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診療科目
2022.08.25
#対象疾患

ピロリ菌検査

ピロリ菌検査とは

ピロリ菌検査とは、胃の中のピロリ菌(後述)の有無を調べる検査のことです。検査方法にはいくつか種類があり、大きく分けて“内視鏡を使う検査”と“内視鏡を使わない検査(血液や便、尿、呼気を用いる)”があります。

内視鏡検査とは、内視鏡カメラを口や肛門(こうもん)から入れることで、胃や腸の状態を目視で検査する方法です。必要であれば、異常部位の切除や治療も可能です。

一方、内視鏡を使わない検査では、採血で行うピロリ菌抗体検査や診断薬の服用前後の吐く息を集めて診断する尿素呼気検査などによってピロリ菌感染を確認します。これらの検査は、内視鏡検査よりも比較的手軽に、体への負担も少なく受けることができます。

ピロリ菌って?

ピロリ菌とは胃の粘膜にいる細菌のことです。健康な日本人でも多くの人が感染しているとされ、感染していても無症状のことが一般的です。しかし、胃や十二指腸の潰瘍(かいよう)や炎症が起こった患者さんはピロリ菌に感染していることが多く、ピロリ菌が胃や十二指腸の炎症または胃がんなどの発症に関わっていると考えられています。

そのため、ピロリ菌検査を受けて陽性になった場合、積極的に除菌することが望ましいとされています。

検査がすすめられる人の特徴

ピロリ菌検査がすすめられる人の特徴は、以下のとおりです。気になることがある方はそのままにせず、医療機関を受診して検査の要否について医師に相談してみるとよいでしょう。

  • 胃・十二指腸潰瘍にかかったことがある人、再発を繰り返す人
  • 胃炎など胃の病気にかかったことがある人
  • 早期胃がんの内視鏡的治療を受けた後の人
  • 胃がんの家族歴がある人
  • なんとなく胃の具合がいつも悪い人 など

検査で分かる病気

ピロリ菌検査を受けることで分かる病気は、以下のとおりです。

  • 胃がん
  • ヘリコバクター・ピロリ感染症
  • 胃十二指腸潰瘍
  • MALTリンパ腫
  • 胃炎 など

ピロリ菌検査では、ピロリ菌への感染の有無はもちろん、胃潰瘍や胃炎といった病気の発見につながる場合もあります。

ピロリ菌抗体検査結果の見方

ピロリ菌の感染歴を調べるための検査には種類がありますが、中でも血液検査によってピロリ菌に対する抗体の有無を確認するピロリ菌抗体検査が広く用いられています。

基準値

  • 陰性

検査において、ピロリ菌に対する抗体量の基準値は3U/ml未満です。検査結果が3U/ml未満だった場合は、異常なしと判断します。結果が基準値を超えていた場合はピロリ菌感染の可能性があるため、消化器内科の受診の検討をおすすめします。

異常値

  • 陽性

ピロリ菌検査で陽性となった場合、消化器内科などの受診を検討しましょう。血液検査では既感染を反映する場合もあるため、病院では必要に応じて尿素呼気試験や内視鏡検査などが行われ、現時点での感染の有無を確認します。

検査結果が陰性となった場合でも、100%感染していないというわけではないので注意が必要です。早期発見・早期治療のために、定期的ながん検診などの受診をおすすめします。

ピロリ菌検査を受けるときに気を付けたいポイント

検査前の準備

ピロリ菌検査(血液検査や尿検査など)を受ける場合、検査当日の食事制限はありません。ただし、尿素呼気試験検査を行う場合は、検査当日の飲食は控え、喫煙も避けるようにする必要があります。また、尿検査の場合は、生理中は検査ができない場合があります。詳しくは医師や看護師に確認しましょう。

痛み

血液検査では、採血による痛みを感じることがあります。また、内視鏡検査で麻酔をする場合は、痛みや苦しさはあまり感じません。

「ピロリ菌検査から治療までの流れ」について詳しく見る