アガリクスは、ブラジル原産のキノコで、日本でも人工栽培が行われています。βグルカンの成分は免疫力を高め、健康維持に役立つ可能性があると言われています。アガリクスには、βグルカンの他にも、ビタミンやミネラルなどさまざまな栄養素が含まれています。
免疫機能への影響や抗腫瘍効果、抗酸化作用などの健康効果が期待されています。本記事では、アガリクスの有効成分と働きについて解説します。具体的な摂取方法や注意点も紹介するので、健康な毎日を送るための参考にしてください。
当院では、免疫力向上や抗酸化作用、腸内環境の改善が期待できるアガリクスを使用した自費のサプリメントも取り扱っております。健康維持を目的としたサポートをご希望の方は、ぜひご相談ください。詳しくは以下の記事をご確認ください。
>>ブラジル産アガリクスKA21株:免疫力向上、抗酸化作用、腸内環境改善効果
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記事監修:天野方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
経歴:埼玉医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学付属病院や足利赤十字病院などで勤務。2016年、帝京大学大学院公衆衛生学研究科へ入学。2018年、ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)へ留学。予防医療特化のメディカルクリニックで勤務後、2022年「イーヘルスクリニック新宿院」開院。
専門分野:腎臓内科、抗加齢医学(アンチエイジング)、産業医学
資格:日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士・博士
アガリクスの成分と期待される健康効果について、下記の4つを解説します。
アガリクスは、ハラタケ科ハラタケ属に分類されるキノコの一種です。原産は、ブラジルのサンパウロ郊外にあるピエダーテ山地という標高800〜1500mの高原地域です。昼は35℃、夜は20℃と温度差が激しく、湿度も平均80%の環境です。
日本には、1965年に持ち込まれ、人工栽培が始まりました。さまざまなキノコに含まれる成分が、免疫調節作用や抗腫瘍作用を持つ可能性があると言われており、アガリクスも注目されています。
アガリクスは、他のキノコ類と比べてβグルカンの種類が特徴的です。主にβ-(1-3)グルカンとβ-(1-6)グルカンが結合したタイプのβグルカンが含まれています。βグルカンは、免疫細胞に関わる可能性が研究されています。免疫とは、体内に侵入してきたウイルスや細菌などに対する体の防衛システムです。
免疫細胞の一つであるマクロファージは、体内に侵入してきた異物を食べて処理する役割を担っています。また、同じく免疫細胞の1つであるナチュラルキラー細胞(NK細胞)は、がん細胞などを攻撃してくれる細胞です。βグルカンは、マクロファージやナチュラルキラー細胞などの働きを活性化させることで、免疫力を高める効果が期待されています。
以下の記事では、アガリクスに多く含まれる成分「β-グルカン」について、免疫力向上のメカニズムや含有量などを詳しく解説しています。成分の働きを正しく理解し、安全に活用するための参考にしてください。
>>β-グルカンで期待できる効果とアガリクスでの含有量!免疫力増強の仕組みを解説
アガリクスには、βグルカンの他にも、健康に役立つさまざまな成分が含まれています。エルゴステロールは、ビタミンDの前駆体となる物質で、骨の健康に関わる栄養素の一つです。ビタミンB2やビタミンD、ミネラル類(マグネシウムやカリウムなど)も含まれています。体の機能を維持するために欠かせない栄養素です。
少量ですが、脂質も含まれており、コレステロール値を下げる効果も期待できます。抗酸化作用のあるフェノール類も含まれています。アガリクスは、さまざまな栄養素をバランスよく含んでいる健康維持に役立つ食材の可能性があります。
アガリクスには、免疫機能への影響や抗酸化作用などの可能性のある効果に関して、研究が行われています。
