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2022.04.27
#内科 #対象外来

貧血外来

鉄欠乏性貧血とは

貧血とは、血液内にある赤血球の中の酸素を運ぶ“ヘモグロビン”という細胞の濃度が低い状態のことです。貧血にはさまざまな種類があり、中でも鉄分不足が原因で起こる貧血を“鉄欠乏性貧血”と呼びます。鉄欠乏性貧血は貧血の中でももっとも頻度が高く、特に女性に多いといわれています。

主な原因として、胃や腸の潰瘍(かいよう)(傷つきえぐられた状態)、炎症、がんなどによる消化管からの出血、月経や子宮筋腫といった婦人科疾患による出血、食事による鉄分不足などが挙げられます。貧血はよくあることですが、症状が強くなると日常生活に支障が出ることもあるため必要に応じて受診を検討することも大切です。

鉄欠乏性貧血の症状

主な症状

貧血になると以下の症状が出ることがあります。

  • 疲労感
  • 持久力の低下
  • 動悸、息切れ
  • 筋力低下
  • めまい
  • 集中力低下
  • 蒼白(青白くなる)
  • 動きが制限されると脚を動かしたくなるなどの不快な症状(レストレスレッグス症候群)など

重度の場合の症状

貧血が重度の場合は、一般的な貧血症状のほかに以下のような症状が現れることがあります。

  • 舌炎
  • 口角炎
  • 爪のへこみ
  • 氷や土、絵の具など、食べ物でないものを食べたくなる(異食症)など

受診の目安

貧血は放置すると集中力が低下するなど日常生活に支障をきたすことがあります。また、貧血の人が妊娠すると、胎児が低体重児になったり、死産したりといったリスクが増えるという報告もあるほか、時に胃がんや大腸がんなどの重大な病気が原因で貧血が起こることもあるため、注意が必要です。

受診の目安として、動悸、息切れ、疲労感などの貧血症状や血便がある場合は内科やかかりつけ医などの受診を検討するとよいでしょう。
また、上記のような症状がなくても、健康診断などで貧血を指摘された場合は放置せず受診を検討するようにしましょう。

鉄欠乏性貧血の治療のポイント

鉄欠乏性貧血と診断された場合は、不足している鉄分を補う治療と、鉄分が不足する原因に対する治療を行うことが一般的です。

飲み薬

鉄分を補うには鉄剤を内服することが一般的です。通常1日に1~2回の内服を1~2週間程度続けると赤血球が増加し始め、おおよそ2~4か月でヘモグロビンは正常値になるといわれています。

ただし、正常値となってからもさらに数か月は鉄剤の内服を続けることが必要です。また、過多月経が原因で貧血になっている場合は、閉経まで鉄剤を飲み続けることもあります。副作用として、吐き気や腹痛、便秘、下痢などの症状が現れることがありますが、この場合は症状を軽くする薬が処方されます。もし副作用が強く鉄剤の内服が難しい場合は、注射による治療の選択肢もあります。

鉄欠乏性貧血になったときに気を付けたいポイント

鉄分は毎日体から出て行ってしまい、さらに吸収率も悪いといわれています。そのため、鉄欠乏性貧血になったときは、食事内容や栄養素を工夫して取り入れることが大切です。また、思春期(成長期)や妊娠中、授乳中などは特に鉄分の必要量が増加しており欠乏もしやすいため、意識して食事をするとよいでしょう。

ヘム鉄と非ヘム鉄をバランスよく取る

食品に含まれる鉄には、肉や魚などに含まれる“ヘム鉄”と、緑黄色野菜や穀類、海藻などに含まれる“非ヘム鉄”があり、中でも鉄の吸収率が高いのはヘム鉄です。しかし、だからといってヘム鉄が多い食品ばかりを取り入れると、栄養バランスが崩れて逆効果になることもあるため、それぞれをバランスよく取り入れた食事を意識しましょう。

また、非ヘム鉄は、たんぱく質やビタミンCなどの栄養素と一緒に取ることで吸収率が上がるため、正しい知識を身につけて工夫しながら取り入れることがポイントです。

鉄分以外にも貧血によい栄養素を取り入れる

たんぱく質

たんぱく質は赤血球やヘモグロビンのもとになるため、積極的に取り入れるとよい栄養素です。魚介類や肉類、大豆製品、卵、乳製品などに良質なたんぱく質が含まれるとされています。

ビタミンC

鉄の吸収率を助けるビタミンCも積極的に取り入れましょう。いちごやみかんなどの果物やほうれん草やキャベツなどの野菜、サツマイモなどのイモにも含まれます。

ビタミン類・葉酸・銅

貧血対策には、血液細胞を作り出すといわれるビタミンB12(レバーやアサリなど)、葉酸(ほうれん草やブロッコリーなど)、ビタミンB6(赤身肉やマグロなど)、銅(レバーやイカなど)などを取り入れることも大切です。