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2026.05.26
#内科

高血圧による動悸の原因と対処法!心臓への影響や受診の目安も解説

運動をしていないのに急に動悸がしたり、健康診断で血圧が指摘されたりなど体の変化に不安を感じていませんか?単なる疲れやストレスではなく、心臓に何らかの異常があり、背景に高血圧の可能性が考えられます。

高血圧の患者さんは、心房細動(しんぼうさいどう)を発症する確率が約70%高くなると報告されています。心房細動は、放置すると心不全や脳梗塞などを引き起こす可能性のある不整脈です。

本記事では、高血圧が動悸を引き起こす3つの原因や病院へ行くべき危険な症状、具体的な対処法を解説します。早期に対応するために、ご自身の体を守るための知識を身につけましょう。

イーヘルスクリニック新宿院では、動悸や血圧に関するご相談に対応しています。血圧の状態や症状の経過、生活習慣を確認しながら、必要な検査や適切な管理方法について医師が丁寧にご案内します。動悸や血圧の変化が気になる方は、お気軽にご相談ください。

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記事監修:天野方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
経歴:埼玉医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学付属病院足利赤十字病院などで勤務。2016年、帝京大学大学院公衆衛生学研究科へ入学。2018年、ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)へ留学。予防医療特化のメディカルクリニックで勤務後、2022年「イーヘルスクリニック新宿院」開院。
専門分野:腎臓内科、抗加齢医学(アンチエイジング)、産業医学
資格:日本腎臓学会専門医・指導医抗加齢医学会専門医日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士・博士

高血圧で動悸が起こる原因

高血圧で動悸が起こる主な原因は、以下の3つです。

  • 心臓への負担(心肥大・機能低下)
  • ストレスによる交感神経の緊張
  • 高血圧が引き金となる不整脈

心臓への負担(心肥大・機能低下)

高血圧は、血液が血管の壁を押す圧力が慢性的に高い状態です。血圧が高い状態が続くと、心臓は血液を全身に送り出すために、いつもより強く働かなければなりません。そのため、心臓の筋肉(心筋)に負担がかかります。心筋への負担が長く続くと、心筋は圧力に耐えるために厚くなり心肥大(しんひだい)と呼ばれる状態になります。

心肥大が進行すると心臓の壁が硬くなり、血液をためたり送り出したりするポンプ機能が低下することがあります。その結果、体に十分な血液を送るために心拍数が増え、動悸として感じることがあります。高血圧は、心臓病や脳卒中などの心血管疾患の危険因子であることが報告されています。

高血圧を放置すると、心不全に進行する可能性もあるため注意が必要です。

ストレスによる交感神経の緊張

体は、自律神経により心臓の動きや血圧が調節されています。自律神経には、交感神経と副交感神経があり、2つがバランス良く働くことで体の状態が保たれています。しかし、次のストレスが続くと交感神経が優位になり、体は緊張した状態が続きます。

  • 仕事のストレス
  • 人間関係の悩み
  • 睡眠不足

交感神経が活発になると心拍数が増え、血管が収縮して血圧が上昇します。交感神経の緊張が続くと、動悸を感じたり血圧がさらに上昇したりする原因になることがあります。高血圧の方は心臓に負担がかかっているため、ストレスの影響を受けやすく、動悸が胸の不快感として現れることがあります。

睡眠中に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」も、高血圧や動悸の原因の一つです。睡眠中に酸素不足になると、体は酸素を補おうとして交感神経が活発になり、夜間や早朝の血圧が上昇しやすくなります。

高血圧が引き金となる不整脈

動悸の原因の中で注意が必要なのが「不整脈」です。高血圧によって心臓に長期間負担がかかると、心臓の構造や働きに変化が生じることがあります。心臓の拍動リズムをつくる電気信号の伝わり方に異常が起こり、不整脈が発生しやすくなります。

高血圧と関連が深い不整脈の一つが「心房細動」です。心臓の上部にある「心房」が不規則に細かく震える不整脈です。研究では、高血圧は心房細動の主要な危険因子であり、心房細動のある方の約70%に認められると報告されています。

