【肥満症の認可薬】ウゴービ注射とは?効果・副作用・費用を徹底解説

注射タイプの肥満治療薬として注目を集めている、ウゴービとトルリシティです。ウゴービは2023年3月に厚生労働省より、高度肥満症を対象として承認されたGLP-1受容体作動薬です。トルリシティは2015年7月に2型糖尿病の治療薬として使用され、体重減少は副次的な効果とされています。
この記事では、ウゴービとトルリシティの違いを比較し、特徴やメリット・デメリットを解説します。自分に合った薬を選ぶための重要な情報が満載ですので、ぜひ最後まで読んでみてください。
イーヘルスクリニック新宿院では、医療ダイエット外来(肥満外来)を実施しています。健康的な体重管理を目指す方のために栄養カウンセリングや合併症の精査などさまざまな治療オプションをご提案いたします。ウゴービの自由診療にも対応しており、医師の診察にもとづいて適切な治療をご提案しています。
単に体重減量を目指すだけでなく、肥満によって引き起こされる健康問題の早期発見や治療にも重点を置いているのが特徴です。忙しい方でも受診しやすい環境を整えていますので、お気軽にご相談ください。
ウゴービとトルリシティの違いとして、以下の5つを解説します。
ウゴービは、BMIが27以上で高血圧や脂質異常症などの合併症がある、あるいはBMIが30以上の肥満症の方を対象とした治療薬です。トルリシティは2型糖尿病の治療薬であり、血糖値のコントロールを目的としています。2型糖尿病患者に使用することで体重減少効果も期待できます。処方される条件や選択の基準を以下にまとめます。
項目 | ウゴービ | トルリシティ |
処方対象者 | 高度肥満、肥満関連疾患を持つ成人 | 2型糖尿病患者で食事・運動療法で不十分な場合 |
使用目的 | 体重減少、肥満改善、生活習慣病リスク低減 | 血糖管理、糖尿病合併症予防、体重減少効果は限定的 |
選択基準の例 | 減量目的・高度肥満ならウゴービ、糖尿病治療中ならトルリシティ | 医師が患者の目的・既往歴・予算を総合評価して判断 |
ウゴービとトルリシティはどちらも週1回、皮下に注射する薬です。医療機関で正しい注射方法の指導を受けることが推奨されます。ウゴービは0.25mgから開始し、最大2.4mgまで増量できます。トルリシティは0.75mgから開始し、最大1.5mgまで増量可能です。いずれも医師の指示に従って、適切な量を使用することが大切です。
ダイエット効果を比べると、ウゴービのほうが高い効果が期待できます。海外で行われた臨床試験では、ウゴービを使用した人の体重が平均で約15%減少したという報告もあります。トルリシティにも食欲を抑える効果はありますが、ウゴービほどの減量効果は認められていません。
糖尿病治療においては、トルリシティは血糖値のコントロールに効果を発揮します。ウゴービも血糖値を下げる効果がありますが、トルリシティは糖尿病治療を第一の目的として開発されています。
ウゴービとトルリシティの主な副作用は、吐き気や嘔吐、便秘、下痢などの胃腸症状です。副作用は薬の使用開始直後に出やすい傾向がありますが、多くの場合、時間の経過とともに軽快していきます。ウゴービは高用量で使用すると、胃腸症状が強く現れる可能性があります。トルリシティは低血糖に注意が必要です。
特に他の糖尿病薬と併用している場合は、低血糖のリスクが高まるため、血糖値の測定を慎重に行う必要があります。
ウゴービは保険適用外のため、費用は医療機関によって異なりますが、月3~5万円程度かかることが多いです。トルリシティは2型糖尿病の治療薬として保険適用されるため、自己負担額は月に数千円程度です。費用の面でも大きな違いがあるため、治療を受ける前に医師に確認しておくことが重要です。
どちらの薬が適しているかは、患者さんの状態や治療目標によって異なります。医師とよく相談し、ご自身の状況に合った薬を選択することが大切です。肥満症の治療には、薬物療法だけでなく、食事療法や運動療法も重要です。医師の指導のもと、治療法を組み合わせて、健康的な生活習慣を身につけていきましょう。
当院では、患者様の負担を抑えるため、ウゴービの0.25〜1.0mgを下記の料金でご提供しています。
含有量 | 1か月あたりの価格(税込) |
0.25mg | 15,400円 |
0.5mg | 24,200円 |
1.0mg | 25,200円 |
※初診3,300円、再診1,100円が別途必要です。
※当院ではトルリシティの取り扱いはございません。
