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2023.01.20
#腎臓内科 #対象外来

糖尿病から腎不全へ進行するリスク!予防法と早期発見のポイント

糖尿病と診断されたとき、多くの人が気になるのが腎不全に進行した際の透析導入です。厚生労働省によると日本で新たに人工透析を始める人の主な原因は、糖尿病による糖尿病性腎症です。腎臓の機能低下は自覚症状のないまま進行するため、気づかないうちに悪化する可能性があります。

この記事では、腎臓が発するサインを早期に発見するポイントと、腎不全への進行を防ぐ具体的な予防法を解説します。大切な体を守るため、今すぐできることを一緒に確認していきましょう。

イーヘルスクリニック新宿院では、尿アルブミンやeGFRを定期的に評価し、糖尿病性腎症の早期発見と進行予防に取り組んでいます。血糖・血圧・脂質を総合的に管理し、一人ひとりの状態に合わせた治療と生活指導で透析リスクの軽減を目指します。気になる症状のある方は、ご相談ください。

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記事監修:天野方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
経歴:埼玉医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学付属病院足利赤十字病院などで勤務。2016年、帝京大学大学院公衆衛生学研究科へ入学。2018年、ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)へ留学。予防医療特化のメディカルクリニックで勤務後、2022年「イーヘルスクリニック新宿院」開院。
専門分野:腎臓内科、抗加齢医学(アンチエイジング)、産業医学
資格:日本腎臓学会専門医・指導医抗加齢医学会専門医日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士・博士

糖尿病から腎不全へ進行するリスク

糖尿病から腎不全へ進行するリスクについて、以下の内容を解説します。

  • 糖尿病性腎症のステージ分類
  • 進行スピードを左右する要因
  • 放置による腎不全のリスク

糖尿病性腎症のステージ分類

糖尿病性腎症は、自覚症状がほとんどないうちから進行します。定期的な検査で腎臓の状態を把握することが大切です。病気の進行度は、以下の2つの検査値でステージ(病期)に分けられます。

  • 尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR):尿中のタンパク質(アルブミン)と排泄物質(クレアチニン)の比を測定
  • 推算糸球体濾過量(eGFR):腎臓の老廃物排泄能力を算出

2つの数値を組み合わせることで、糖尿病性腎症は第1期~第5期までの病期に分類されます。以下の表に、それぞれのステージの基準を示します。

症状がない第1期や第2期の段階で腎臓の変化に気づき、治療を始めることが大切です。

以下の記事では、eGFRの基礎知識から検査方法、異常が見つかった場合の対処法までをわかりやすく解説しています。
>>腎臓の働きを調べる指標「eGFR」とは?検査方法や異常が見つかった場合の対処法を解説

進行スピードを左右する要因

糖尿病性腎症の進行スピードは、個人差があります。ご自身の努力でコントロールできるものも多くあります。進行を早める主な要因は以下のとおりです。

  • 高血糖
  • 高血圧
  • 脂質異常症
  • 喫煙
  • 肥満
  • 遺伝
  • 服用薬

進行を早める習慣を見直し、適切な治療をしましょう。標準的な治療に加え、漢方薬を組み合わせることで、腎機能の低下を緩やかにできる可能性が報告されています。

放置による腎不全のリスク

糖尿病性腎症を治療せずに放置すると、腎機能は低下し、最終的には末期腎不全に至ります。一度悪くなった腎臓の機能は、元の状態に回復することはほとんどありません。末期腎不全になると、腎臓が体内の老廃物や余分な水分を排出できなくなります。生命を維持するためには、透析療法や腎移植の治療が必要です。

腎機能の低下は、心筋梗塞や脳卒中などの命に関わる心血管疾患のリスクも高まります。eGFRの低下と尿中アルブミンの上昇は、透析や腎移植が必要になるリスクが健康な人と比べて増加すると報告されています。症状がないうちから定期的に検査を受け、リスクを管理していくことが重要です。

