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高尿酸血症とは、血液中の尿酸値が通常よりも高く7.0mg/dLを超えた状態のことです。高尿酸血症の多くは明確な原因が見つからない“原発性高尿酸血症”ですが、はっきりとした原因が見つかることもあります。この場合を“二次性高尿酸血症”(または“続発性尿酸血症”)と呼びます。
本記事では、二次性高尿酸血症の原因疾患について解説します。
高尿酸血症の中でも病気が原因となっているものは、“二次性高尿酸血症”といいます。このように明らかな原因が見つかる高尿酸血症は、全体の約5%を占めるといわれています。原因疾患は遺伝性の病気やがん、甲状腺疾患、腎疾患などさまざまです。病気のほかには、服用している薬や生活習慣が原因という場合もあります。
高尿酸血症は、尿酸値が高くなるメカニズムによって “尿酸産生過剰型”、“尿酸排泄低下型”、“混合型”の3つのタイプに分類され、それぞれ原因となる病気が異なります。以下ではタイプ別に原因疾患をご紹介します。
尿酸産生過剰型は尿酸が過剰に作られてしまうタイプの高尿酸血症です。原因となる代表的な病気は以下のとおりです。
遺伝的にプリン体にかかわる代謝のはたらきが悪かったり、特定の酵素が欠損していたりする病気が原因となることがあります。たとえば、Lesch-Nyhan(レッシュ・ナイハン)症候群は遺伝子の異常によって、プリン体(尿酸の材料となる物質)の再利用に関与する酵素が欠損し、尿酸が過剰に作られてしまいます。
正常な細胞の遺伝子が傷つくことによって異常に細胞が増殖する悪性腫瘍(がん)なども原因となることがあります。たとえば、腫瘍崩壊症候群では悪性腫瘍の治療(放射線治療など)によって大量のがん細胞が急速に壊された場合に、がん細胞の“死がい”などが原因となり尿酸が過剰になることがあります。
甲状腺ホルモンのはたらきが低下する病気のことです。尿酸の材料となるプリン体は、体内でエネルギー源となるATP(アデノシン三リン酸)の構成成分で、甲状腺機能低下症になると、このATPの代謝に異常が生じることで尿酸が過剰になることがあります。
尿酸排泄低下型は腎臓からの尿酸の排泄が悪いタイプの高尿酸血症です。代表的な病気は以下のとおりです。
腎臓に起こる病気のことです。腎臓は尿酸を排泄するはたらきがあるため、腎疾患によって腎臓のはたらきが悪くなると、尿酸の排出が抑制されて高尿酸血症になることがあります。
混合性は、尿酸産生過剰型と尿酸排泄低下型の2つが混合しているタイプの高尿酸血症です。代表的な病気は以下のとおりです。
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たとえば、肥満は食べ過ぎや飲み過ぎからプリン体の大量摂取につながり、尿酸が過剰に作り出されてしまうことがあります。また、肥満によって尿酸の排泄を抑制するはたらきのあるインスリンの分泌が過剰になることがあり、その結果尿酸の排泄が悪くなってしまうこともあります。
二次性高尿酸血症の治療は原因疾患の治療を行いながら、尿酸産生過剰型、尿酸排泄低下型、混合型に適した薬物療法を行います。高尿酸血症の主な治療薬には、尿酸の排泄を促す“尿酸排泄促進薬”と尿酸の産生を抑える“尿酸生成抑制薬”があります。
尿酸産生過剰型には尿酸生成抑制薬、尿酸排泄低下型には尿酸排泄促進薬を使うことが多いですが、患者さんの状態に合わせて医師が選択します。混合型の場合は、尿酸生成抑制薬と尿酸排泄促進薬を併用することもあります。
また、肥満などが原因の場合は食事や運動などの生活習慣を見直すことが大切です。いずれも医師や管理栄養士などの指示に従って治療を受けるようにしましょう。
二次性高尿酸血症といわれたら、原因疾患と高尿酸血症の両方をしっかりと治療することが大切です。原因が生活習慣の場合は、高プリン食や飲酒を控えるなど、医師や医療スタッフの生活指導を守りましょう。
eHealth clinic内科・腎臓内科では高尿酸血症や痛風の診療を行っています。高尿酸血症などの生活習慣病は食事や運動など生活習慣が原因となっていることがあるため、薬を使用するだけではなく生活習慣を見直し改善することも治療の1つになります。
eHealth clinicには管理栄養士が在籍し、管理栄養士による栄養相談も実施しています。管理栄養士が患者さんの普段の食事内容や生活スタイルを丁寧にヒアリングし、無理なく続けられる食事法をアドバイスしていきます。患者さんの健康をサポートできるよう、さまざまな要望に対応できるように体制も整えております。疑問や不安があればお気軽にご相談ください。
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