心房細動で注意が必要なのは「脳梗塞」です。心房が正常に収縮できないと、心臓の中に血のかたまり(血栓)ができやすくなります。血栓が血流に乗って脳へ運ばれると、脳の血管を詰まらせ、脳梗塞を引き起こすことがあります。高血圧を指摘されている方が動悸を感じる場合は、不整脈が隠れている可能性もあるため早めに病院で原因を調べることが大切です。

血圧が高い状態が続くと血管に負担がかかり、脳の血管が詰まりやすくなる可能性があります。以下の記事では、高血圧と脳梗塞の関係や主な原因、予防や改善のポイントについてわかりやすく解説しています。
>>高血圧と脳梗塞の関係とは?原因や予防、改善法についても解説

すぐに受診すべき動悸

高血圧により心臓に負担がかかっている場合、動悸が起こることがあります。すぐに受診すべき症状について以下の3つを解説します。

  • 胸の痛み・圧迫感・息苦しさを伴う
  • めまい・ふらつきや意識が遠のく感覚がある
  • 安静にしても治まらない

胸の痛み・圧迫感・息苦しさを伴う

動悸に加え、胸の痛みや圧迫感、息苦しさがある場合は、注意が必要です。心筋に血液を送る「冠動脈」が狭くなったり詰まったりすると、心筋が酸素不足となり心筋虚血が起こることがあります。心筋虚血は、狭心症や心筋梗塞などの病気につながる可能性があります。以下の症状がある場合は緊急性が高いと考えられます。

  • 胸が締め付けられるような強い痛みがある
  • 胸に重い圧迫感を感じる
  • 安静にしていても息苦しさが続く
  • 胸の痛みが背中や左肩、腕、あご、歯などに広がる

胸の締め付け感や圧迫感は、心筋梗塞の初期症状として現れることがあります。症状が1つでも当てはまる場合は様子を見ず、救急車を呼ぶか速やかに病院を受診してください。

めまい・ふらつきや意識が遠のく感覚がある

めまいやふらつき、気が遠のく感覚がある場合も注意が必要な症状です。心臓から脳へ送られる血液量が一時的に減ることで起こると考えられています。

高血圧に関連した不整脈が起こると、心臓は血液を効率よく全身へ送り出せなくなることがあります。心臓の拍動が乱れることでポンプ機能が低下し、脳へ送られる血流が不安定になるためです。脳への血流が不足すると現れる症状は、以下のとおりです。

  • 立ち上がった瞬間に、目の前が真っ暗になる
  • 動悸と同時に立っていられないほどの強いふらつきがある
  • 意識がぼんやりして、人の話が理解しにくくなる
  • 血の気が引き、気が遠くなる感覚がある

上記の症状が起こると、意識を失って転倒し、頭を打つなどのけがにつながる可能性があります。症状を感じた場合は、無理をせず座るか横になるなど、安全な姿勢をとりましょう。動悸やめまいを繰り返す場合は、循環器内科などの病院で詳しい検査を受けることが大切です。

安静にしても治まらない

リラックスしているときや安静にしているときにも動悸が続く場合は、注意が必要です。高血圧が続くと心臓や血管に負担がかかり、自律神経のバランスが乱れ、心房細動などの不整脈が起こりやすくなることがあります。以下の症状がある場合は、心臓の異常が関係している可能性があります。

  • 横になって休んでいても動悸が10分以上続く
  • 夜布団に入ると、自分の心臓の拍動が気になり寝付けない
  • 動悸が原因で夜中に目が覚める
  • きっかけもないのに急に脈が速くなったり、脈が飛んだり乱れる

症状が頻繁に起こる場合は、心臓の状態を詳しく調べることが大切です。医師に正確に症状を伝えるため、日時や動悸が起こった状況、持続時間などを記録しておくと診察の際に役立ちます。

