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2024.03.09
#アレルギー科 #対象外来

慢性蕁麻疹(検査、治療など)

蕁麻疹とは

蕁麻疹は、皮膚の一部が一時的に腫れて赤くなり、強いかゆみを伴う症状を指します。これは、体内の免疫系が過剰反応してヒスタミンという物質を過剰に放出する結果、血管が拡張し皮膚が腫れることによります。蕁麻疹は、食物、薬物、感染症、ストレスなど、さまざまな要因によって引き起こされることがあります。

 

急性と慢性の違い

蕁麻疹は、発症から6週間以内に消える場合は「急性」、6週間以上続く場合は「慢性」と分類されます。急性蕁麻疹は一般的に特定のアレルギー反応や感染症によって引き起こされます。一方、慢性蕁麻疹の原因はしばしば不明で、自己免疫反応が関与していると考えられています。慢性蕁麻疹は、日常生活に大きな影響を及ぼす可能性があり、長期的な管理が必要となることがあります。

 

症状

慢性蕁麻疹の主な症状は、皮膚の赤い腫れた発疹と強いかゆみです。これらの発疹は数時間から数日間続き、新たな発疹が古いものの代わりに現れます。発疹は体のどの部分にも現れる可能性があり、一部の人々は腫れや痛みを伴う深層の蕁麻疹を経験することもあります。

  • 皮膚のかゆみ:強い場合もあり、睡眠不足や集中力低下などの原因となる。
  • 発疹:大きさや形は様々で、赤く腫れたり、盛り上がったりする。
  • 血管浮腫:まぶたや唇など、皮膚の下の組織が腫れる。

 

原因

慢性蕁麻疹の原因は多岐にわたりますが、主なものには以下のような要因があります。

慢性蕁麻疹は個々の患者によって異なるため、その原因も個人差があります。医師が患者の症状や病歴を詳しく聞き取り、適切な検査を行うことで、原因の特定と適切な治療が行われます。

  • アレルギー:食物、ダニ、薬など
  • 感染症:ウイルス感染症、細菌感染症など
  • 自己免疫疾患:橋本病、 Graves 病など
  • ストレス
  • 物理的な刺激:寒冷刺激、摩擦刺激など
  • ホルモンバランスの変化
  • 遺伝的要因

 

検査

慢性蕁麻疹の診断は、主に症状と患者の医療歴に基づいて行われます。アレルギーテストや血液検査が行われることもありますが、これらは原因を特定するためではなく、他の可能性のある病状を除外するために行われます。医師は、患者の症状、食事、薬物の使用、ストレスレベルなど、様々な要素を考慮に入れて診断を行います。

  • 問診:症状や経過について医師に詳しく説明する。
  • 血液検査:アレルギーテストや自己抗体の検査などを行う。
  • 皮膚テスト:食物やダニなどのアレルギー検査を行う。
  • 皮膚生検:皮膚の一部を採取して検査を行う。

*当院では皮膚テストや皮膚生検は行っていません。

 

治療

慢性蕁麻疹の治療は、症状の管理が中心となります。抗ヒスタミン薬が最初に処方され、これによりヒスタミンの放出が抑制され、腫れとかゆみが軽減されます。症状が抗ヒスタミン薬で十分にコントロールできない場合は、免疫系を抑制する薬が使用されることもあります。また、患者はストレス管理技術を学ぶことも推奨されます。

薬物療法での対策

  • 抗ヒスタミン薬:かゆみや発疹を抑える(例:ビラノア)。
  • ロイコトリエン拮抗薬:抗ヒスタミン薬の効果が不十分な場合に追加で使用する。
  • ステロイド薬:症状が強い場合に短期間使用する。
  • 生物学的製剤:他の治療法で効果が得られない場合に使用される。
  • その他の治療法:光線療法、漢方薬など

日常生活での対策

  • かゆみを悪化させるものを避ける:熱いお湯、掻きむしり、アルコール、ストレスなど
  • 睡眠不足や疲労を避ける
  • ゆったりとした衣服を着る
  • 室温や湿度を調整する
  • 爪を短く切る
  • 保湿クリームを使用する

慢性蕁麻疹は完治が難しい場合もありますが、適切な治療を受けることで症状をコントロールすることができます。 かゆみや発疹で悩んでいる方は、早めに医療機関を受診しましょう。

 

イーヘルスクリニック新宿院のアレルギー科

蕁麻疹に苦しむ患者の中には、従来の治療法が効果を発揮せず、かゆみや不快感に悩まされる方がいます。2017年3月、このような患者のために新たな光が差しました。それが、「ゾレア」として知られる新しい治療法です。

ゾレアはかつて、重症な気管支喘息の治療に使用されていましたが、その効果がじんましんにも確認され、治療の選択肢に追加されました。原因不明の特発性慢性じんましんで、様々な薬を試しても症状が改善しなかった重症な症例にも適用されます。

多くの患者にとって、これまでの治療法が十分でない場合、ゾレアは改善の見込みがあります。しかしながら、全ての患者に効果があるわけではなく、副作用も考慮しなければなりません。また、高価な医薬品であり、経済的な負担も心配です。

ゾレアを含む治療法については、イーヘルスクリニック新宿院でのご相談をお待ちしています。

 

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記事監修:天野 方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2016年より帝京大学大学院公衆衛生学研究科に入学し、2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2022年4月東京都新宿区に「イーヘルスクリニック新宿院」を開院。複数企業の嘱託産業医としても勤務中。
日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。

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