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糖尿病とは、インスリンという血糖値を一定に保つホルモンが不足したり作用が低下したりすることで、血糖値の上昇を抑えられなくなり、血糖値が高い状態が続く病気のことです。放置すると重篤な合併症につながることもあるため、早めの対処が必要とされています。糖尿病の治療では、まず食事療法と運動療法が行われ、その後必要に応じて薬を使うことが一般的です。糖尿病の食事療法で行われる栄養指導の内容について解説します。
当クリニックには管理栄養士もおり、食事に関する専門的なアドバイスも受けられます。健康な未来への一歩を踏み出すお手伝いをさせていただきます。
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記事監修:天野方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
経歴:埼玉医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学付属病院や足利赤十字病院などで勤務。2016年、帝京大学大学院公衆衛生学研究科へ入学。2018年、ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)へ留学。予防医療特化のメディカルクリニックで勤務後、2022年「イーヘルスクリニック新宿院」開院。
専門分野:腎臓内科、抗加齢医学(アンチエイジング)、産業医学
資格:日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士・博士
糖尿病の食事療法では、血糖値のコントロールを助けて血糖値が高い状態が続くことを避け、糖尿病による合併症を防ぐために行われます。糖尿病の原因の1つであるインスリンの作用低下は肥満によって起こるとされており、肥満解消のためにも食事は重要です。基本は、栄養バランスのとれた食事を心がけ、食べ過ぎを避けることです。
食事に関する具体的なポイントは、管理栄養士などから栄養指導を受けることが一般的です。
eHealth clinicでは、管理栄養士による栄養相談を行っています。栄養相談では、普段の食事や生活スタイルと丁寧にヒアリングし、無理なく続けられる食生活をご提案いたします。ご不安なことがあればお気軽にご相談ください。
血糖値の上昇や合併症の進行を抑えるためには、1日の適切なエネルギー摂取量を守る必要があります。1日のエネルギー摂取量の目安は、“目標体重(kg)×エネルギー係数”で計算します。エネルギー係数は1日の活動量が多いほど大きくなります。
さまざまな栄養素を適切な量だけ摂取するのがよいとされています。理想的な摂取比率は、摂取エネルギーのうちの40~60%を炭水化物、20~30%を脂質、たんぱく質は20%までが目安とされています。
また、体のはたらきを正常に保つために、鉄、銅、亜鉛などのミネラルやビタミンなども必要です。主食、魚類や大豆製品、卵、肉類、野菜、きのこ類、こんにゃく、海藻類、乳製品、果物など、1日の中でいろいろな食品を組み合わせて摂取することを意識しましょう。
1日3食を決まった時間に食べるとよいとされています。5~6時間間隔で食事を取ることで、食べ過ぎ防止、血糖値の安定、インスリンを分泌する膵臓の負担が軽くなるといったメリットがあります。
また、夕食は就寝の2~3時間前かつ22時前までに済ませると、肥満予防につながるとされています。
また、たとえ摂取するエネルギー量を守っていても、1日3食のうちどれかを欠食してしまうと次の食事を食べたときに血糖値が上がりやすくなります。血糖値の変動が激しくなると(血糖値スパイク)、逆効果になるため注意が必要です。
食物繊維は満腹感につながり、血糖値の上昇を抑えるはたらきもあります。そのため、1日20gを目標に摂取できるよう積極的に食べるとよいでしょう。
きのこ類や海藻類、野菜、押し麦、もち麦などは食物繊維が多く、低脂肪かつビタミン、ミネラルも含むため、糖尿病の方に適しているといわれています。
脂質は、魚に含まれるDHAやEPA、オリーブオイルなどの良質な油から摂取したほうがよいとされています。同じ脂質でも、肉や乳製品、卵に含まれる脂質はコレステロール値を上昇させ、動脈硬化などにつながることがあるため注意が必要です。
できるだけ間食しないようにしましょう。朝昼晩の食事以外で間食をすると、血糖値のコントロールが難しくなります。特に夕食後に間食をした場合は、夜の血糖値を上げてしまうため注意しましょう。
お酒を飲むと、塩分やカロリーの高いおつまみも一緒に取ってしまうことが増え、エネルギー量がオーバーする場合があるため、控えたほうがよいとされています。
塩分の取り過ぎは高血圧の原因となるため注意が必要です。また、すでに高血圧と診断されている場合は減塩が重要となります。出汁をきかせたり酢や柑橘類で味付けしたりすると、減塩しながら味も満足感のある食事になるため試してみてください。
食事はゆっくりよくかんで、腹八分目を心がけるとよいでしょう。ゆっくり食べることで満腹感が得られ、食べ過ぎが予防できたり、血糖値の急激な上昇が抑えられたりするとされています。
糖尿病の予防・改善ためには、食事の改善が非常に大事です。ただし、合併症の有無や体の状態によって適切な食事内容が異なることがあるため、自己判断せず、医師や管理栄養士に相談のうえ、適切な食事を取るようにするとよいでしょう。
eHealth clinicの糖尿病内科では糖尿病の診療を行っています。健康診断で糖尿病予備軍と指摘された方も、ぜひご相談ください。糖尿病予備軍は自覚症状に乏しいですが、放置すると糖尿病に進行します。糖尿病になると、さまざまな合併症を引き起こすこともあるため、予備軍の段階から適切な対処を行うことが大切です。eHealth clinicでは医師をはじめ看護師や管理栄養士、検査技師などが多方面からサポートいたします。ご不安なことがありましたらお気軽にお問い合わせください。
糖尿病治療で行われる糖質制限について当院のコラムでも詳しく解説しているので、知りたい方はぜひチェックしてみてください。
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