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2022.09.28

脂肪肝の治療法とは? ~食事や運動などの生活習慣の改善が治療の近道~

脂肪肝とは、アルコールの飲み過ぎや高脂肪食の摂取によって肝臓に中性脂肪がたまった状態のことです。放置すると肝炎などを引き起こす可能性があるため、早期発見と治療が大切です。脂肪肝は大きく分けてアルコールが原因で起こるアルコール性と、高脂肪食などが原因で起こる非アルコール性のものがあります。特に、過食が原因で脂肪肝から肝炎・肝硬変へ発展する病気をNASH(非アルコール性脂肪肝炎)と呼び、近年肥満やメタボの患者さんの増加に伴い、NASHも増加傾向にあるといわれています。現時点では脂肪肝に対する特効薬はないので、治療の基本は食事療法と運動療法です。

本記事では、脂肪肝の治療について解説します。

脂肪肝の治療の概要

脂肪肝はお酒の飲み過ぎや食べ過ぎ、運動不足などが原因となる病気であり、治療の基本は、食事や運動などの生活習慣の改善です。病気の状態によっては、必要に応じて薬物療法や手術療法(肥満手術)が検討されるケースもあります。

特に脂肪肝は肥満が深く関係しており、体重が5%減少すると肝臓の脂肪の量が減少し、7%減少すると炎症と非アルコール性脂肪肝炎が軽減し、10%減少すると肝臓の線維化(肝臓が硬くなること)の回復などに役立つといわれています。

食事療法

脂肪肝の食事療法では、果物やごはん、パン、麺類など糖質を取り過ぎないことが指導されます。特に果物に含まれる果糖は肝臓で中性脂肪になりやすいので、取り過ぎないようにすることがポイントです。また、脂質も必要以上に取り過ぎないようにしましょう。油を使用する料理を控えるほか、ドレッシングなどもノンオイルやお酢を使用することがすすめられます。

さらに、アルコールの飲み過ぎにも注意して、適度な量を取るようにすることも重要です。具体的な食事の内容については患者さんによって異なるので、医師や管理栄養士の指示にしたがって進めるようにしましょう。

食事の食べ方にも注意

食事をする際は、食べる順番にも気をつけましょう。ごはんやパンなどの糖質が含まれる食品から食べると血糖値が急上昇します。すると、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが大量に分泌されるのですが、必要以上に分泌されると糖質を中性脂肪に変えてため込んでしまいます。そのため、血糖値の上昇を抑えるために野菜から食べる“ベジファースト”にすることで、血糖値の上昇が緩やかにできるといわれています。

運動療法

脂肪肝は、有酸素運動をすることで改善が期待できるといわれています。具体的には、普通に会話ができて少し汗をかく程度で、長時間続けられる運動がよいとされています。たとえば、ウォーキングやサイクリングなどがおすすめです。目安として、毎日20分以上できるとよいとされていますが、週に3回以上の運動を合計20分以上になるように数回に分けて行っても効果が期待できるといわれています。

また、筋肉をつけると脂肪が燃えやすくなるため、筋肉トレーニングは脂肪肝の改善に役立ちます。特に糖代謝においては、全身の糖質の約7割は骨格筋(骨格に沿ってついている筋肉)で消費されると考えられています。そのため、運動で骨格筋を増やすことは脂肪肝の改善につながると考えられるのです。

具体的には、スクワットなどの筋肉トレーニングがおすすめです。インナーマッスルを鍛えれば基礎代謝が上がって、太りにくい体に近づきます。

薬物療法

脂肪肝に対する特効薬はまだなく、保険適用が認められているものもありません。患者さんの状態に合わせて、糖尿病や脂質異常症の治療薬、抗酸化剤などの処方が検討されることもあります。ただ、あくまでそれらは補助的な役割をするもので、基本は生活習慣の改善が行われます。

糖尿病や高血圧などの基礎疾患がない場合は、脂肪の酸化を防いで病気の進行を抑えるために“ビタミンE(抗酸化剤)”が用いられることがあります。

脂肪肝の治療のことで気になることがある場合は医師や薬剤師に相談しよう

脂肪肝の治療の基本は、食事や運動の工夫といった生活習慣の改善です。脂肪肝に対する特効薬はなく、保険適用の薬もありませんが、必要に応じて薬が用いられることもあります。脂肪肝の治療で気になることがある場合は医師や看護師、薬剤師などに相談するようにしましょう。