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診療科目
2023.06.02
#対象疾患

シダキュア

シダキュアとは

シダキュア(スギ花粉エキス原末)とは、スギ花粉症の減感作療法という治療に使う薬です。減感作療法とは、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を低い濃度から体内に取り入れ、様子を見ながら少しずつ濃度を上げて体をアレルゲンに慣らす治療法です。シダキュアの主成分はスギ花粉であり、少しずつ服用量を増やすことでスギ花粉によるアレルギー(花粉症)の症状を緩和するとされています。

シダキュアには、シダキュアスギ花粉舌下錠(かふんぜっかじょう)2,000JAU、5,000JAUがあります。

※当院で舌下免疫療法(シダキュア)をご希望の方へ
現在、舌下免疫療法の治療においてシダキュアの急激な需要増により、薬剤が不足している状況です。
当院でも、周辺薬局に問い合わせ等しておりますが、周辺薬局でもお薬が不足しています。
(新規の患者様には、場合によってはご自身で薬局で手配していただく可能性があります。)
ご不便をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

 

シダキュアが処方される病気とは?

シダキュアが処方されるのは、主に以下のような病気や状況のときです。

  • スギ花粉症*

*スギ花粉症とは、花粉の中でもスギ花粉が原因(アレルゲン)となってアレルギーが起こる花粉症のことです。花粉症の中でもっとも多いタイプで、主にくしゃみや鼻水、鼻づまり、目がかゆくなるなどの症状がみられます。スギ花粉の飛散時期は春が中心です。

シダキュアの使用方法とは?

シダキュアスギ花粉舌下錠2,000JAUを1日1回1錠服用し、1週間経過したらシダキュアスギ花粉舌下錠5,000JAUを1日1回1錠服用します。舌下錠とは、舌の下に入れて溶かして使う薬です。舌の下で1分間保持した後で飲み込み、その後5分間は、うがいや飲食を控える必要があります。

また、服用の開始時期は、スギ花粉が飛散していない時期を選ぶことがポイントです。

シダキュアの使用に注意が必要な人とは?

シダキュアでは、以下のような方で使用に注意が必要、または使用できないことがあります。気になることがある場合は、事前に医師や薬剤師などに相談するようにしましょう。

シダキュアの使用に注意が必要な人

  • シダキュアまたはアレルゲンエキスによる診断や治療、またはスギ花粉を含む食品の摂取などをした際にアレルギー症状が現れたことがある人
  • 気管支喘息(きかんしぜんそく)の人
  • 悪性腫瘍(あくせいしゅよう)(がん)や免疫系に影響を及ぼす病気の人
  • 高齢者
  • 妊婦、妊娠している可能性がある人
  • 授乳中の人
  • 小児 など

シダキュアの使用ができない人

  • シダキュアの服用によってショックを起こしたことがある人
  • 重症の気管支喘息の人 など

シダキュアと飲み合わせが悪い薬や食品はある?

シダキュアは、以下の薬との組み合わせが悪いとされています。

以下の薬との併用には注意が必要とされています。

  • 減感作療法薬

ほかの減感作療法薬との併用で、アナフィラキシーなどのアレルギー反応を含む副作用の発生が増加するおそれがあります。

  • 非選択的β遮断薬
  • 全身性ステロイド薬

シダキュアによるアレルギー反応が強く現れることがあり、全身性ステロイド薬と併用するとシダキュアの効果が得られない可能性があるとされています。

シダキュアの使用中に注意したい症状

シダキュアの服用開始初期(1か月程度の間)に以下のような症状が現れることが多いため、注意しましょう。時に服用をやめたり、適切な処置が必要となったりする場合もあるため、気になる症状が現れた場合は医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

重大な症状

アナフィラキシー (重いアレルギー反応)

頻度は不明ですが、重大な症状としてショック、アナフィラキシーが起こる恐れがあります。血圧低下や呼吸困難、全身潮紅、顔のむくみ、のどの腫れ、蕁麻疹(じんましん)、喘息などの異常な症状がみられることがあります。

比較的よく起こる症状

5%以上の頻度で口の中の腫れやかゆみ、不快感、のどの刺激感や不快感、耳のかゆみを生じることがあります。また、1~5%未満の頻度で口内炎、口腔粘膜の赤い斑点、口の感覚の低下、のどの痛み、皮膚のかゆみ、鼻水、眼のかゆみ、くしゃみ、鼻づまりが現れることがあります。長く続く場合などは受診を検討するとよいでしょう。

まれな症状

1%未満で口の中の痛み、舌のかゆみ、舌炎、口の錯感覚、のどの腫れ、咳、悪心(吐き気)、嘔吐、腹部不快感、口の渇き、腹痛、好酸球性食道炎(好酸球という白血球の一種によって起こる食道の炎症)、発疹(ほっしん)、蕁麻疹が現れることがあります。

また、頻度は不明ですが、下痢、頭痛、動悸、まぶたの腫れが現れることもあります。

長く続くなど気になる症状がある場合は受診を検討するとよいでしょう。また、ここにある症状は全てではありません。詳細な効果や副作用については、医師や薬剤師のほか、薬の添付文書を確認するとよいでしょう。