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2026.05.26
#内科

高血圧で耳鳴りが起こる原因とは?危険なサインと受診の目安を解説

原因不明の耳鳴りに、不安を感じる方は少なくありません。不快な耳鳴りは、高血圧と関係している可能性があります。耳鳴りは、高血圧による血流の変化が内耳に影響していることがあります。血圧が高い状態が続くと、血管を傷つけ、脳卒中や心筋梗塞などのリスクを高めることが知られています。

この記事では、高血圧が耳鳴りを引き起こすメカニズムや、放置してはいけない症状、具体的な受診方法を詳しく解説します。正しい知識を身につけ、耳鳴りによる不安の解消に役立てましょう。

イーヘルスクリニック新宿院では、耳鳴りや高血圧などの症状について総合的に診察を行っています。血圧の状態や体調を確認しながら、原因の評価や今後の管理方法についてご案内します。症状が続く場合は早めにご相談ください。

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記事監修:天野方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
経歴:埼玉医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学付属病院足利赤十字病院などで勤務。2016年、帝京大学大学院公衆衛生学研究科へ入学。2018年、ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)へ留学。予防医療特化のメディカルクリニックで勤務後、2022年「イーヘルスクリニック新宿院」開院。
専門分野:腎臓内科、抗加齢医学(アンチエイジング)、産業医学
資格:日本腎臓学会専門医・指導医抗加齢医学会専門医日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士・博士

高血圧で耳鳴りが起きる原因

高血圧で耳鳴りが起きる原因である、内耳の血流不足と血流の乱れが作る音について、解説します。

内耳の血流不足

耳の奥にある内耳には、音の振動を電気信号に変える有毛細胞があります。有毛細胞は、周囲の毛細血管から、酸素や栄養を受け取ることで機能しています。高血圧が続くと血管に圧力がかかり、血管の弾力性が失われ動脈硬化が進む可能性があります。内耳の細い血管は影響を受けやすく、血流が滞りやすい部位です。

血流が悪化すると、有毛細胞は酸素や栄養が不足し、正常に機能しない可能性があります。ダメージを受けた有毛細胞は、異常な電気信号を発生させます。脳が異常な電気信号を、音として誤って認識することが、耳鳴りの原因の一つと考えられています。

血流の乱れが作る音

急激な血圧の変動や動脈硬化によって血管が狭くなると、血液が通りにくくなります。血管が狭くなると血液の流れが乱れやすくなり、血液が渦を巻くような乱流が生じることがあります。乱流による振動が血管や周囲の組織を通じて内耳に伝わると、ザーザーといった血流の音に近い耳鳴りとして感じられることがあります。

高血圧の状態が続くと血管への負担が大きくなり、動脈硬化が進みやすくなります。血管の内側が狭くなると血液の流れが乱れやすくなり、耳鳴りの原因の一つになる可能性があります。

危険な耳鳴りのサイン

危険な耳鳴りのサインについて、注意が必要な耳鳴りの見分け方と拍動性耳鳴りを解説します。

注意が必要な耳鳴りの見分け方

激しい耳鳴りが突然始まった場合は、脳や首の血管に変化が起きている可能性があります。拍動性耳鳴りは、脈と同じタイミングで聞こえるのが特徴です。脳動脈瘤や血管奇形などが原因となっている可能性があり、放置すると脳卒中につながることがあります。耳鳴りと同時に以下の症状が現れた場合は、注意が必要です。

  • 激しい頭痛や吐き気:脳出血や脳梗塞の可能性
  • 言葉のもつれ:言語機能に関わる脳に異常が起きている可能性
  • 片方の手足のしびれ:運動機能に関わる脳に異常が起きている可能性
  • 視界の異常:視覚を司る脳や神経に異常が起きている可能性
  • 歩行のふらつき:小脳の機能に異常が起きている可能性

耳鳴りに伴う症状が現れた場合は、急激な血圧上昇によって起こる高血圧脳症や脳卒中の可能性があります。救急車を呼ぶか、速やかに医療機関を受診してください。

拍動性耳鳴り

拍動性耳鳴りは、心臓の拍動と同じリズムで聞こえる耳鳴りのことです。一般的なキーンという音の耳鳴りとは異なり、拍動性耳鳴りは注意が必要です。研究では、拍動性耳鳴りの原因は7割以上の患者で特定できると報告されています。拍動性耳鳴りは、音の原因を調べることで、治療につながる可能性があります

