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2022.10.31

糖尿病治療薬のSGLT2阻害薬とは? ~特徴と注意すべき点などを理解して正しく服用しよう~

糖尿病とは、インスリンのはたらきが低下することで、血糖値が高い状態が続く病気です。この病気の治療薬にはさまざまな種類がありますが、なかでもSGLT2阻害薬は、ブドウ糖の体外への排泄を促す薬で、食後高血糖や空腹時高血糖などに効果が期待されています。

この記事では、どの部位に作用し、どのようなメカニズムで血糖値を下げるのかなどSGLT2阻害薬の特徴を解説します。適している患者さんのタイプや注意すべき副作用なども把握しましょう。

糖尿病とSGLT2阻害薬

SGLT2阻害薬は腎臓の糸球体に作用し、ブドウ糖の体内への再吸収を妨げる効果が期待できます。これによって、ブドウ糖の体外排泄が促され、結果として血糖値を下げることができるといわれています。

この薬は基本的に2型糖尿病(主に生活習慣などが原因となる糖尿病)に使用される経口血糖降下薬です。

SGLT2阻害薬の作用の仕方

血糖(血液内にあるブドウ糖)は、腎臓にある糸球体でろ過された後、尿細管を通って体内に戻されます。これを再吸収といいます。このはたらきをしているのが、SGLT2という物質で、健康な場合は糖が体の外に排泄されることはありません。

SGLT2阻害薬は、この再吸収を妨げます。再吸収を邪魔されたブドウ糖は、体の外へ排泄され、その結果血糖値が下がることになります。

糖尿病治療でのSGLT2阻害薬の位置づけ

糖尿病治療薬には、さまざまな種類があります。インスリン製剤はインスリンそのものを体内に入れるもので、自己注射で行われます。飲み薬でも、インスリンの抵抗性を改善するもの、インスリンの分泌を促すもの、糖の吸収、排泄を調整するものに分かれます。

なかでも、SGLT2阻害薬はインスリンとは関係なく、最後の糖の吸収、排泄を調整するものに該当します。血液の中で増えてしまっているブドウ糖を減らすという作用から、食後高血糖や空腹時高血糖の患者さんに対して、効果が期待されています。

SGLT2阻害薬の特徴

経口の糖尿病治療薬は、それぞれの特徴に応じて単独、あるいは組み合わせて処方されるのが一般的です。SGLT2阻害薬の特徴は以下のとおりです。

  • インスリン自体に作用しないため、単独使用で低血糖*になる危険性は低い
  • エネルギー喪失から脂肪分解が促されるため、体重減少が期待できる
  • インスリンの分泌に関わる膵β細胞を刺激しないため、インスリンの分泌を促進する効果がある薬と併用できる
  • 成人1型糖尿病の補助療法という位置づけで使用が認められているものがある

*低血糖:低血糖とは血糖値が正常な範囲を超えて低下した状態のことです。頻脈やけいれん、震えなどが現れ、重度になると意識障害なども起こります。糖尿病治療薬を使用している際、もっとも注意が必要な副作用です。

また近年では、慢性腎臓病や慢性心不全に対する有効性が認められたことから、SGLT2阻害薬は糖尿病治療薬としてだけではなく、腎臓病や心不全の患者さんにも使用されることがあります。

SGLT2阻害薬を用いる際の注意点

特徴や利点は注意点にもなります。注意点については以下のとおりです。

  • 体重減少は肥満でない人にも認められる(特に高齢者では注意が必要)
  • 腎機能が低下している人では効果が下がる
  • 作用から血糖コントロールが良好な人でも、尿糖は陽性になる
  • 腎不全や、透析を行っている人には使用できない
  • 尿量が増えるため、脱水が起こりやすい(特に高齢者では注意が必要)
  • 尿路感染症、性器感染症に注意が必要(特に女性)
  • 脂肪分解が促されるため、ケトーシス*に注意が必要になる

*ケトーシス:ケトーシスとは、血液中の“ケトン体”が多い状態のことです。体内のブドウ糖が減ると、エネルギー不足が起こります。すると体は脂肪を分解してエネルギーをつくりますが、このとき副産物としてケトン体を作ります。これが増えることで血液が酸性になり、意識障害のような副作用をもたらす危険があります。

適正な使用のためにも分からないことは医師に相談を

SGLT2阻害薬は、腎尿細管のブドウ糖再吸収作用をもつタンパクであるSGLT2のはたらきを妨げる薬で、ブドウ糖の体外排泄を促進させます。単独使用では低血糖の危険性が低く、また体重減少作用もあるため、肥満気味の患者さんに効果が期待されています。一方それらの作用は、脱水やケトーシスといった副作用をもたらす可能性があります。

医療機関でSGLT2阻害薬を処方された場合は、服用のための説明書を必ず確認しましょう。また、お薬手帳なども活用し、気になる症状が現れ場合は、医師、あるいはかかりつけの薬局などに相談するようにしましょう。日頃から相談しやすい関係をつくっておくことが大切です。

eHealth clinicの糖尿病外来では、本人の生活スタイルなどに合わせたよりよい治療法を提案します。医師はもちろん、看護師や管理栄養士などがチームになって糖尿病の改善をサポートします。ぜひご相談ください。