ウゴービとトルリシティの治療の流れは以下のとおりです。
まず、医療機関を受診し、医師による診察を受けます。最初の診察は、あなたの肥満症の状況を正しく理解し、最適な治療方針を決定するために重要です。現在の体重や身長、BMIだけでなく、過去の病歴、現在の健康状態、生活習慣、肥満に関連する合併症の有無などを確認します。
血圧や血糖値、コレステロール値などの検査を行い、健康状態を総合的に評価します。肥満の原因を探るため、甲状腺機能低下症などの病気が隠れていないかどうかも調べます。問診では、あなたの肥満に対する悩みや治療への希望についても丁寧に聞き取ります。
医師と積極的にコミュニケーションを取り、気になることや不安なことは何でも相談しましょう。医師との信頼関係を築くことは、治療をスムーズに進めるうえで大切です。安心して治療に臨めるよう、納得いくまで質問し、十分な説明を受けてください。
医師の診察結果をもとに、一人ひとりに最適な治療計画が作成されます。治療計画には、使用する薬剤の種類(ウゴービかトルリシティか)、投与量、投与頻度(通常は週1回)、治療期間などが含まれます。薬物療法だけでなく、食事療法や運動療法も並行して行うことが推奨されます。
医師は、あなたのライフスタイルや食生活なども考慮し、無理なく続けられる具体的なプランを提案します。
ウゴービとトルリシティは、どちらも患者さん自身で皮下に注射するタイプの薬です。ペン型の注射器を使用するため、操作は比較的簡単です。初回投与時は、医療機関で医師や看護師から正しい注射方法の指導を受けます。注射の手順や注射部位(腹部、太もも、上腕など)、使用済み針の適切な廃棄方法などを教えてもらえます。
指導では、注射器の持ち方、針の刺し方、薬液の注入方法などを実際に練習しながら学ぶことができます。自己注射に不安がある場合は、遠慮なく気持ちを伝えましょう。練習用の注射器を使って繰り返し練習することで、自信を持って自己注射ができるようになります。
ウゴービとトルリシティによる治療は、1回で終わるものではなく、継続的に行うことが重要です。薬の効果や副作用の出方、体調の変化などを確認するため、定期的に医師の診察を受けましょう。診察時には、体重の変化や食欲の変化、副作用の有無、血糖値や血圧などの検査値などを確認します。
日常生活で困っていることや治療に関する疑問、不安なども相談しましょう。医師は、あなたの状態に合わせて薬の種類や投与量を調整したり、他の治療法を組み合わせたりしながら、最適な治療を継続していきます。
GLP-1受容体作動薬には、ウゴービ、トルリシティ以外にも、マンジャロ、オゼンピック、リベルサスなどがあり、それぞれ効果や副作用の特徴が異なります。もし現在の薬で思うような効果が得られない場合や、副作用がつらい場合は、医師に相談して、薬剤の変更を検討することも可能です。
肥満症の治療は、薬物療法だけで解決するものではありません。食事療法や運動療法、行動療法などを組み合わせ、生活習慣全体を改善していくことが重要です。医師の指導のもと、治療法をバランスよく取り入れ、健康的な生活習慣を身につけていきましょう。
最近では、同様に注目を集めている治療薬に「マンジャロ(チルゼパチド)」があります。マンジャロは、GLP-1受容体作動薬とGIP受容体作動薬という二重作用を持つ新しいタイプの薬で、血糖値のコントロールと体重減少の両方で高い効果が期待されています。
以下の記事では、マンジャロの詳しい減量効果や作用メカニズムについてわかりやすく解説していますので、治療を検討中の方はぜひ参考にしてください。
>>マンジャロの減量効果について
ウゴービとトルリシティの注意点は以下のとおりです。
ウゴービとトルリシティを使用する際は、必ず医師の診察を受けてください。自己判断で使用することは大変危険です。医師は、あなたの現在の健康状態、過去の病歴、他の薬の服用状況などを確認し、ウゴービまたはトルリシティが適しているかどうかを判断します。
すでに何らかの疾患で治療を受けている場合、併用禁忌の薬剤や飲み合わせに注意が必要な薬剤がある可能性があります。ウゴービやトルリシティは、GLP-1受容体作動薬という種類の薬ですが、DPP-4阻害薬という糖尿病の薬との併用は禁忌です。他の薬との飲み合わせによっては、効果が強まったり弱まったりする可能性があります。
