態は、自覚症状が少ないまま血管や臓器に負担をかけ続ける可能性があります。放置すると将来の健康リスクにつながることもあるため、正しい基準や体への影響を知っておくことが大切です。拡張期高血圧の基準や体への影響、若い世代で注意が必要な理由について解説します。
拡張期高血圧とは、下の血圧(拡張期血圧)が基準値を超えている状態を指します。拡張期血圧は、心臓が拡張して休んでいる間も血管にかかり続ける圧力です。この数値が高いということは、血管が十分に緩まず常に強い圧力を受けている状態を意味します。自覚症状が少ないため見逃されやすいですが、放置すると血管への負担が続きます。
高血圧と判断される基準は次のとおりです。
上の血圧が正常でも、下の血圧が基準を超えれば高血圧と診断されます。特に家庭血圧で100mmHg以上の場合は重症度が高く、早めの管理が必要です。
下の血圧が高い状態が続くと、心臓や脳をはじめ全身の血管に大きな負担がかかります。血管は常に強い圧力を受けるため、しなやかさを失って硬くなる「動脈硬化」が進みやすくなります。動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や狭心症などの心臓病、脳梗塞や脳出血などの脳卒中の原因になります。
影響は心臓や脳だけではありません。腎臓の血管が傷つくと腎機能の低下につながり、目の血管に障害が起こると視力に影響することもあります。
若い世代でも、下の血圧だけが高くなる拡張期高血圧には注意が必要です。30~40代では、上の血圧が正常でも下の血圧だけが高くなることがあります。主な原因は、手足の細い血管が硬くなることです。肥満や運動不足、塩分の多い食事、過度な飲酒、喫煙などの生活習慣が続くと、血管の柔軟性が失われて血液の流れが悪くなります。
その結果、心臓が休んでいるときでも血管の圧力が下がらず、下の血圧が高くなります。自覚症状がほとんどないため見過ごされやすいですが、これは動脈硬化が始まっているサインです。早い段階で生活習慣を見直すことが、将来の心筋梗塞や脳卒中を防ぐことにつながります。
以下の記事では、動脈硬化と高血圧の関係性や原因、症状、予防・改善のポイントについてわかりやすく解説しています。
>>動脈硬化と高血圧の関係とは? 原因や症状、予防、改善策についても紹介
下の血圧が高くなる背景には、いくつかの原因が関係しています。生活習慣の影響によるものが多い一方で、体質や別の病気が関わっている場合もあります。血圧の下が高い主な原因を解説します。
血圧の下が高くなる主な原因は、生活習慣の乱れによる本態性高血圧です。日本人の高血圧の約9割は特定の病気が原因ではなく、日々の生活習慣が影響して起こります。塩分の多い食事や肥満、運動不足などが続くと血管が硬くなり、血液が流れにくくなります。
その結果、心臓が休んでいるときでも血管の圧力が下がらず、下の血圧が高くなります。主な生活習慣の要因は次のとおりです。
これらの習慣が続くと血管の柔軟性が失われ、血圧が上がりやすい状態になります。
二次性高血圧とは、特定の病気や薬の影響で起こる高血圧のことです。高血圧の約1割は生活習慣ではなく、別の原因によって血圧が上がっています。若い人で下の血圧が高い場合や、これまで正常だった血圧が急に高くなった場合には注意が必要です。原因となる病気を治療すれば、血圧が大きく改善することもあります。
主な原因には次のようなものがあります。
このような原因が疑われる場合は、血液検査や画像検査などで詳しく調べることが大切です。以下の記事では、ホルモン異常が関与する高血圧の特徴や治療法、二次性高血圧が疑われる場合の対応について解説しています。
>>ホルモン異常が引き起こす高血圧の治療法は?二次性高血圧が疑われる場合についても解説
高血圧には遺伝的な体質が関わることがあります。家族に高血圧の人がいる場合、血圧が上がりやすい体質を受け継いでいる可能性があります。ただし、高血圧という病気そのものが遺伝するわけではありません。遺伝するのは、塩分を体に溜め込みやすい体質や、ストレスで血管が収縮しやすい体質などです。
そのため、同じ家族でも生活習慣によって血圧の状態は大きく変わります。家族は食事の味付けや運動量などの生活環境も似ていることが多く、それが血圧に影響することもあります。遺伝があっても諦める必要はなく、生活習慣を見直すことで予防や改善は十分に可能です。
血圧を下げるためには、毎日の生活習慣を整えることが基本です。特に下の血圧が高い場合は、血管の柔軟性を保つ生活を続けることが重要になります。血圧管理に役立つ主な生活習慣として、以下の5つを解説します。
