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2022.10.31

不整脈と狭心症の関係とは~狭心症が原因の不整脈は早めに治療を~

心室期外収縮という不整脈は狭心症が原因で起こることがあります。狭心症が原因の場合、より危険な不整脈に移行する可能性があるため、医療機関で検査を受けることが重要です。

そこで今回は、不整脈(心室期外収縮)と狭心症の関係や、不整脈と狭心症の予防・改善法などについて解説します。

不整脈と狭心症の関係

不整脈にはいくつか種類があり、なかでももっともよくみられる心室期外収縮は、狭心症などの心疾患が原因で起こることがあります。

心臓には、洞結節(どうけっせつ)という、規則的に電気を送る発電所のような部位があります。その洞結節以外の場所から何らかの理由で電気刺激が起こり、本来のタイミングよりも早く心臓が収縮するのが“期外収縮”です。狭心症によって心臓の血流が悪くなり、心臓が酸素不足(虚血)に陥ると、冠動脈(心臓に血液を流す血管)の形態や機能に異常が生じて不整脈が起こることがあるのです。

また、期外収縮は心房(心臓の上部。流れ込んできた血液を心臓の下の部屋に送る)で起こる“心房性期外収縮”と心室(心臓の下部。血液を心臓の外に送る)で起こる“心室性期外収縮”の2種類に分類されます。

狭心症ってどんな病気?

狭心症とは、動脈硬化などが原因で冠動脈が狭くなり、心臓の血流が悪くなった状態のことです。心臓が酸欠状態に陥ることで、胸の圧迫感や痛み、苦しさ、血圧低下などの症状が出ることがあります。

狭心症の症状は、歩行などの動作中に起こることが多いですが、安静にしているときに冠動脈がけいれんし、発作が出ることもあります。

不整脈(心室期外収縮)・狭心症の予防法と治療法

心臓の病気がない場合、心室期外収縮は特に治療をせずに経過をみるのが一般的です。心室期外収縮は自覚症状がほとんどないことが多いうえに、軽度の不整脈に対して長期間薬を投与すると、かえって経過が悪くなる可能性もあるためです。

しかし、狭心症などの心臓の病気がある場合は、心室期外収縮から心室細動(心室が震えるだけで収縮せず、血液が送り出されなくなる状態)などの危険な不整脈に移行するリスクがあります。心室細動などに移行すると突然死する恐れもあるため、心室期外収縮と診断された場合は、狭心症などの心疾患がないかを調べることが大切です。心室期外収縮の改善法や治療法、狭心症の予防法や治療法は以下のとおりです。

心室期外収縮の改善法・治療法

心室期外収縮は自覚症状がないのが一般的ですが、脈が飛んだ感じがする、一瞬動悸がするなどの症状が出ることがあります。こうした症状は運動や飲酒などによって誘発されることがあるため、症状改善のためには以下のように生活習慣を改善するとよいでしょう。

  • 激しい運動は避ける
  • 規則正しい生活を心がけ、睡眠不足や疲労に注意する
  • 飲酒や喫煙、カフェインの摂取を控える

など

自覚症状を強く感じている場合は、抗不安薬や抗不整脈薬などが投与されることもあります。検査の結果、狭心症などの心疾患があることが分かった場合は、それらの病気の治療が必要です。

狭心症の予防法・治療法

狭心症になる主な原因は、喫煙、LDLコレステロールの高値、高血圧、メタボリックシンドロームなどによる動脈硬化といわれています。喫煙、動物性の油や食塩の取り過ぎ、過度な飲酒、運動不足といった生活習慣を改善しましょう。

狭心症の治療が必要な場合は、体の状態によって薬物治療、心臓カテーテル治療(手首・足の付け根などの動脈からカテーテルという細い管を心臓に入れ、詰まった血管を網状の金属で広げる)、冠動脈バイパス治療(冠動脈の異常が生じている部分よりも先に、新たな血管を縫い付ける)の3種類から選択されます。

不整脈(心室期外収縮)と適切な治療や狭心症予防に努めよう

心室期外収縮のみで心疾患がない場合は、特に治療は必要ないとされています。動悸などの症状が出ている場合は、激しい運動を避ける、規則正しい生活をするなど、生活習慣を改善するとよいでしょう。

しかし、狭心症などの心疾患がある場合は、心室期外収縮から心室細動などの危険な不整脈に移行する恐れがあります。そのため、日ごろから狭心症の予防に努めたり、必要に応じて適切な治療を受けたりするとよいでしょう。

eHealth clinicの不整脈治療では、本人の生活スタイルなどに合わせたよりよい治療法を提案します。医師はもちろん、看護師や管理栄養士などがチームになって不整脈の改善をサポートします。ぜひご相談ください。