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高血圧と診断される基準は、測定する場所によって異なります。病院での緊張が数値を上げる白衣高血圧や、家庭でのみ高くなる仮面高血圧の存在をご存知でしょうか。研究によると、日本では年間約10万人が高血圧に関連する病気で亡くなると推定されています。
自覚症状がないまま進行することから、サイレントキラーとも呼ばれます。正しい知識を持つことで、高血圧に関連する病気で亡くなるリスクを軽減できる可能性があります。この記事では、血圧の正しい基準と測定方法、命に関わる病気のリスクを低下させるための目標値について詳しく解説します。
イーヘルスクリニック新宿院では、数値の見方や生活習慣の改善方法をわかりやすく説明し、安心して血圧管理に取り組めるようサポートします。まずはお気軽にご相談ください。
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記事監修:天野方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
経歴:埼玉医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学付属病院や足利赤十字病院などで勤務。2016年、帝京大学大学院公衆衛生学研究科へ入学。2018年、ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)へ留学。予防医療特化のメディカルクリニックで勤務後、2022年「イーヘルスクリニック新宿院」開院。
専門分野:腎臓内科、抗加齢医学(アンチエイジング)、産業医学
資格:日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士・博士
高血圧と診断される血圧の基準については以下の3つを解説します。
厚生労働省は、血圧の数値を診察室と家庭での測定値をもとに以下のとおり分類しています。
高血圧と診断されるのはⅠ度高血圧からですが、正常高値血圧や高値血圧の場合でも安心はできません。正常高値血圧や高値血圧は、将来的に高血圧症へ進む可能性があります。定期的な血圧測定や健康診断で、健康状態を把握しておくことが大切です。
家庭血圧と診察室血圧が違う理由は、測定するときの環境と精神状態の違いにあります。
病院やクリニックでは、無意識のうちに緊張したり不安を感じたりする方が少なくありません。精神的なストレスが自律神経に影響し、一時的に血圧を上げます。診察室での血圧は、普段の血圧よりも高い数値が出やすい傾向があります。
ご家庭では、リラックスして血圧を測ることができます。家庭で測定した血圧は、普段の血圧を正確に反映していると考えられています。高血圧の診断や治療方針を決めるうえで、家庭血圧は重要な情報です。
ご家庭での血圧測定が重要視される理由に、白衣高血圧と仮面高血圧があります。白衣高血圧と仮面高血圧は、以下のとおり診察室とご家庭での血圧に差がある状態を指します。
白衣高血圧は、高血圧の約15~30%に見られるという報告があったり、高血圧や糖尿病へ移行しやすかったりします。仮面高血圧は自宅で血圧が上がりやすいため、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まります。ご家庭では、血圧測定と血圧手帳への記載を行うことで、白衣高血圧や仮面高血圧の判断に役立てましょう。
降圧目標値(高血圧の治療で目指す血圧の値)は、将来の脳卒中や心筋梗梗塞などの病気を防ぐために大切な指標です。年齢や合併症別の目標や、正常高値と言われたときの対応について解説します。
成人の基本的な降圧目標は、診察室血圧で130/80mmHg未満です。ご家庭で測定する場合は、125/75mmHg未満が目安と報告されています。
糖尿病や慢性腎臓病(CKD)などの病気のある方は、心臓や脳の血管病リスクが高いため、目標を目指すことが推奨されています。ご高齢の方は、副作用(ふらつきやめまい)を防ぎ安全に治療を続けるために、以下の目標に調整します。
体の状態を総合的にみて目標を決めていきます。ご自身の目標値がどれくらいなのか、まずは主治医と相談して決定しましょう。
比較的軽度の血圧上昇の段階では、すぐにお薬による治療を始めることは多くないとの報告があります。正常高値の方は、以下の生活習慣改善で高血圧への進行を遅らせ、薬に頼らない生活を続けられるように目指しましょう。
