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2022.09.28

発熱に伴って下痢・嘔吐がみられる原因とは?~病気の詳細と対処法を解説~

発熱とともに下痢や嘔吐などの症状が現れた場合、細菌やウイルスによる感染症、食中毒などの消化管の病気、炎症を起こす病気などの可能性が考えられます。症状が続くと脱水が起こることもあり、体重が10%以上減少してしまう高度の脱水は命にかかわることもあるため、注意が必要です。

この記事では、発熱と下痢・嘔吐の原因となる病気の詳細と治療法や、症状が現れたときの対処法について解説します。

発熱に伴う下痢・嘔吐の原因や治療法

感染性胃腸炎

感染性胃腸炎とは、細菌やウイルスに感染したことによって引き起こされる胃腸炎のことです。原因には生の魚介類や卵、加熱不足の食肉など多くの食品が考えられ、飲料水もその1つです。また、人やペットへの接触によって感染することもあります。

感染すると、発熱、悪心、嘔吐、腹痛、下痢などが生じることがあります。症状の現れ方は、発熱の後に下痢が出現することもあれば、発熱はなく下痢のみが現れることもあります。

感染性胃腸炎にかかった場合は、脱水症を起こさないよう水分をこまめに摂取することが大切です。特に体力の弱い高齢者や乳幼児は水分とともに栄養補給にも気を付け、体力の消耗を防ぐことも重要です。強い下痢止めの服用は推奨されていません。

風邪

風邪は、鼻から喉までの気道にウイルスなどの病原体が侵入し、急性の炎症が起こる病気です。症状としては鼻水や鼻づまり、喉の痛みなどが主体となりますが、発熱、下痢、嘔吐、頭痛、全身のだるさなどが現れることもあります。

風邪の場合は、安静にして、水分と栄養の補給を心がけることで自然治癒することが一般的です。状況に応じて、鼻水を減らす薬や解熱剤などを服用する選択肢もあります。

新型コロナウイルス感染症

“SARS-CoV-2”というウイルスに感染することで発症する病気です。感染した人との会話や咳・くしゃみなどにより、ウイルスを含む飛沫を吸い込むなどして感染するとされています。

症状は、発熱や倦怠感、悪寒などの風邪症状、咳、痰といった呼吸器症状のほか、最近では下痢や嘔吐が生じるケースも報告されています。重症化すると呼吸困難、意識朦朧(いしきもうろう)、胸部圧迫感などが生じ、人工呼吸器による管理が必要となる場合もあります。

感染が疑われる場合は、かかりつけ医や“新型コロナ受診相談窓口”などに電話相談してください。軽度であればほとんどは自宅療養で回復するため、消化のよい食事と十分な水分を取り、しっかりと睡眠を取って外出を控えることが大切です。また、軽症者向けに飲み薬が処方されることがありますが、妊娠している方、またはその可能性のある女性は服用できません。

胆嚢炎

胆嚢(たんのう)は、肝臓で作られた胆汁を貯蔵する袋のような臓器です。

胆嚢炎は胆嚢に炎症が生じたものであり、主な症状は右わき腹の痛みや発熱、悪寒、悪心、嘔吐などです。治療では胆嚢を摘出する手術を行うことが一般的です。

多くは腹腔鏡による手術が可能ですが、病状によっては開腹手術となることもあります。

発熱と下痢・嘔吐が現れたときの対処法

発熱や下痢、嘔吐がある場合は水分摂取が非常に重要です。体力がない高齢者などは1~2日で脱水症を起こすこともあるため、予防のためにも十分な水分摂取を心がけましょう。

また、脱水の徴候がみられる場合や、生ものや魚介類、きのこなどを食べて食中毒が疑われる場合などは、早めの受診を検討するとよいでしょう。脱水の徴候としては、喉や口が乾く、尿が出ない、疲労感などの症状が挙げられます。

新型コロナウイルス感染症が疑われる場合は、“新型コロナ受診相談窓口”や、かかりつけ医に電話で相談するとよいでしょう。

発熱と下痢・嘔吐があるときは早めの受診を

発熱と下痢・嘔吐がある場合は、食中毒を含む感染性胃腸炎のほか、さまざまな病気の可能性があります。症状が重かったり気になる症状があったりする場合は、早めに受診の検討をするとよいでしょう。