拍動性耳鳴りの背景に考えられる疾患は、以下のとおりです。

  • 硬膜動静脈瘻
  • 血管狭窄
  • 頸動脈乖離
  • 腫瘍
  • 心拍出量の増加
  • 頭蓋内圧亢進

拍動性耳鳴りは、脳卒中の前兆である可能性があります。急に始まったり、めまいや頭痛、手足のしびれなどを伴ったりする場合は、速やかに医療機関を受診してください。

高血圧以外に考えられる耳鳴りの原因

高血圧以外に考えられる耳鳴りの原因について、耳鼻咽喉科系の病気との見分け方と降圧薬の副作用の可能性を解説します。

耳鼻咽喉科系の病気との見分け方

耳鳴りの原因は、耳自体の病気であることがあります。代表的な病気に、メニエール病や突発性難聴があります。耳の病気による耳鳴りは、高血圧によるものとは異なる特徴を持っています。大切なのは、耳鳴り以外の随伴症状の特徴を知ることです。疾患の耳鳴りの特徴と随伴症状は、以下のとおりです。

耳鳴りの随伴症状によって、考えられる病気は異なります。回転性のめまいや急な難聴がある場合は、耳鼻咽喉科での専門的な診察が必要です。

降圧薬の副作用の可能性

高血圧の治療で服用する降圧薬が原因で、耳鳴りが起こることがあります。薬の効果で血圧が下がりすぎ、一時的に脳や内耳への血流が不足することが考えられます。副作用として耳鳴りが報告されている薬もあります。

症状が気になった場合でも、自己判断で服用を中止しないでください。薬を急にやめると、血圧が急激に上がることがあります。治療前よりも危険な状態となり、脳卒中などのリスクが高まります。薬の服用後に耳鳴りが出た場合は、以下の内容を医師に伝えましょう。

  • 始まった時期
  • 音の性質や内容
  • 聞こえる時間やタイミング
  • 内服前後の関係性

症状をかかりつけの医師に伝えることで、薬との関連性が判断しやすくなります。薬の種類を変更したり、量を調整したりすることで症状の改善が目指せます。

高血圧の治療では降圧薬以外にも、体質や症状に応じて漢方薬が選択肢となる場合があります。西洋薬とは作用の考え方や使い方が異なるため、特徴を理解しておくことが大切です。以下の記事では、血圧を下げる目的で用いられる漢方薬の種類や特徴、使用時の注意点について解説しています。
>>血圧を下げる漢方薬とは?種類別の特徴や使用法、注意点も解説

受診の目安

血圧が高くなると、めまいや頭痛、ふらつきなどが耳鳴りと一緒に現れることがあります。以下の症状を自覚する場合は、受診を検討してください。

  • 頭痛
  • 頭重感
  • 立ち上がったときのめまい
  • 動悸

血圧の上昇で首まわりの筋肉が緊張すると、頭痛や頭重感が現れることがあります。脳や内耳への血流が不安定になると、立ち上がったときにめまいや体のふらつきが現れることがあります。動悸は、高い圧力に逆らって血液を送り出そうとすることで、心臓に負担がかかっている可能性があります。

健康診断で高血圧を指摘された方や、高血圧の治療を受けている方が症状を感じたら、かかりつけ医に相談することをおすすめします。

以下の記事でも、血圧が高いと出る症状の特徴や臓器への影響について詳しく解説しています。
>>血圧が高いと出る症状とは?脳や目、腎臓、心臓などの合併症のリスクを解説

診療科の選び方

高血圧で耳鳴りもある場合は、かかりつけの内科または循環器内科を受診することをおすすめします。高血圧は全身の病気であり、耳鳴りの根本的な原因である可能性があります。医師による血圧の適切な評価と管理が大切です。

耳鳴りの原因が、耳自体にある可能性もあります。めまいや難聴を伴う場合は、メニエール病などの耳鼻科の病気も考えられます。耳鳴りがある場合は、聴力検査が推奨されています。内科での治療と並行して、耳鼻咽喉科で耳の状態を専門的に調べてもらうことをおすすめします。

まとめ

高血圧とともに現れる耳鳴りは、血圧の上昇によって、耳の奥にある内耳の血流が悪くなることで起こる可能性があります。血管の変化や血流の乱れが耳の神経に影響し、音として感じられることがあります。突然の激しい耳鳴りやめまい、頭痛などを伴う場合は、脳卒中などの病気の前兆の場合もあります。

耳鳴りが続く場合や症状が気になる場合は、自己判断で様子を見るのではなく、早めに医療機関を受診することが大切です。まずは、かかりつけの内科や循環器内科で血圧の状態を相談しましょう。耳鼻咽喉科での専門的な検査を受けることも、原因に応じた適切な治療につながります。

イーヘルスクリニック新宿院では、血圧の状態や生活習慣を総合的に確認し、将来の合併症予防を見据えた血圧管理をサポートしています。耳鳴りなどの症状が気になる場合も、まずは医師へご相談ください。

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参考文献

Narsinh KH, Hui F, Saloner D, Tu-Chan A, Sharon J, Rauschecker AM, Safoora F, Shah V, Meisel K, Amans MR. Diagnostic Approach to Pulsatile Tinnitus: A Narrative Review. JAMA Otolaryngol Head Neck Surg, 2022, 148, 5, p.476-483

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