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2022.10.20

舌下免疫療法の前に行う血液検査とは? ~結果の見方や治療法についてもご紹介~

舌下免疫療法とは、アレルギー症状の根本的な改善を期待できる治療法のことをいいます。舌下免疫療法は、スギ花粉またはダニによるアレルギー性鼻炎と診断された場合にのみ受けられるものであり、全てのアレルギーに対して効果があるわけではありません。治療の適応を判断するためには、血液検査を受ける必要があります。

本記事では舌下免疫療法における血液検査の内容や結果の見方について解説します。

舌下免疫療法の前に行う血液検査の内容

前述のとおり、舌下免疫療法はスギ花粉やダニがアレルゲン(アレルギーの原因物質)となっているアレルギー性鼻炎に行われる治療です。そのため、治療前にアレルゲン を特定し、治療対象となるか確認する必要があります。これには、血液検査で行う特異的IgE抗体検査と呼ばれる検査が行われることが一般的です。

特異的IgE抗体検査とは

特異的IgE抗体検査とは、血液検査によってそれぞれのアレルゲンに作られる固有のIgE抗体の量を測定する検査のことです。IgE抗体は、体の外から入ってきた異物(アレルゲン)を排除しようとはたらく物質のことで、これが花粉症などのアレルギー症状の原因になっているといわれています。

血液検査の結果の見方

検査結果は、クラスという7段階で表されます。

  • クラス0:陰性
  • クラス1:偽陽性
  • クラス2~6:陽性

なお、ここで注意したいのが、数値が高い=症状が強いということではありません。症状がない場合もIgE抗体が検出されることがあります。クラスが高い場合は、そのアレルゲンに対してアレルギーを持っている可能性が高いと考えられます。つまり、クラス0の陰性の場合はアレルギーである可能性が低く、クラス6の場合はアレルギーである可能性が高いということです。

舌下免疫療法の内容

舌下免疫療法はアレルゲンが含まれる治療薬を少しずつ投与して、体を徐々にアレルゲンに慣らしていく治療法です。使用する治療薬はアレルゲンによって異なります。

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服用方法

治療薬を舌の下に置き、1分間そのままの状態を維持した後に飲み込みます。その後、5分間は飲食しないようにしましょう。初めての服用の際には、医療機関で医師の指導のもとで服用しますが、2日目以降は自宅で服用することになります。これを1日1回、数年間続ける必要があります。

治療にはどんな効果があるの?

スギ花粉やダニに対する体の免疫反応を抑えるので、くしゃみや目のかゆみといった花粉症の症状の改善が期待できます。また治療効果が得られれば、抗アレルギー薬といったアレルギー治療薬の使用量が減るので、眠気など薬の副作用が少なくなります。

早い方では、数か月で効果が出始め、70~80%の方の症状が改善されるといわれています。一方で、舌下免疫療法による効果を感じられない方も20%ほどいます。

治療の開始時期

スギ花粉によるアレルギーの場合は、花粉の飛散時期を避けて6~12月頃から治療をスタートします。これは、花粉が飛ぶ可能性がある時期に始めると、アレルゲンの吸収量が過剰になってしまうためです。一方で、ダニに対するアレルギーの場合は、一年中いつからでも治療をはじめられます。

舌下免疫療法の血液検査について分からないことは医師に相談しよう

舌下免疫療法は、スギ花粉またはダニによるアレルギー性鼻炎と診断された場合にのみ受けられるので、アレルギーがあるかどうかを血液検査で確かめる必要があります。検査費用は保険適用で受けられます。舌下免疫療法の血液検査について分からないことがあれば、医師に相談したり医療機関に確認したりしましょう。

eHealth clinicでも舌下免疫療法を行っています。ぜひご相談ください。