アガリクスは健康食品の一つとして注目されていますが、アガリクスを摂取することで、病気が治るというわけではありません。健康維持には、バランスの取れた食事や適度な運動など、総合的な生活習慣が重要です。効果に関しては、研究段階であり、すべての人に同じ効果が現れるとは限りません。
βグルカンの種類や働きについて、下記の4つを解説します。
βグルカンは、さまざまな種類が存在します。ブドウ糖がどのように鎖状につながっているかという構造の違いによって、種類は多岐にわたり、それぞれの形や働きも少しずつ異なります。βグルカンはアガリクス以外に、下記の食品にも含まれています。
それぞれの食品に含まれるβグルカンの種類と期待される働きを、下記の表にまとめています。
食品 | βグルカンの種類 | 期待される働き |
アガリクス | β-(1-3)(1-6)グルカンなど | 免疫細胞の活性化 |
パン酵母 | β-(1-3)(1-6)グルカン | 免疫細胞の活性化 |
オーツ麦 | β-(1-3)(1-4)グルカン | コレステロール値の低下 |
ワカメ | β-(1-3)グルカン | 腸内環境改善の可能性 |
βグルカンはさまざまな食品に含まれており、それぞれ異なる健康効果が期待されています。食品によってβグルカンの種類や含有量が異なり、効果にも違いがある可能性があることを理解しておきましょう。
βグルカンは、免疫細胞を活性化させる可能性があります。私たちの体には、外部から侵入してきたウイルスや細菌、体内で発生したがん細胞などを攻撃する免疫細胞があります。βグルカンは、免疫細胞の表面にあるレセプターという部分に結合します。
免疫細胞の表面には、さまざまな種類のレセプターが存在し、それぞれ特定の分子を認識して結合する役割を担っています。βグルカンは、免疫細胞の表面にある特定のレセプター(補体受容体3やデクチン-1など)に結合することで、免疫細胞を活性化させる可能性があります。
活性化された免疫細胞は、体内の異物をより効率的に攻撃・排除できるようになる場合があります。マクロファージという免疫細胞は、異物を貪食(どんしょく:細胞が自分より小さい異物を細胞内に取り込み、分解すること)する能力の向上が期待できます。ナチュラルキラー細胞(NK細胞)は、がん細胞やウイルス感染細胞などを攻撃する能力の向上が期待できます。
以下の記事では、実際にアガリクスを使用した方々の口コミや体感された効果、継続するための活用術について詳しく紹介しています。
>>アガリクスの口コミからわかる実感効果!利用者の声と活用術
βグルカンについては、免疫細胞への影響に関する研究が進められています。マウスを使った基礎研究では、βグルカンを摂取することで、がん細胞の増殖が抑制されたという結果も報告されています。しかし、人における効果については、さらなる研究が必要とされています。
βグルカンは、がん細胞を直接攻撃するのではなく、体の免疫力を高めることで、健康維持をサポートすると考えられています。
以下の記事では、アガリクスとがんの関係についての研究結果や、実際の活用方法について詳しく解説しています。健康維持の一助として活用する際の参考にしてください。
>>アガリクスとがんの関係!研究結果と適切な活用法を紹介
βグルカンの効果的な摂取量は、はっきりと解明されていません。製品の種類や個人の健康状態によって異なるため、医師や薬剤師に相談することをおすすめします。サプリメントを選ぶ際には、βグルカンの含有量や抽出方法などを確認し、信頼できるメーカーの製品を選びましょう。
摂取方法はお好みに合わせて調整できますが、βグルカンはエキス化や低分子化など人工的な加工はせず、高分子の原末をそのまま摂取した方が、効果が高いことが確認されています。βグルカンの摂取は、バランスの取れた食事と適度な運動とともに、健康的な生活習慣の一部として取り入れることが重要です。
アガリクスの効果的な摂取方法と注意点について、下記の3つを解説します。
アガリクスを摂取する際に、多くの方が利用するのがサプリメントです。サプリメントで摂取する場合、製品に記載されている用法や用量を守ることが重要です。アガリクスの適切な摂取量は、製品の形態(錠剤やカプセル、粉末など)や含有成分の濃度、製造方法などによって異なる場合があります。