特に、持病がある方やアレルギー体質の方は、ご自身の体質や健康状態に合った薬剤を選択するために、医師への相談が不可欠です。医師の指示に従わずに自己判断で服用すると、予期せぬ副作用が現れる可能性があります。問診では、治療への希望や不安についても話し合うことで、安心して治療に臨むことができます。
妊娠中または授乳中の方は、ウゴービとトルリシティを使用できません。もし妊娠している可能性がある場合、または妊娠を希望している場合は、必ず医師に相談してください。授乳中の方も、薬の成分が母乳に移行する可能性があるため、使用は避けるべきです。
妊娠中・授乳中はホルモンバランスが大きく変化しており、薬の作用や副作用の出方も通常とは異なる可能性があります。ご自身の健康だけでなく、お腹の赤ちゃんや授乳中の赤ちゃんを守るためにも、医師の指示に従うことが重要です。
ウゴービやトルリシティを使用する際に、他の薬を服用している場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。薬同士の相互作用によって、効果が変化したり、副作用のリスクが高まったりする可能性があります。
糖尿病の薬をすでに服用している場合、GLP-1受容体作動薬との併用により低血糖のリスクが高まる可能性があります。一部の抗うつ薬や抗精神病薬との併用では、消化器系の副作用が増強する可能性も懸念されます。服用中の薬剤がウゴービやトルリシティと相互作用を起こすかどうか、医師や薬剤師が専門的な知識にもとづいて判断します。
お薬手帳を持参し、現在服用している薬剤を正確に伝えることで、安全な薬物療法を受けることができます。
ウゴービとトルリシティは、食事療法や運動療法と併用することで、より効果的に肥満症を治療できます。食事療法では、バランスの良い食事を心がけ、摂取カロリーを適切にコントロールすることが重要です。野菜、果物、たんぱく質、炭水化物をバランス良く摂取し、脂質や糖質の過剰摂取を控えましょう。
1日の総摂取カロリーを計算し、消費カロリーとのバランスを考えることも重要です。運動療法では、ウォーキング、ジョギング、水泳など、無理なく続けられる有酸素運動を取り入れることが大切です。週に数回、30分程度の運動を目標に、徐々に運動量を増やしていきましょう。
日常生活の中で、エスカレーターではなく階段を使う、一駅分歩くなど、体を動かす機会を増やすことも大切です。生活習慣の改善は、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病の予防にもつながります。医師や管理栄養士、理学療法士などの専門家の指導を受けながら、健康的な生活習慣を身につけていきましょう。
ウゴービとトルリシティ、どちらも肥満治療に役立つGLP-1受容体作動薬ですが、それぞれ特徴があります。ウゴービはダイエット効果が高い一方、費用が高額です。トルリシティは2型糖尿病の治療薬として使用され、体重減少効果も期待できます。費用はウゴービより安価です。
どちらの薬も吐き気や嘔吐などの副作用が現れる可能性があり、医師との相談が欠かせません。肥満治療は薬物療法だけでなく、食事療法や運動療法も大切です。それぞれのメリット・デメリットを理解し、医師と相談しながら自分に合った薬を選び、健康的な生活習慣を築きましょう。
イーヘルスクリニック新宿院では、肥満症治療に特化した「医療ダイエット外来(肥満外来)」を実施しています。健康的な体重管理を目指す方のために栄養カウンセリングや合併症の精査などさまざまな治療オプションをご提案いたします。
当院の医療ダイエット外来(肥満外来)は、単に体重減量を目指すだけでなく、肥満によって引き起こされる健康問題の早期発見や治療にも重点を置いているのが特徴です。忙しい方でも受診しやすい環境を整えていますので、お気軽にご相談ください。
以下の記事では、来院治療に加えてオンライン診療でも受診可能な肥満外来について詳しく解説しています。
>>肥満外来(医療ダイエット外来)~来院治療に加え、オンライン診療でも受診可~
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Ania M Jastreboff, Louis J Aronne, Nadia N Ahmad, Sean Wharton, Lisa Connery, Breno Alves, Arihiro Kiyosue, Shuyu. Tirzepatide Once Weekly for the Treatment of Obesity. N Engl J Med, 2022, 387(3), p.205-216