減塩とカリウムの摂取は、下の血圧を下げるための基本的な食事対策です。塩分をとり過ぎると体内のナトリウム濃度が高くなり、水分を溜め込むことで血液量が増え、血管にかかる圧力が高くなります。高血圧の方は1日の塩分摂取量を6g未満に抑えることが推奨されています。
カリウムは体内の余分な塩分を排出する働きがあり、血圧管理に役立ちます。減塩を続けるための工夫は次のとおりです。
カリウムは野菜や果物、海藻類に多く含まれます。ほうれん草やかぼちゃ、アボカド、バナナ、キウイなどです。食事の内容に加え、夕食を早めにするなど食事時間を整えることも血圧管理に役立つとされています。
以下の記事では、高血圧の方が食事で気をつけるポイントや血圧を下げるとされる飲み物・食べ物についてもまとめています。
>>高血圧の食事で気をつけること!血圧を下げる飲み物・食べ物も紹介
運動習慣は、下の血圧を下げるために大切な生活習慣の一つです。体を動かすと血管が広がりやすくなり、血液の流れが良くなるため、血圧の安定につながります。特におすすめなのは、ウォーキングや軽いジョギング、水泳などの有酸素運動です。
少し汗ばむ程度の強さで、1回30分ほどを週3日以上続けることが目安とされています。まとまった時間が取れない場合でも、短い運動を積み重ねることで効果が期待できます。階段を使う、一駅分歩く、家の中で軽く足踏みをするなどです。
無理のない範囲で継続することが大切で、運動とあわせて飲酒量を見直すことも血圧改善に役立ちます。
ストレスを減らし、質の良い睡眠をとることは血圧を安定させるために重要です。強いストレスを感じると体は緊張状態になり、交感神経が活発になります。その結果、血管が収縮して血圧が上がりやすくなります。この状態が長く続くと、血圧が高い状態が習慣のように続いてしまいます。
睡眠不足も体の回復を妨げ、血圧を上げる原因になります。日常生活の中で意識してリラックスする時間を作ることが大切です。趣味を楽しむ、ぬるめのお風呂にゆっくり入る、深呼吸をするなどがあります。寝る前はスマートフォンの使用を控え、静かな環境で眠ることも良い睡眠につながります。
血圧が十分に下がらない場合は、薬物療法を含めた治療を検討します。高血圧の治療では、まず食事や運動などの生活習慣を改善することが基本です。それだけで血圧が目標値まで下がらない場合や、血圧が高い状態が続く場合には薬による治療が必要になることがあります。
特に下の血圧が高い場合は、血管を広げて血流を良くする薬などが使われます。主に次のような治療薬が用いられます。
薬は生活習慣改善を助けるための治療手段です。血圧が安定すれば、医師の判断で減量や中止が検討されることもあります。自己判断で薬をやめず、医師と相談しながら治療を続けましょう。
家庭で血圧を測ることは、正しい血圧管理のためにとても重要です。病院では緊張によって血圧が高く出る「白衣高血圧」が起こることがあります。そのため、普段の状態に近い家庭血圧の記録が治療の判断に役立つとされています。毎日同じ条件で測定することで、ご自身の血圧の変化を正しく把握できます。
測定は、朝は起床後1時間以内で排尿後、朝食や薬を飲む前に行い、夜は寝る前に測るのが基本です。測るときは椅子に座り、1~2分ほど安静にしてから行います。測定した数値は血圧手帳やアプリに記録し、受診時に医師へ伝えましょう。家庭血圧の記録は、血圧を安定させるための大切な手がかりになります。

下の血圧が高い状態は、自覚症状が少なくても放置すべきではありません。拡張期血圧が高い状態は、血管が常に強い圧力を受けているサインであり、放置すると動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気につながる可能性があります。特に若い世代では生活習慣の影響が大きいため、早い段階で対策を始めることが大切です。
まずは家庭血圧を測る習慣をつけ、自分の血圧の状態を知ることから始めましょう。あわせて、減塩や運動、十分な睡眠など生活習慣を整えることが血圧管理の基本です。生活改善だけで十分に下がらない場合は、薬による治療が必要になることもあります。
血圧が気になる方や健康診断で指摘された方は、早めに医療機関へ相談し、適切な対策を進めていきましょう。
イーヘルスクリニック新宿院では、拡張期血圧の上昇にも対応し、生活習慣や血圧の状態を総合的に評価します。将来のリスクを見据えた改善方法や必要な治療についてご提案します。まずは一度ご相談ください。
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