自己判断で摂取量を増やすと、消化器系の不調(下痢や腹痛)などの副作用が現れる可能性も懸念されるため、注意が必要です。摂取のタイミングは、基本的にはいつでも問題ありません。より効果的に栄養を吸収するためには、食後の摂取をおすすめします。
食後に摂取することで、アガリクスに含まれる栄養素が他の食品成分と一緒に吸収されやすくなり、効率よく体内に取り込まれると考えられているためです。空腹時に摂取すると胃に負担がかかる可能性があるため、胃腸の弱い方は食後の摂取を心がけてください。
製品によっては、就寝前の摂取が推奨されている場合もあります。就寝前に摂取することで、睡眠中に栄養素が体に行き渡り、より効果的に作用する可能性があると考えられています。各製品のおすすめの摂取タイミングを確認し、自身の生活リズムに合った方法で摂取するようにしましょう。
アガリクス製品には、粉末・顆粒タイプやカプセルタイプ、タブレット(粒)タイプ、エキス(液体)タイプなど、さまざまな種類があります。それぞれのタイプの特徴を理解し、自分に合った製品を選びましょう。それぞれのタイプの特徴について、以下の表にまとめています。
タイプ | 特徴 | メリット | デメリット |
粉末・顆粒タイプ | アガリクスを乾燥させ、粉末・顆粒状にしたもの。 | アガリクス本来の味や香りが楽しめる。他の食品や飲み物に混ぜやすい。 | 溶けにくい場合がある。個別に包装されていないと、計量が面倒な場合がある。 |
カプセルタイプ | 粉末をカプセルに詰めたもの。 | 摂取量を正確に管理しやすい。味や香りを気にせず摂取できる。持ち運びに便利。 | 他の食品や飲み物に混ぜることができない。カプセルの大きさが苦手な方もいる。カプセルの原料に人工添加物が含まれていることがある。 |
タブレット粒タイプ | 原末をそのままタブレットにしたもの。 | 摂取量を正確に管理しやすい。味や香りを気にせず摂取できる。持ち運びに便利。 | 他の食品や飲み物に混ぜることができない。タブレットの大きさが苦手な方もいる。 |
エキス(液体)タイプ | アガリクスを抽出したもの。 | 飲みやすい。 | β-グルカンの含有量が下がり、効果が下がる可能性がある。製品によっては、効果がなかったといったデータもある。 |
製品を選ぶ際には、βグルカンをはじめとする有効成分の含有量や製造方法、安全性などを確認することが大切です。信頼できるメーカーの製品を選び、品質の高いアガリクスを摂取するようにしましょう。GMP認定工場や残留農薬証明書(無農薬栽培)の表示は、製品の品質や安全性の目安となるので、参考にしましょう。
アガリクスは健康食品であり、医薬品ではありません。効果効能を謳うことは薬機法で禁止されています。製品の広告や説明書きに、過度に効果効能を強調している場合は、信頼性に欠ける可能性があるので、注意が必要です。
健康食品や薬との併用については、医師や薬剤師に相談することをおすすめします。以下の方は注意が必要です。
免疫抑制剤や抗がん剤など、免疫機能に影響を与える薬を服用している方は、併用することで効果が変化する可能性があるため、注意が必要です。
複数のサプリメントを同時に摂取する場合も、医師や薬剤師に相談することをおすすめします。自己判断で摂取せず、専門家のアドバイスを受けることで、適切にアガリクスを摂取しましょう。
アガリクスはβグルカンをはじめ、さまざまな栄養素を含み、免疫機能への影響や抗腫瘍効果、抗酸化作用などが期待されています。サプリメントや、粉末・顆粒、タブレット、エキスなどさまざまな種類があります。ご自身の生活スタイルに合わせて、用法や用量を守って摂取することが大切です。
他の健康食品や薬との併用時は注意が必要です。持病がある方や薬を服用中の方は、医師や薬剤師に相談しましょう。アガリクスは健康な毎日をサポートしてくれる可能性のある食品です。バランスの取れた食事や適度な運動と合わせて、健康的な生活習慣の一部として取り入れていきましょう。
アガリクスの中でも特に高い注目を集めているのが「キングアガリクス」です。栽培方法や成分の特性に優れ、免疫力向上の効果にも期待が寄せられています。以下の記事では、その効果や活用法について詳しく解説しています。
>>キングアガリクスの効果と活用法!免疫力アップのメカニズムを解説