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高血圧の問題点は、自覚症状がないまま静かに進行することです。サイレントキラー(沈黙の殺し屋)と呼ばれ、気づいたときには深刻な状態に至っている場合もあります。普段感じている頭痛や肩こりも、高血圧が関係している可能性があります。
英国の約125万人を対象とした研究では、高血圧の人は心血管疾患を生涯で発症するリスクが約1.4倍に高まると報告されています。さらに発症時期も早まることが示されています。この記事では、高血圧が引き起こす症状の仕組みから、命に関わる緊急のサインまでを詳しく解説します。
ご自身や大切な家族を守るため、まずは体が出す小さなSOSに気づくことから始めましょう。
イーヘルスクリニック新宿院では、頭痛や肩こりなど気になる症状の背景を評価し、生活改善から必要な治療までサポートします。気になる体調の変化があれば、お気軽にご相談ください。
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記事監修:天野方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
経歴:埼玉医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学付属病院や足利赤十字病院などで勤務。2016年、帝京大学大学院公衆衛生学研究科へ入学。2018年、ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)へ留学。予防医療特化のメディカルクリニックで勤務後、2022年「イーヘルスクリニック新宿院」開院。
専門分野:腎臓内科、抗加齢医学(アンチエイジング)、産業医学
資格:日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士・博士
高血圧で現れる主な症状について、以下の3つを解説します。
血圧が年単位で徐々に上昇すると、体は高い圧力の状態に少しずつ慣れてしまいます。血管に高い圧力がかかり続けると、血管の弾力性が失われていきます。血管が徐々に硬くもろくなる変化が、動脈硬化(どうみゃくこうか)です。
動脈硬化は、自覚症状がほとんどないまま進行します。血管がかなり傷つくまで気づきにくく、症状がない間も、心臓や脳、腎臓など重要な臓器に負担がかかり続けています。
高血圧が動脈硬化を進めてしまう理由を理解することは、早期の予防や生活習慣の見直しにもつながります。以下の記事では、動脈硬化と高血圧の関係や原因、症状、日常生活でできる予防、改善策について解説しています。
>>動脈硬化と高血圧の関係とは? 原因や症状、予防、改善策についても紹介
高血圧の方に頭痛やめまい、吐き気が現れた場合、体からの危険なサインの可能性が高いです。血圧が急上昇し、上の血圧が180mmHgを超えると脳血流を保つ機能が限界となり、血管から水分が漏れて脳浮腫を起こすことがあります。その結果、頭蓋内圧が上がり、ズキズキした頭痛が生じます。
高血圧で自律神経のバランスが乱れたり、動脈硬化で脳血管が細くなったりすると、血圧変動で脳への血流が不安定になります。立ち上がったときに、ふらつきやめまいを感じることがあります。
強い頭痛に吐き気を伴う場合は要注意です。高血圧性脳症など緊急性の高い状態の可能性があります。脳のむくみが強まると嘔吐中枢が刺激され吐き気が起こります。頭痛やめまい、吐き気は、高血圧がかなり進行した状態や、体に大きな負担がかかっているときに現れやすいサインです。
1つでも当てはまる場合は、放置せず医療機関を受診してください。
肩こりや動悸、むくみはよくみられる症状ですが、高血圧が関係している可能性があります。以下の表に、主な症状をまとめました。
肩こりや動悸、むくみは高血圧が全身に影響を及ぼし始めているサインである可能性があります。気になる症状があれば、まずはご自身の血圧を確認することから始めてみましょう。
高血圧が原因で脳や心臓に危険な症状が生じている可能性があります。すぐに受診を検討すべき症状は、以下のとおりです。
ご自宅などで血圧を測った際に、上の血圧が180mmHg以上、または下の血圧が120mmHg以上を示した場合、異常事態です。極めて高い血圧に加えて何らかの症状がある場合は、高血圧緊急症(こうけつあつきんきゅうしょう)が疑われます。
急激な血圧上昇によって、脳や心臓、腎臓などの臓器が短時間で傷ついている可能性があります。特に、以下の症状が同時に現れた場合は、すぐに受診してください。
以上の症状を伴う著しい高血圧は、脳卒中や心筋梗塞など重篤な疾患のリスクが高い状態です。すぐに医療機関を受診するか、救急車を呼んでください。
