リベルサス
① 平日20時まで、土日祝も診療
② オンライン診療対応で、すぐに薬が受け取れる
③ 管理栄養士による食事指導も実施
脂肪肝とは、アルコールの飲み過ぎや高脂肪食の摂取によって肝臓に中性脂肪がたまった状態のことです。初期の段階では自覚症状がないのが一般的ですが、放置すると肝炎などを引き起こす可能性があるため、早期発見と治療が大切です。現時点では脂肪肝に対する特効薬はないので、治療の基本は食事療法と運動療法です。また、後半では最新の研究できたいされています、薬剤も紹介します。
本記事では、脂肪肝の治療について解説します。
脂肪肝はお酒の飲み過ぎや食べ過ぎ、運動不足などが原因となる病気であり、治療の基本は食事や運動などの生活習慣の改善です。病気の状態によっては、必要に応じて薬物療法などが検討されるケースもあります。
特に脂肪肝は肥満が深く関係しており、体重が約5%減少すると肝臓の脂肪の量が減少し、約7%減少すると炎症と非アルコール性脂肪肝炎が軽減し、約10%減少すると肝臓の線維化(肝臓が硬くなること)の回復などに役立つといわれています。
ただし、中には肥満ではないのに脂肪肝になっている人もいます。痩せているからと油断せず、検査を受けてみることが大切です。
脂肪肝になったといっても、食べてはいけないものが出てくるわけではありません。ただし、果物やごはん、パン、麺類などの糖質を取り過ぎないことが指導されます。特に果物に含まれる果糖は肝臓で中性脂肪になりやすく、バナナ1本でも角砂糖5個分ほどの糖分があるので取り過ぎないようにすることがポイントです。
清涼飲料水も糖分が多いのでできるだけ避けましょう。水やお茶もよいですが、コーヒーは脂肪肝の予防に役立つといわれているため、コーヒーを飲むのもよいでしょう。
また、脂質も必要以上に取り過ぎないようにしましょう。油を使用する料理を控えるほか、ドレッシングなどもノンオイルやお酢を使用することがすすめられます。
食物繊維には、血糖値が上がるのを緩やかにする作用があります。野菜やきのこ類、オートミールなど、食物繊維を多く含む食品を積極的に取りましょう。ほうれん草などに多く含まれるビタミンB1、ささみや舞茸などに多く含まれるビタミンB3(ナイアシン)などは、糖質の代謝に役立ちます。
アルコールの飲み過ぎにも注意して、適度な量を取るようにすることも重要です。1日のアルコールの摂取量は、上記図を参照に適量を心がけましょう。
食事をする際は、食べる順番にも気を付けましょう。
ごはんやパンなどの糖質が含まれる食品から食べると血糖値が急上昇します。すると、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが大量に分泌されるのですが、必要以上に分泌されると糖質を中性脂肪に変えてため込んでしまいます。
そのため、血糖値の上昇を抑えるために野菜から食べる“ベジファースト”にすることで、血糖値の上昇が緩やかにできるといわれています。
このような食事に関する栄養指導や食べ方については、患者さんによって異なるため、管理栄養士や医師の指示に従うようにしましょう。イーヘルスクリニック新宿院の管理栄養士は、患者さんの生活スタイルに合わせた無理のない食事療法を提案いたします。ご不安なことがありましたら、いつでもご相談ください。
「脂肪肝を改善する食事とは? ~7つの食事のポイントをご紹介~」について詳しく見る
脂肪肝は、有酸素運動をすることで改善が期待できるといわれています。具体的には、普通に会話ができて少し汗をかく程度で長時間続けられる運動がよいとされています。
たとえば、ウォーキングやサイクリングなどがおすすめです。目安として、毎日20分以上できるとよいとされていますが、週に3回以上の運動を合計20分以上になるように数回に分けて行っても効果が期待できるといわれています。
また、筋肉をつけると脂肪が燃えやすくなるため、筋肉トレーニングは脂肪肝の改善に役立ちます。特に糖代謝においては、全身の糖質の約7割は骨格筋(骨格に沿ってついている筋肉)で消費されると考えられています。そのため、運動で骨格筋を増やすことは脂肪肝の改善につながると考えられるのです。
具体的には、スクワットなどの筋肉トレーニングがおすすめです。インナーマッスルを鍛えれば基礎代謝が上がって、太りにくい体に近づきます。
脂肪肝に対する特効薬はまだなく、保険適用が認められているものもありません。患者さんの状態に合わせて、糖尿病や脂質異常症の治療薬、抗酸化剤などの処方が検討されることもあります。ただ、あくまでそれらは補助的な役割をするもので、基本は生活習慣の改善が行われます。
糖尿病や高血圧などの基礎疾患がない場合は、脂肪の酸化を防いで病気の進行を抑えるために“ビタミンE(抗酸化剤)”が用いられることがあります。
脂肪肝の治療に新たな選択肢として注目されているSGLT2阻害薬
SGLT2阻害薬は、元々糖尿病の治療に用いられる薬ですが、最近では心臓や腎臓の病気にも効果があることがわかり、糖尿病や糖尿病性腎症の治療に広く使われるようになっています。また、肥満や糖尿病が多い脂肪肝の患者にとっても、SGLT2阻害薬は肝臓を保護するだけでなく、体重減少や血糖降下の効果もあるため、重要な選択肢となる可能性があります(現時点では保険適応外になります)。
SGLT2阻害薬による肝臓の保護効果に関しては、肝脂肪量の減少やAST、ALT値の低下などが報告されています。また、SGLT2阻害薬に関する脂肪肝に対する効果の研究の一例として、エンパグリフロジン(ジャディアンス)というSGLT2阻害薬の試験結果があります。インドで行われたE-LIFT試験では、2型糖尿病で脂肪肝を持つ患者を対象にした比較研究で、他の標準治療と比べて肝脂肪量が有意に減少したと報告されています。
エンパグリフロジン(ジャディアンス)を服用したグループでは、対照グループと比較して肝臓の脂肪量が減少したことが確認されました。
脂肪肝の治療の基本は、食事や運動の工夫といった生活習慣の改善です。「早く治す方法はないのか」「どれくらいの期間で治るのか」と思う方もいると思いますが、脂肪肝の治療は半年~1年ほどかけて取り組み、継続することが推奨されています。
脂肪肝に対する特効薬はなく保険適用の薬もありませんが、必要に応じて薬が用いられることもあります。脂肪肝の治療で気になることがある場合は医師や看護師、薬剤師などに相談するようにしましょう。
イーヘルスクリニック新宿院では、脂肪肝の治療を行っています。管理栄養士も在籍しており、一人ひとりの症状やライフスタイルに合わせた食事療法を提案することも可能です。脂肪肝と診断された方、食生活の乱れや運動不足が気になっている方は、いつでもご相談ください。
① 平日20時まで、土日祝も診療
② オンライン診療対応で、すぐに薬が受け取れる
③ 管理栄養士による食事指導も実施
「脂肪肝と肥満の関係とは?~原因・予防・治療法について解説~」について詳しく見る
イーヘルスクリニック新宿院の「肥満外来(医療ダイエット外来)」について
記事監修:天野 方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2016年より帝京大学大学院公衆衛生学研究科に入学し、2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2022年4月東京都新宿区に「イーヘルスクリニック新宿院」を開院。複数企業の嘱託産業医としても勤務中。
日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。