高血圧による動悸への対処法

高血圧による動悸への対処法について、以下の3つを解説します。

  • 薬物療法
  • 食事療法
  • 運動療法

薬物療法

高血圧の治療ではさまざまな種類の薬が使用されます。患者さんの年齢や血圧の状態、動悸の原因、持病などを総合的に考慮し、適切な薬が選択されます。主に使用される薬は、表のとおりです。

大切なのは、ご自身の判断で薬の量を調整したり、服用を中断したりしないことです。血圧が下がり症状が軽くなると「治った」と感じる方もいます。途中で服用をやめると、血圧が再び上昇し、心臓や血管に負担を与える可能性があります。薬は継続して服用することで、安定した効果が期待できます。

副作用が心配な場合や気になることは、我慢せず医師や薬剤師に相談しましょう。

食事療法

食生活を見直すことは、高血圧や動悸の改善に大切です。食事療法の基本は「減塩」です。塩分を摂りすぎると体内に水分がたまり、血液量が増えることで血圧が上がりやすくなります。厚生労働省によると、高血圧の重症化予防には1日の食塩摂取量は6g未満と推奨されています。具体的な減塩の工夫には、以下の方法があります。

  • ラーメンやうどんの汁は残す
  • 調味料は料理に直接かけず、つけて食べる
  • お酢やレモン、香辛料、香味野菜を使い、風味をつける
  • 加工食品を選ぶ際は、食塩相当量を確認する

カリウムは野菜や果物、海藻類に多く含まれ、体内の余分な塩分(ナトリウム)を体外に排出する働きがあります。減塩とカリウムを意識した食事は、高血圧だけでなく生活習慣病の予防にもつながる大切な方法です。毎日の食事に取り入れ、バランスの良い食事を心がけましょう。

以下の記事では、高血圧の食事で気をつけるポイントや血圧を下げる飲み物・食べ物について詳しく解説しています。
>>高血圧の食事で気をつけること!血圧を下げる飲み物・食べ物も紹介

運動療法

適度な運動は血圧を下げるだけでなく、心臓や血管を健康にする効果が期待できます。おすすめの有酸素運動は、以下のとおりです。

  • ウォーキング
  • 水中ウォーキング
  • サイクリング

厚生労働省によると、定期的に(できれば毎日30分以上)運動を行うことが推奨されています。最近の研究では、運動と腸内環境の関係が注目されています。腸内には多くの腸内細菌が存在し、体の健康に関わっています。

定期的な運動を行うと、腸内細菌のバランスが変化し、短鎖脂肪酸などの代謝物が作られることが報告されています。短鎖脂肪酸は血圧の調節にも関わる可能性があると考えられています。自己判断で急に運動を始めると危険な場合があるため、運動を始める前は医師に相談してください。

安全で効果が期待される運動の種類や時間について、医師と一緒に計画を立てましょう。

まとめ

高血圧による動悸の原因は、心肥大や心機能低下による心臓への負担、ストレスによる自律神経の乱れ、不整脈などがあります。高血圧と関連の深い不整脈(心房細動)が背景にある場合、心不全や脳梗塞につながる可能性があるため注意が必要です。

胸の締め付け感や圧迫感は、心筋梗塞の初期症状として現れることがあります。めまいやふらつき、気が遠のく感覚がある場合も注意が必要です。症状が落ち着いても放置せず、早めに病院を受診してください。

高血圧と動悸の治療は、薬物療法や食事療法、運動療法が基本です。食事は減塩を意識し、バランスの良い食事を心がけましょう。また、無理のない範囲で有酸素運動を継続することも大切です。薬は医師の指示に従い、服用を継続することが大切です。不安や気になる症状は一人で抱え込まず、内科などの医療機関に相談しましょう。

イーヘルスクリニック新宿院では、高血圧の管理や動悸などの体調変化に関するご相談を受け付けています。現在の血圧や生活習慣を確認しながら、一人ひとりに合った管理方法をご提案します。血圧や症状が気になる方はご相談ください。

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