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2022.10.07

脂肪肝の検査や診断基準とは? ~基準値・診断方法を詳しく解説~

脂肪肝とは、中性脂肪がたまった肝臓のことを指します。原因のほとんどは過食と多量飲酒だといわれており、男性に多く、メタボリックシンドロームを合併しやすいのも特徴です。また、脂肪肝はアルコール性、非アルコール性(NAFLD)に分けられ、NAFLDはさらにNAFL(非アルコール性脂肪肝・脂肪肝のまま進行しない状態)とNASH(非アルコール性脂肪肝炎・肝炎に進行した状態)に分けられます。脂肪肝が悪化すると肝炎や肝がんに至ることもあるため、早期診断、治療が大事です。

この記事では、脂肪肝の検査方法や診断に関わる数値などについて詳しく解説します。

脂肪肝の検査

脂肪肝の検査や診断では、血液検査と超音波検査やCTスキャンなどの画像検査を合わせて行うことが一般的です。血液検査で異常がなく、画像検査で脂肪肝が判明することもあります。さらに、場合によっては肝生検を行うこともあります。それぞれの詳細は以下のとおりです。

血液検査

脂肪肝などがあると、AST (GOT)、ALT (GPT)、γ-GTPなどの数値に異常が出ることがあります。これらは健康診断などで行われる一般的な血液検査にも含まれることが多いです。

AST (GOT)

  • 基準値:おおむね7~38IU/L

肝細胞でつくられる酵素であり、肝臓や心筋、骨格筋、赤血球などに含まれています。

ALT (GPT)

・基準値:おおむね4~44IU/L

肝細胞でつくられる酵素であり、主に肝臓に存在しています。

γ-GTP

  • 基準値:男性でおおむね80IU/L以下、女性でおおむね30IU/L以下

たんぱく質を分解する酵素であり、肝臓や膵臓すいぞう、腎臓などに含まれています。

AST、ALTが高値の場合、脂肪肝やアルコール性肝炎(アルコール性脂肪肝よりもさらに病状が進んだ肝障害)などの可能性があります。この場合、それぞれの数値は50~100U/L前後に上昇することが多いとされています。一方、γ-GTPが高値の場合はアルコール性肝障害(おおむね5年以上にわたる飲酒のし過ぎが原因となる肝障害の総称)、NASH、肝硬変(肝臓の炎症を修復する際にできるコラーゲンが増加し、肝臓の全体に広がっている状態)の可能性があります。

超音波検査

超音波(エコー)検査とは、超音波を使った画像検査のことです。脂肪肝の場合、肝臓がぎらぎらと輝いて見えることがあります。また、血液検査で異常がなくても、画像検査で脂肪肝と判断することもあります。

肝生検

肝生検とは、針を使って肝臓の一部(1×16mm前後)を採取し、肝臓の組織を顕微鏡で観察する検査です。

脂肪肝の診断基準

脂肪肝となっていても自覚症状はないことがほとんどだとされています。そのため、自覚症状だけで脂肪肝の診断や、NAFL、NASHの区別はできないことが一般的です。それぞれの診断方法や診断基準は以下のとおりです。

アルコール性脂肪肝の診断基準

肝細胞の30%以上に中性脂肪がたまっており、長期(通常は5年以上)にわたって過剰な飲酒(1日平均のエタノール摂取量が60g以上)をしている場合はアルコール性脂肪肝だと考えられます。

エタノール摂取量は“お酒の摂取量(mL)×エタノール濃度(例:5%なら0.05)×0.8(エタノールの比重)”で計算します。ただし、女性や、体質などによっては1日40g程度でもアルコール性脂肪肝につながることがあるとされています。また、血液検査では、AST・ALTの軽度の上昇、γ−GTP上昇などがみられることがあります。

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の診断基準

エタノール換算で1日あたりの飲酒量が男性で30g以下、女性で20g以下の場合は、非アルコール性と判断されることが一般的です。この条件に当てはまり、画像検査で脂肪肝の所見があり、ほかの肝臓の病気がないことが確認できればNAFLDと診断できます。

NASH(非アルコール性脂肪肝炎)

自覚症状だけでNAFLとNASHの区別をすることはできないとされており、NASHの確実な診断のためには肝生検が必要となります。肝生検によって肝臓の組織を詳しく調べ、脂肪性肝炎の所見があればNASHと診断されることが一般的です。

また、NASHが進行して肝硬変になると、黄疸おうだんや足のむくみ、腹水による腹部膨満感などの症状が現れることがあります。

健康診断の数値が気になったら早めに受診を

健康診断の血液検査などでAST 、ALT 、γ-GTPといった数値に異常があった場合は、脂肪肝の可能性があります。脂肪肝が悪化すると肝炎や肝がんに至ることもあるため、健診で異常を指摘された場合は早めに受診を検討するとよいでしょう。

脂肪肝の診断のためには、血液検査のほか、画像検査、肝生検などが行われることがあります。この記事で紹介した以外にも、ほかの病気と区別するためにさまざまな検査が行われることがあるので、医師の指示に従って検査を受けましょう。