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ワクチン
2022.04.26

HPVワクチン

HPVワクチンとは

HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)とは、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染を予防する効果が期待できる不活化ワクチンのことです。

HPVには約100種類の型があり、このうち約15種類が子宮頸がんをはじめ、がんの発症に関わっているといわれています。中でもHPV-16型、18型は20~30歳代の子宮頸がん患者さんの約70~80%から見つかっているとされ、実際にHPVワクチンを接種することによって約60~70%の子宮頸がんの発症を予防できると考えられています。

HPVワクチンで予防できる病気

HPVワクチンを接種することでさまざまな病気を予防できますが、一般的には“子宮頸がん”の発症を防ぐ目的で接種されることが知られています。子宮頸がんとは、子宮頸部(子宮下部にある管状の部分)にできるがんのことです。若い女性の発症が増えており、年々患者数や死亡数が増加傾向にあるといわれています。

主な原因であるHPVは性的接触のある女性の50%以上が一度は感染するといわれているウイルスですが、約90%の人は自身の免疫力でウイルスを排除することができるといわれています。しかし、ごく一部の人は感染が持続して、がんの前段階である“子宮頸部異形成”を経て、子宮頸がんに進行すると考えられています。

HPVのワクチンの種類

現在日本国内で販売されているHPVワクチンは2価、4価、9価の3つの種類があり、現在日本で定期接種の対象になっているのは、2価、4価ワクチンです。また、各ワクチンの違いは予防効果が期待できるHPVの種類です。

  • 2価ワクチン: HPV-16型、18型
  • 4価ワクチン:HPV-16型、18型のほか、良性の尖形(せんけい)コンジローマの原因となる6型、11型
  • 9価ワクチン:HPV-16型、18型のほか、腟がん、外陰部にできるがん、尖圭コンジローマの原因となるHPV-6型、11型、31型、33型、45型、52型、58型

このようにHPVワクチンは全てのHPVに対応しているわけではないため、ワクチンの接種のほか、定期的な子宮頸がん検診を受けることが子宮頸がんの予防効果を高めることにつながると考えられています。

いつ接種すればよいの?

対象者

予防接種には、自治体が主体となって実施する“定期接種”と、希望者が各自で受ける“任意接種”の2種類があります。また、HPVワクチンでは、対象となる年代で接種する機会を逃した方に対して “キャッチアップ接種”が行われています。

定期接種

HPVワクチンの定期接種は小学校6年生~高校1年生相当の女性が対象となります。ただし、接種は強制ではなく、対象者や保護者に適切な説明を行ったうえで同意が得られた場合に行われます。

キャッチアップ接種

定期接種で定められている年代より上の場合でも、公費で接種できる“キャッチアップ接種”が行われています。これは2013年6月から積極的勧奨が中断されていたことによって、ワクチン接種の機会を逃してしまった方に向けた制度です。対象者は以下のような方です。

  • 1997年4月2日~2006年4月1日生まれで、過去にHPVワクチンの接種を計3回受けていない方
  • 2006・2007年度生まれで、過去にHPVワクチンの接種を計3回受けていない方

対象者には自治体からお知らせが届くため、接種を希望する場合は案内にしたがって自治体や医療機関に相談するとよいでしょう。また、キャッチアップ接種も定期接種と同様に強制ではなく、対象者や保護者の同意のもとに接種が行われます。

任意接種

上記の対象者に該当しない場合でも、任意で接種が可能です。女性の場合2価ワクチンは10歳以上から、4価ワクチンと9価ワクチンは9歳以上から接種が可能です。なお、男性への接種は4価ワクチンのみ承認され、9歳以上から接種が可能です。

時期

HPVは一般的に性交渉によって感染するため、最初の性体験の前に接種することが大切です。女性の場合、定期接種の対象年齢である16歳頃までに接種するのがもっとも効果が高いといわれています。

ただし、それ以外の年齢でも有効性があることが国内外の研究で報告されており、疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)では性交渉があっても26歳までは接種することを推奨しています。

回数

合計3回の接種が必要で、1年以内に3回の接種を完了させることが望ましいとされています。また、ワクチンの種類によって接種間隔が異なるため注意しましょう。標準的な接種間隔は以下のとおりです。

  • 2価ワクチン:1回目を基準として、1か月後に2回目、半年後に3回目の接種を受ける
  • 4価ワクチン:1回目を基準として、2か月後に2回目、半年後に3回目の接種を受ける
  • 9価ワクチン:1回目を基準として、2か月後に2回目、半年後に3回目の接種を受ける

接種スケジュールを立てるときのポイント

HPVワクチンを接種してから、ほかのワクチンを接種する際の間隔に制限はありません。ただし、2022年4月現在接種が進んでいる新型コロナワクチンは、他のワクチンと同時期に接種できず、原則として2週間以上の間隔をあける必要があります。そのため、新型コロナワクチンを接種してからHPVワクチンを接種する場合は、このような点にも注意して接種スケジュールを立てるようにしましょう。

費用

定期接種とキャッチアップ接種の対象者の場合は無料(公費)で接種が受けられます。

一方で、上記に該当しない場合は任意接種になるため全額自己負担となります。また、9価ワクチンは、接種年齢にかかわらず全額自己負担となります。実際の費用は医療機関によって異なるため、事前に確認するとよいでしょう。

HPVワクチンを接種するときに気を付けたいポイント

クリニックでの待機について

接種直後に、注射による痛みや恐怖、興奮などがきっかけとなって失神することがあります。このような症状の9割程度が接種から約15分以内に起こるとされているため、接種後15から30分ほどは体を預けられるような場所で待機し、様子を見るようにしましょう。また、その際はなるべく立ち上がることを避けましょう。

接種後に出る可能性がある症状

接種した後は、ときに発熱や接種した部位の痛みや腫れ、腹痛、頭痛、筋肉痛や関節痛などが現れることがあります。また、極めてまれにアナフィラキシー(呼吸困難やじんましんなどが現れる重いアレルギー)が起こることがありますが、医療機関ではもしアナフィラキシーが起きたときにすぐ処置できるように医薬品などの準備をしています。適切な処置によってほとんどが改善するといわれています。

接種部位の異常や体調の変化、気になる症状が出た場合は、接種した医療機関に相談するとよいでしょう。特に、高熱やけいれん、激しい痛みが長期間続くといった異常な症状がある場合は早めの受診が必要とされています。針を刺した直後から強い痛みやしびれを感じるような場合は、すぐに医師に伝え、針を抜いてもらうなど適切な対応をしてもらうことも必要です。

接種できない・注意が必要な人

以下のような方は接種に注意が必要なため、医師に伝えたうえで効果やリスクについて十分に説明を受けてから接種を受けるようにしましょう。

  • 血小板が減少している、出血が止まりにくいなどの症状がある
  • 基礎疾患(心血管系、腎臓、肝臓、血液の病気、発育障害など)がある
  • 予防接種で接種後2日以内に発熱したことがある
  • けいれんが起こったことがある
  • 妊娠中または妊娠している可能性がある
  • ワクチンの接種後やけがをした後などに原因不明の痛みが続いたことがある