早期発見のポイント

早期発見のポイントは、以下のとおりです。

  • 検査結果でわかる腎機能低下
  • ステージ別にみられる症状
  • 定期検査と受診の目安

検査結果でわかる腎機能低下

腎臓の状態を正確に知るためには、尿検査と血液検査が大切です。腎機能低下の早期発見の重要な手がかりとなります。

尿検査は、尿に含まれているアルブミン量を調べます。腎臓が傷つくと、微量のアルブミンが尿に漏れ出る微量アルブミン尿が検出されます。微量アルブミン尿の症状が出た段階で治療を始めることが、腎機能の悪化を防ぐうえで重要です。

血液検査は、血液中の老廃物であるクレアチニンの値と年齢、性別から計算されます。定期的にeGFRの数値を確認し、腎機能の低下がないかを確認することが大切です。

ステージ別にみられる症状

糖尿病性腎症は、腎機能低下の進行度に応じてステージが分けられます。以下の表に、ステージ別にみられる症状を示します。

むくみなどの症状が出てからでは、進行を食い止めるのが難しくなるため、定期的な検査が重要です。

定期検査と受診の目安

糖尿病と診断されたら、症状がなくても定期的な検査をしましょう。定期検査の目安は糖尿病のタイプや経過によって、推奨される検査のタイミングが異なります。以下の表に、対象となる人と推奨される検査・頻度を示します。

糖尿病腎症ステージごとの症状が出現している場合は、腎機能が低下している可能性があります。定期検査を待たずに早めに受診を検討しましょう。

腎不全を防ぐための予防法

腎不全を防ぐための予防法は、以下のとおりです。

  • 食事療法
  • 運動療法
  • 薬物療法による腎機能保護
  • 市販薬やサプリメントとの付き合い方

食事療法

食事療法は、腎臓を守るために重要な治療です。血糖値と血圧を安定させ、腎臓の負担を軽くすることが大切です。食事で気をつける点を、以下に示します。

  • 塩分を控えめにする
  • ご自身の体格や活動量に合ったエネルギーを摂る
  • タンパク質の過剰摂取を避ける

ステージによって食事療法の程度が異なります。ステージ別の食事療法のポイントは、以下の表を参考にしてください。

以下の記事では、腎機能低下の予防に役立つ3つの食事の基礎知識を、日常生活に取り入れやすい形で解説しています。
>>腎機能低下の予防に役立つ!3つの食事の基礎知識を解説

運動療法

適度な運動は、食事と同じくらい腎臓を守るために大切です。運動をすると、筋肉が血液中の糖をエネルギーとして使うため、血糖値が下がりやすいです。血圧の安定や体重管理にもつながり、腎臓への負担軽減が期待できます。おすすめの運動と運動の目安、タイミングなどは以下の表を参考にしてください。

目の病気や心臓の病気がある人、腎機能がかなり低下している人は運動が制限される場合があります。運動を始める前には、全身状態を担当医と確認したうえで実施しましょう。

薬物療法による腎機能保護

食事や運動では、血糖値や血圧のコントロールが難しい場合には、薬物療法が推奨されます。種類によっては、腎臓保護の役割を担う薬があります薬物療法で主に使用される薬と効果を以下の表にまとめました。

市販薬やサプリメントとの付き合い方

糖尿病で腎臓の機能低下がある場合は、市販薬やサプリメントの使用に注意が必要です。痛み止めや熱冷ましの市販薬は、腎機能を悪化させる可能性があります。カリウムを多く含むサプリメントの服用は、危険な状態を招くリスクがあります。

新しい市販薬やサプリメントを服用する際は、医師や薬剤師に相談して、適切に使用しましょう。

まとめ

糖尿病性腎症は自覚症状がないまま進行し、放置すると末期腎不全となり、透析や腎移植が必要となります。早期発見には、尿検査や血液検査を定期的に行うことでご自身の腎臓の状態を正しく知り、早期に対策を始めることが大切です。

食事や運動といった日々の心がけが、血糖値や血圧を安定させ、腎臓を守ります。気になることや不安な点があれば、一人で抱え込まずに医師に相談することが重要です。大切な腎臓を守るために、できることから始めましょう。

イーヘルスクリニック新宿院では、尿アルブミンやeGFRを定期的に確認し、早期からの治療と生活指導で腎機能低下の予防を目指します。透析リスクを減らすため、継続的なフォロー体制を整えています。まずは一度ご相談ください。

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