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2022.09.30

画像でわかる糖尿病の診断基準とは? ~糖尿病と糖尿病予備軍の診断基準の違い~

糖尿病とは、ホルモンの一種であるインスリンがうまくはたらかないことで血液中のブドウ糖が増加する病気です。糖尿病の診断では、採血をして血糖値を測定し、血糖値が一定の数値を超えることで糖尿病と診断されます。本記事では、糖尿病の診断基準値や検査方法、血糖コントロールの重要性について解説します。

糖尿病の診断基準とは

糖尿病を診断する際には、血液検査による血糖値を基準にして判断します。血糖値は測るタイミングなどによって、(1)早朝空腹時血糖値(2)随時血糖(3)75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)(4)HbA1cがあります。また、数値によって、正常範囲内を示す“正常型”、糖尿病の診断基準内の数値を示す“糖尿病型”、正常型と糖尿病型のどちらの数値にも当てはまらない “境界型”の3段階に分類され、糖尿病は“糖尿病型”に該当する数値が2回確認できた場合、または(1)〜(3)のいずれかと(4)が確認された場合に初めて診断されます。

糖尿病予備軍の診断基準

血糖値は突然高くなるわけではなく通常は徐々に上昇していくため、正常の範囲より少し高くなってきた状態を“境界型”といいます。これは糖尿病予備軍ともいわれ、正常型の6~20倍も糖尿病を発症する確率が高いとされ、将来糖尿病になる可能性がある状態を指します。境界型はHbA1cが 6.5%未満かつ、空腹時血糖値もしくは75g経口ブドウ糖負荷後2時間のどちらかが境界型の範囲内の数値に該当する場合に診断されます。

糖尿病と診断される血糖値

前述のとおり、糖尿病は“糖尿病型”に該当する数値が2回確認できた際に診断されます。具体的な数値は以下のとおりです。

早朝空腹時血糖

  • 糖尿病型:126mg/dL以上
  • 境界型:110~125mg/dL
  • 正常型:110mg/dL未満

検査当日の朝食を取らず、空腹状態で採血して血糖値を測定した値のことです。早朝空腹時血糖値が126mg/dL以上の場合、糖尿病型と診断されます。

随時血糖

  • 糖尿病型:200mg/dL以上

特に時間を決めずに食後に採血し、血糖値を測定した値のことです。随時血糖値が200mg/dL以上の場合、糖尿病型と診断されます。

75gOGTT2時間値(75g経口ブドウ糖負荷試験)

  • 糖尿病型:200mg/dL以上
  • 境界型:140~199mg/dL
  • 正常型:140mg/dL未満

ブドウ糖を摂取し、一定の時間が経過するごとに採血を行い、時間による血糖値の変化を調べた値です。具体的には、検査当日の朝まで10時間以上絶食し、空腹状態で採血を行って血糖値を測定します。その後、ブドウ糖液を飲み、30分後、1時間後、2時間後にそれぞれ採血を行い、血糖値を測定します。2時間後に測定した75gOGTT値が200mg/dL以上の場合、糖尿病型と診断されます。

ただし、明らかに高血糖であると考えられる場合は、診断においてこの検査は必要ありません。ひどい高血糖の場合、75g経口ブドウ糖負荷試験を行うことでさらなる高血糖が生じることもあります。

HbA1c検査

  • 糖尿病型:6.5%以上

HbA1c検査(採血)を行うことで、過去1~2か月の血糖値の状況を把握することができます。HbA1cとは、赤血球の中の全てのヘモグロビンのうち、血液中の糖と結びついたものの割合のことです。血糖値が高いほどヘモグロビンと結びつくブドウ糖は多くなり、一度ブドウ糖と結びついたヘモグロビンは、赤血球の寿命である120日が経つまで元に戻りません。そのため、血糖値が低い状態が続くとHbA1cの数値は低くなり、血糖値が高い状態が続くとHbA1cの数値は高くなり、直近1~2か月間の血糖値の状況の判断材料となるのです。

数値が5.6%~6.4%で特定保健指導(保健師などによる生活習慣の見直しサポート)、6.5%以上で糖尿病と診断され、医療機関の受診が推奨されます。

糖尿病の治療には血糖コントロールが重要

血糖値が高い状態が続くと、神経や腎臓、目などに病気が生じることがあります。これを糖尿病における慢性合併症といいます。糖尿病によって合併症を起こさないようにするために、あるいはすでに合併症がある場合には悪化させないために、血糖コントロール(血糖値を適切な数値に維持すること)が重要です。血糖コントロールを行うために、食事や運動、薬による治療が行われます。

血糖コントロールの目標数値

血糖コントロールの目標数値は下記のとおりです。

  • 血糖正常化を目指す場合:HbA1c6.0%未満
  • 合併症予防のための目標:HbA1c7.0%未満
  • 副作用などの理由で治療の強化が難しい場合の目標:HbA1c8.0%未満

糖尿病による合併症を起こさない、もしくは悪化させないためにはHbA1cを7%未満にすることが推奨されています。

ただし、体の状態や治療内容は一人ひとり異なるため、目標値もその人に合ったものを設定する必要があります。一般的に、高齢者や合併症が進行している方は目標数値を緩やかに、若年者や妊娠中の方はより厳しい数値に設定したほうがよいとされています。そのため、目標数値の詳細は主治医に確認しておきましょう。

血糖値をコントロールして糖尿病の改善を

糖尿病は採血によって検査を行い、早朝空腹時血糖値126mg/dL以上、75gOGTT2時間値200mg/dL以上、随時血糖値200mg/dL以上、HbA1cが6.5%以上のいずれかが2回確認された場合に糖尿病と診断されることが一般的です。

また、糖尿病の治療では、糖尿病による合併症を防ぐために、食事や運動、薬などによる血糖コントロールを行います。目標数値は人によって異なるため、医師の指示にしたがうようにしましょう。

eHealthclinicでは、糖尿病内科で糖尿病の診療を行っています。 糖尿病あるいは、その疑いと言われた方は、ぜひ一度ご相談ください。

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