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2022.09.28

脂肪肝の薬の種類や特徴とは? ~糖尿病、脂質異常症に準じた薬が検討される~

脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪がたまった状態のことをいい、放置すると肝炎などを引き起こす可能性があります。主にアルコールの飲み過ぎや高脂肪食、運動不足による肥満によって、肝臓内に中性脂肪が沈着することが原因で発症します。脂肪肝の治療は種類によって異なりますが、基本的には食事や運動などの生活習慣の改善から始めることが一般的です。そのうえで、あくまで補助的な治療として薬の処方が検討されることもあります。

本記事では、脂肪肝の薬について解説します。

脂肪肝の治療薬

食生活や運動の工夫といった生活習慣の改善のみで効果が不十分な場合は、肝硬変への進展や肝発がんを予防するために積極的に薬物治療を行います。

ただ、脂肪肝に対する特効薬はまだなく、保険適用が認められているものもありません。そのため、NASHの背景にあるメタボリックシンドロームの基礎疾患である糖尿病、脂質異常症に準じた薬物療法が考慮されています。以下では、脂肪肝の治療に用いられることがある薬について説明します。

抗酸化剤(ビタミンE)

抗酸化剤をもつビタミンEは体の中で脂肪の酸化を防ぎ、脂肪肝を改善して病気の進行を抑える効果が期待できます。複数の研究からビタミンEの長期的な有効性や安全性があることは報告されていますが、保険適用はまだされていません。

糖尿病治療薬(SGLT2阻害薬)

糖尿病治療薬は、糖尿病に対してのみではなく、脂肪肝や肪肝炎の治療に対しても効果があると考えられています。脂肪肝の治療に対して現在注目されているのが、“SGLT2阻害剤”です。SGLT2阻害薬は脂肪肝の肝機能障害を改善し、その効果もある程度持続するといった報告があります。いまだ研究段階ですが、SGLT2阻害薬が今後、脂肪肝の治療薬となる可能性があると考えられています。

脂質代謝異常治療薬(フェノフィブラート、ペマフィブレート)

脂質異常症の治療薬の中にも、脂肪肝の改善効果がみられるものがあります。脂肪肝の原因の1つに、中性脂肪が肝臓で分解されないことが挙げられます。この問題に対して脂質異常症の治療薬であるフェノフィブラートは、中性脂肪の燃焼を促し肝臓の脂肪の減少を助ける効果が期待されています。

また、ペマフィブレートと呼ばれる薬も、脂質異常症の改善だけではなく、脂肪肝の改善効果も期待されており、現在脂肪肝に対して治験が行われています。

肝庇護剤(ウルソデオキシコール酸、グリチルリチン)

肝臓が破壊されるのを防ぎ、肝機能の改善が期待できる薬です。常用量のウルソデオキシコール酸(UDCA)によるNASHに対する効果は認められていませんが、高用量に関しては有効である可能性があると考えられています。ただし、日本では高用量のUDCAは使用されていません。

薬のことで気になることがある場合は医師や薬剤師に相談しよう

脂肪肝に対する特効薬はなく、保険適用の薬もありません。しかし、脂肪肝の状態に応じて脂肪の酸化を防ぐビタミンEや、脂肪肝の背景にある糖尿病や脂質異常症の薬が使われることがあります。脂肪肝の薬で気になることがある場合は、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。