子宮頸がん検診の超音波検診では何が分かるの? ~検査の内容や痛みの有無~
2023.02.27子宮頸がん検診は、性交経験のある20歳以上の女性を対象に2年に1度の受診が推奨されています。各自治体が実施する検診のほか、健康診断のオプションとして一般的な検診と併せて受けられる医療機関もあります。検診は受けることだけでなく、結果に応じて対応することが大切です。では、子宮頸がん検診を受けた後、その結果はいつ頃届くのでしょうか。また、検査結果はどのように見ればよいのでしょうか。
このページでは、子宮頸がん検診の結果の見方や結果に応じた対応などについてご紹介します。
子宮頸がんの検診結果は、受診後10日から1か月程度で自宅へ郵送されてくることが一般的です。
検査結果は、ベセスダシステムに基づいて精密検査を受ける必要があるか・ないかが記載されていることが一般的です。
“精密検査不要”という結果であれば、今回はこれ以上詳しい検査を受ける必要はありません。また2年後を目安に子宮頸がん検診を受けるようにしましょう。ただし、不正出血がある、生理不順、生理痛がひどいなど、困っている症状がある場合には検診の時期を待たずに婦人科を受診することを検討しましょう。
一方で“要精密検査”という結果であれば、より詳しい検査が必要です。気になる症状などがなかったとしても、結果を持って速やかに専門の医療機関を受診しましょう。
ベセスダシステムとは、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染の有無や細胞異常のレベルなど細かく分けることで、病変の推定やその後の対応を分かりやすく分類したもののことです。
検査結果には、“精密検査不要”や“要精密検査”などの表記のほかに“NILM”、“ASC-US”、“LSIL”などといった記載がされている場合があり、これがベセスダシステムの分類による表記です。“NILM”以外の場合には精密検査を行う必要があります。
検査の結果、精密検査が必要であるといわれた場合には、1か月以内を目安に子宮頸がんの精密検査ができる医療機関を受診するようにしましょう。
子宮頸がんの精密検査としては、以下のような検査が検討されることが一般的です。
コルポスコープ(腟拡大鏡)を用いて子宮頸部を観察し、異常のある部分の組織を一部採取して顕微鏡で見る検査です。
子宮頸がんは、HPVの感染によって生じることが分かっています。そこで、コルポスコープ組織診を行う前にまずはHPVへの感染がみられるかどうかを確認するために、子宮頸部の細胞を採取し検査を行うこともあります。
がん検診で“要精密検査”になると「がんかも知れない」という恐怖心から、精密検査の受診を拒んでしまう方もいます。しかし精密検査が必要となった場合でも、実際に子宮頸がんと診断された方はそのうちの1.68%というデータもあります(厚生労働省「平成29年度地域保健・健康増進事業報告」より)。そのため、あまり怖がらず、安心を得るためにも速やかに医療機関を受診することが大切です。
また、子宮頸がんは数年かけてゆっくりがんになっていくがんで、早期に発見できれば、がんになる前に治療を受けることもできます。そのため、速やかな受診を心がけましょう。