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2022.10.17

舌下免疫療法の副作用とは? ~もっとも多い症状は口のかゆみや腫れ~

舌下免疫療法とは、スギ花粉症およびダニによるアレルギー性鼻炎に対する治療法です。花粉やダニといったアレルギー物質を少量から繰り返し投与することで、体の免疫反応を緩和し花粉症の症状を抑えます。

舌下免疫療法はアレルギー症状を根本から改善できる可能性のある画期的な治療法ですが、副作用や治療のうえで注意することはあるのでしょうか。本記事では、舌下免疫療法の副作用について解説します。

舌下免疫療法の副作用

舌下免疫療法には、アレルギーの原因となるスギ花粉やダニの高濃度製剤を使います。そのため、体の免疫機能が過剰反応してアレルギー症状が出る場合があります。

軽度な副作用

舌下免疫療法の治療でもっとも多くみられる副作用は、口の中のかゆみや腫れなどです。特に、薬の投与部位である舌の下が腫れる症状は、治療患者の約10%にみられるといわれています。ほかにも耳のかゆみや唇の腫れ、喉の刺激感や違和感、吐き気、頭痛などが起こる可能性があります。

これらの副作用の多くは治療薬の服用後30分以内に起こり、1~2か月ほど経過すると気にならなくなることが多いといわれています。ただし、気になる症状などがある場合は、医師に相談するようにしましょう。副作用が出ることを踏まえ、何かあったときに対応しやすいよう、薬に慣れるまでは昼間に服用することがすすめられます。

なお、スギ花粉の舌下錠を服用する場合は花粉が飛んでいる時期を避けましょう。アレルゲンの過剰摂取により、副作用が増強する可能性があります。

重度な副作用

服用によってアナフィラキシーショックを引き起こす場合がありますが、ごくまれです。アナフィラキシーショックとは医薬品などに対する急性の過敏反応により、蕁麻疹じんましんや嘔吐、息苦しさ、突然のショック症状などがみられることです。そのため、初回の服用は基本的に医療機関で医師の監督の下に行われます。

このような副作用を避けるためにも、体調の悪い日の服用や、服用前後2時間は激しい運動、アルコール摂取などは避け、決められた量をスケジュールどおりに服用することが大切です。

舌下免疫療法の方法

舌下免疫療法では、アレルゲンをごく微量に含んだ薬を舌の下に置き、そのまま1分間にした後に飲み込みます。その後、5分間は飲食やうがいをしないようにしましょう。

薬を飲み込むことで喉のかゆみが出る場合は、1分間置いた後の吐き出しをおすすめすることがあります。1分間舌下に置くことで治療効果が発揮されるので、飲み込まずに吐き出しても効果には影響しません。これを1日1回、少なくとも2~3年間なるべく毎日続けます。

スギ花粉によるアレルギー治療の場合、薬の服用は花粉の時期を避けて6~12月頃からスタートします。花粉が飛ぶ時期に治療を始めるとアレルゲンの吸収量が多く、副作用が出やすくなるためです。

効果がではじめる時期

効果実感が早い方では服用開始から4~5か月後、遅くとも1年後には多くの方が効果を感じるといわれています。花粉症の症状が完全に治まる、緩和されるなど治療効果を感じる方の割合は70~80%ほどです。つまり約20%の割合で効果を感じない患者さんもいるため、全ての方に効果があるわけではありません。

舌下免疫療法の副作用について分からないことは医師に相談しよう

舌下免疫療法における副作用でもっとも多いのは、口内や喉のかゆみや腫れ、耳のかゆみや頭痛、吐き気などが挙げられます。また、ごくまれですが、アナフィラキシーショック(蕁麻疹や呼吸困難やなど)が起こる場合があるので、初回投与は医療機関で医師の監督の下に行います。舌下免疫療法の副作用について分からないことがあれば医師に相談したり、医療機関を受診したりしましょう。

イーヘルスクリニック新宿院でも舌下免疫療法を行っています。ぜひご相談ください。

 

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記事監修:天野 方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2016年より帝京大学大学院公衆衛生学研究科に入学し、2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2022年4月東京都新宿区に「イーヘルスクリニック新宿院」を開院。複数企業の嘱託産業医としても勤務中。
日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。