高血圧は、脳の血管に継続的な負担を与えるため、脳卒中(脳出血や脳梗塞)の主要な危険因子の一つです。激しい頭痛や吐き気、意識の異常、けいれん、歩けないほどのめまいは危険なサインです。脳出血や脳梗塞、高血圧性脳症などの可能性があります。異変を感じたら、迷わず救急車を呼びましょう。
脳血管の異常(脳梗塞など)を疑うサインは以下のとおりです。
脳梗塞のサインは、FAST(ファスト)と覚えておきましょう。上記のF・A・Sの症状が1つでも当てはまれば、Tを確認し、すぐに救急車を呼んでください。迅速な対応が命を守ります。
以下の記事では、高血圧と脳梗塞の関係や発症の原因、日常生活でできる予防、改善のポイントについて解説しています。
>>高血圧と脳梗塞の関係とは?原因や予防、改善法についても解説
高血圧に長年さらされた血管は弾力を失い、動脈硬化が進みます。動脈硬化が進むと、血管は詰まったり破れたりしやすくなり、心筋梗塞や大動脈解離、脳梗塞などを発症する恐れがあります。高血圧の方で、以下の症状が突然現れた場合は、心臓や血管に異常が起きている危険なサインです。
以上の症状が現れた場合は、放置せずすぐ救急車を呼んでください。
症状が出たときの対処として、安静にして血圧を測る方法と、受診の判断基準について解説します。
頭痛やめまいなどの症状を感じたら、まず安全な場所で安静にしましょう。不安や焦りは、血圧を一時的に上昇させます。正確な状態を知るためにも、まずは心を落ち着けることが第一です。
血圧測定の手順は、椅子に深く腰かけて楽な姿勢で休み、腕をテーブルに乗せてリラックスします。静かな環境で5分以上安静にしてから測定しましょう。カフは心臓と同じ高さ、ひじの内側から指2本上に巻きます。測定中は、会話や動作を避け、1〜2分あけて2回測定し記録します。
測定した血圧の値と症状、時刻をメモすることが重要です。血圧の記録は、医師が診断する際の大切な客観的情報となります。
上の血圧180mmHg以上、または下の血圧120mmHg以上で、以下の症状が1つでもみられる場合は緊急事態です。ためらわずに救急車を呼ぶか、夜間・休日でも対応可能な医療機関を受診してください。
以上の緊急性の高い症状はなくても、以下の場合は受診を検討しましょう。
症状がないからと安心せず、早めに専門医に相談することが大切です。
症状を悪化させないための注意点として、生活習慣の影響と再発予防について解説します。
高血圧は生活習慣病の代表であり、原因は日々の暮らしに潜んでいます。ご自身の生活を振り返り、当てはまるものがないか以下の表で確認してみましょう。
生活習慣の積み重ねは、血管や臓器に少しずつ影響を及ぼします。できることから見直し、継続することが将来の合併症予防につながります。
高血圧の治療の目的は、血圧の数値を下げることにとどまりません。脳卒中や心筋梗塞などの合併症リスクを低減し、健康的な生活を維持することにあります。自己判断で薬をやめたり生活習慣を元に戻したりすれば、血圧は再び上昇します。
高血圧は全身の血管に負担をかけます。脳では脳梗塞や脳出血、心臓では心不全や心筋梗塞の原因となります。腎臓では腎不全、眼では高血圧性網膜症などにつながることもあります。これらの深刻な事態を避けるために、以下の点を心に留めておきましょう。
高血圧との付き合いは、日々の小さな努力の積み重ねが将来の健康維持につながると考えられています。

高血圧はサイレントキラーと呼ばれ、多くの場合、自覚症状がないまま静かに進行します。頭痛や肩こり、めまいなどの症状が現れた場合は、体からの危険信号かもしれません。特に、突然の激しい頭痛や胸の痛み、ろれつが回らないなどのサインは、脳卒中や心筋梗塞など命に関わる病気の前触れの可能性があります。
これらの症状がみられる場合は、ためらわずに救急車を呼ぶなどの対応が必要です。症状がない場合も安心せずご自身の血圧を知ることから始めましょう。気になる症状があれば、自己判断で放置せず専門医へ相談することが、将来の健康を守るための大切な第一歩になります。
イーヘルスクリニック新宿院では、健康診断で血圧の異常を指摘された方や気になる症状がある方のご相談を受け付けています。
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Rapsomaniki E, et al. Blood pressure and incidence of twelve cardiovascular diseases: lifetime risks, healthy life-years lost, and age-specific associations in 1·25 million people. Lancet, 2014, 383, 9932, p.1899-1911