高尿酸血症治療薬ユリス(ドチヌラド)の効果を解説!CKD患者の新たな治療法
糖尿病は血糖値(血液中の糖分)が高くなる病気ですが、早い段階では自覚症状はほとんどありません。しかし、放置すると痛みなどの感覚を感じにくくなるため、足先などにできた傷が知らないうちに悪化して重度な感染症に進行してしまうことも少なくありません。
ここでは、糖尿病による末梢神経障害の症状と原因、予防法について詳しく解説します。
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記事監修:天野方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
経歴:埼玉医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学付属病院や足利赤十字病院などで勤務。2016年、帝京大学大学院公衆衛生学研究科へ入学。2018年、ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)へ留学。予防医療特化のメディカルクリニックで勤務後、2022年「イーヘルスクリニック新宿院」開院。
専門分野:腎臓内科、抗加齢医学(アンチエイジング)、産業医学
資格:日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士・博士
末糖尿病は多くの合併症が生じるといわれ、末梢神経障害(脳や脊髄から枝分かれする末梢神経に異常が生じること)は糖尿病の代表的な合併症の1つです。実際に、末梢神経障害で見られる痛みやしびれなどの症状を感じている患者さんは約15%いるといわれています。しかし、症状がない人も含めると約30~40%が末梢神経障害を持っているといわれ、糖尿病で頻度が高い合併症だと考えられています。
では、末梢神経障害が起こるとどのような症状が現れるのでしょうか。
末梢神経障害が生じると、手足のしびれや筋力低下などの症状が引き起こされます。また、悪化すると痛みなどの感覚が弱くなり、手足の小さなけがに気付きにくくなることも少なくありません。その結果、小さな傷が気付かないうちに重症化して足の切断を余儀なくされることもあります。
体のさまざまな機能を調節する自律神経も末梢神経の1つです。糖尿病が悪化すると自律神経にも障害が生じるため、全身にいろいろな不調が生じます。
たとえば、自律神経は胃や腸のはたらきを調節しているため、障害が生じると消化不良による吐き気や胸焼け、下痢や便秘など排便の異常を引き起こします。また、血圧や体温の調節がうまくできなくなることで、立ちくらみやのぼせ、動悸などの症状に悩まされることもあります。
膀胱のはたらきを支配する末梢神経に障害が生じると、尿が出にくくなることがあります。膀胱の中に尿がたまりやすくなるため、排尿後も尿が残った感じが続き、膀胱炎などの尿路感染症になるリスクも高くなるため注意が必要です。
糖尿病が悪化すると末梢神経障害が生じる原因はさまざまありますが、血液中の余分な糖分によって末梢神経の細胞内に“ソルビドール”と呼ばれる物質がたまることが挙げられます。ソルビドールは、細胞のはたらきを悪くするはたらきがあるため末梢神経の機能が低下するのです。
また、糖尿病は動脈硬化(血管が硬く細くなること)を引き起こします。そのため、血流が悪化して必要な酸素や栄養素が届きにくくなることも、末梢神経障害の原因の1つと考えられています。特に、高血圧や脂質異常症など動脈硬化を引き起こすほかの生活習慣病もあると末梢神経障害が生じやすく、悪化しやすい傾向にあります。
糖尿病による末梢神経障害を予防するには、血糖値を下げるための生活改善や治療を継続していくことが大切です。また、動脈硬化を予防するため、血糖値だけでなく血圧やコレステロール値などに異常がある場合は、それらの治療もしっかり行っていく必要があります。さらに、末梢神経障害は糖尿病を発症してから時間がたつほど発症しやすくなるとされています。糖尿病は早期の段階では自覚症状がないことも少なくありません。発症に気付かないケースも多いため、体の不調がなくても1年に一度は健康診断や人間ドックなどを受けて健康状態をチェックしましょう。
糖尿病は悪化すると末梢神経障害を引き起こし、手足のしびれ、感覚や筋力低下、自律神経障害、排尿障害など、さまざまな症状が現れるようになります。日常生活に支障が出ることも多く、重症な場合には足先の小さな傷がひどくなり足の切断が必要になることもあるため、気になる症状がある場合は医師に相談しましょう。また、末梢神経障害の発症を予防するためには、糖尿病の治療や生活改善を行って血糖値を正常範囲にキープすることが大切です。糖尿病と診断されていない人も、年に一度は血液検査を受けて血糖値に異常がないかチェックしましょう。
イーヘルスクリニック新宿院の糖尿病内科では、糖尿病の診療を行っています。本人の生活スタイルなどに合わせたよりよい治療法を提案できるよう、医師はもちろん、看護師や管理栄養士などがチームになって高血圧の改善をサポートします。ご不安なことがあればお気軽にご相談ください。
堀田 饒:”第4章疼痛疾患 2.糖尿病性神経障害” 神経障害性疼痛診療ガイドブック 小川 節郎編 南山堂:124, 2010
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