インフルエンザ感染症

痛風とは、血液中の尿酸が多い状態(高尿酸血症)が続いた結果、血液中に溶けきれなくなった尿酸が関節の中で固まって関節に突然激痛が起こる病気(発作)のことです。また、尿酸は私たちが活動するために必要な“プリン体”というエネルギー物質が分解されてできる老廃物です。プリン体は体内で作られるほか、食品にも含まれています。
痛風や高尿酸血症の原因は、腎臓から尿酸を排出する機能の低下、肥満、暴飲暴食、激しい運動などさまざまです。患者は男性に多く、女性は女性ホルモンによって尿酸値が調整されるため、比較的少ないです。また、砂糖入り清涼飲料水やお酒をよく飲む、激しい運動をすることがある、肥満である、ストレスがある、血縁者に痛風の人がいる、水分をあまり取らないなどの特徴がある人に起こりやすいといわれています。
痛風の症状はなんの前触れもなく、ある日突然現れることが一般的です。
症状が現れるのは、主に以下のような場所です。
痛風の症状がみられる場合は高尿酸血症になっており、進行すると腎不全につながることもあるため、早めの治療が必要です。また、3~7日程度経つと痛みがなくなることが一般的ですが、痛みが引いても病気が治ったわけではありません。関節に尿酸の結晶がある限り再発する恐れがあり、再発を繰り返しながら重症化するとされています。
そのため、上記のような症状があったり、すでに高尿酸血症や痛風を指摘されていたりする場合は、早めに内科などの受診を検討し、放置したり治療を中断したりしないようにしましょう。
尿酸は常に体の中で作られています。このため、尿酸を含む食品を控えるなどの生活習慣の改善や、尿酸値をコントロールする治療を同時に行うことが大切です。また、痛風発作が出ないからといって薬をやめてしまうと再発する可能性があるので、医師の指示にしたがって治療を受けるようにしましょう。
痛風発作が起こったら、まずは痛みや腫れを取り除く薬(非ステロイド抗炎症薬)を使用します。その後症状が治まったら、痛風の原因である高尿酸血症の治療を行います。
高尿酸血症の治療では、尿酸値を下げる薬を少量から使い始め、少しずつ尿酸値を下げることを目指します。また、尿酸が尿路で結晶化しないよう、尿アルカリ化薬を併用することもあります。
痛風や高尿酸血症の発症には生活習慣が大きく関わっていることから、原因となる生活習慣を改善することが重要な治療の1つとなります。主に適度な運動やバランスの取れた食事、お酒の摂取量などについて指導されることが一般的です。
具体的には、“痛風になったときに気を付けたいポイント”の項目で説明します。
痛風や高尿酸血症では、薬物療法と同時に生活習慣の改善を行うことが基本です。
適正なカロリー量を守ることが大切です。また、肉や魚の内臓、干物などは尿酸の元となるプリン体が多く含まれるため、食べすぎに注意しましょう。糖分も尿酸値が上がる原因となるため控えることが大切です。
一方で、食物繊維やビタミンCを多く含む食品や乳製品(特に低脂肪乳製品)、サクランボやコーヒーなどは痛風予防につながるとされています。
アルコールの摂取によって尿酸値が上がるといわれているため、取りすぎには注意しましょう。特にビールは痛風のリスクをもっとも高めるといわれているため、注意が必要です。
尿酸値への影響を最低限に抑える1日当たりの摂取量の目安は、ビール350~500ml(銘柄によって異なる)、日本酒1合、ウイスキー60ml(ダブル)といわれています。詳しくは医師や栄養士などに確認するようにしましょう。
運動によって尿酸値を下げることが期待できるといわれています。たとえば、有酸素運動(ウォーキングやジョギング、サイクリングなど)を1回10分以上、1日合計30分~1時間程度行うとよいとされています。
一方で、短距離走といった無酸素運動は尿酸値が上がる原因になってしまうため注意が必要です。また、関節に負担がかかって痛風発作につながることがあるため、運動の内容は医師と相談しながら決めるとよいでしょう。
水分をしっかり取って、尿から尿酸を排出させることも大切です。水やお茶を1日に2L以上飲むとよいとされています。ただし、糖分が多い清涼飲料水などは尿酸値の上昇につながるため控えるようにしましょう。
痛風の痛みは3~7日程度経てばなくなることが一般的です。しかし、関節に尿酸の結晶がたまっている限り再発することがあるため注意が必要です。痛風発作は再発を繰り返しながら重症化するため、適宜受診し、放置したり治療を中断したりしないようにしましょう。