喫煙は血管を収縮させ動脈硬化の原因になるため、禁煙しましょう。体重1kg減で血圧は約1~2mmHg下がるとの報告もあります。ストレス管理と睡眠も影響するため、十分な睡眠をとり自律神経の乱れを整え、血圧の安定化を目指しましょう。
本当の血圧を知るための正しい血圧の測り方について、以下の3つ解説します。
ご家庭で血圧を測る際には、環境や測定時間を整えることが大切です。血圧は変動しやすいため、毎日以下の7つに注意して測定を行いましょう。
診察室だけではわかりにくい血圧の状態を把握しやすくなり、より適切な治療や生活改善につながります。
血圧値が変わる要因には、環境だけでなく体や心の変化も関わっています。血圧が変わりやすい要因を知っておくと、測定値に振り回されず冷静に状態を把握できます。血圧値が変わりやすい主な要因は、以下の表のとおりです。
血圧は測定前の行動や感情、周りの環境にも反応します。毎日できるだけ同じ条件で測定することが、本当の血圧を知るために大切です。
ご家庭で使う血圧計には、上腕式(腕に巻く)と手首式(手首に巻く)があります。血液が通る上腕の動脈は太く心臓の位置に近いため、上腕式のほうが安定して正確な血圧を測定できるとの報告もあります。手首式は手軽ですが、以下の理由で数値が不正確になりやすいとされています。
手首式を使う場合は、手首を心臓の高さに保って測定してください。指で測るタイプの血圧計は不正確になりやすいため、日常的な血圧管理には使用を避けましょう。
正確な診断と治療は、信頼できる医療機器を選ぶことから始まります。腕の太さに合った腕帯(カフ)を備えた認証済みの上腕式血圧計を選び、日々の健康管理に役立ててください。
基準を超えた血圧との向き合い方や対応について、以下の3つを解説します。
ご家庭で測った血圧が基準を超えた場合、もう一度正しい方法で測り直しましょう。具体的な受診の目安となる数値は、以下のとおりです。
正常高値血圧や高値血圧と判定されても、心臓や血管の病気による死亡リスクは、初期段階から高まっていることが報告されています。数日間、上記の基準を超える場合は、内科やかかりつけのクリニックに相談しましょう。
診察では血圧が高くなった時期や日常生活習慣、ご家族の病歴などをお伺いします。高血圧による体への影響や病気との関連性など、血圧が上がっている原因を把握するために検査を行います。主な検査と内容は以下のとおりです。
血液と尿検査で腎機能と糖尿病等を確認し、心電図で不整脈や心肥大が評価できます。胸部X線で心臓の大きさ・形を確認することで、負担の判別ができます。検査の総合的な結果から、一人ひとりに合った最適な治療方針を一緒に考えていきます。
以下の記事では、高血圧の診療で血液検査を行う目的や結果から分かること、異常が見つかった場合の対応について解説しています。
>>高血圧で血液検査をする目的とは? 判明する病気と異常が見つかったときの対応
高血圧は自覚症状が少ないため、気づかずに放置する方が少なくありません。放置すると、動脈硬化が進行しさまざまな合併症を引き起こす可能性があります。高血圧を放置することでリスクが高まる病気は、以下の表のとおりです。
心血管病で亡くなる方の約半数は、高血圧が原因と考えられています。高血圧の治療は、単に数値を下げるだけではありません。さまざまな合併症を予防し発症を未然に防ぎ、健やかな毎日を長く送り続けるために行います。
初期の段階では自覚症状がほとんどないことも多く、気づかないまま病気が進行してしまうケースもあります。以下の記事では、血圧が高いときに現れる可能性のある症状や起こりうる合併症のリスクについて解説しています。
>>血圧が高いと出る症状とは?脳や目、腎臓、心臓などの合併症のリスクを解説

高血圧は自覚症状が現れにくく、長期にわたって血管にダメージを与える可能性が高いです。大切なのは、緊張しがちな診察室での測定だけでなく、リラックスした状態の家庭血圧を正しく把握することです。高血圧の初期段階では、薬を使用せずに日常生活習慣を見直す取り組みも検討されます。
高血圧が継続する場合は、専門医へ相談しましょう。高血圧の原因は、尿検査や血液検査、心電図など他の疾患との関わりなどから正確に判断します。正常高値の段階から適切な対策を始めることが、将来の脳卒中や心筋梗塞などを防ぐうえで大切です。まずはご自身の血圧を知ることから、健康な未来への一歩を踏み出しましょう。
イーヘルスクリニック新宿院では、血圧に関する不安や健診結果のご相談にも対応しています。現在の状態を丁寧に説明し、生活改善や治療を一人ひとりに合わせて提案します。
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