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健康診断で肥満を指摘されたり、お腹周りが気になってきたりしていませんか?増えた体重が、沈黙の臓器である腎臓に、負担をかけている可能性があります。肥満は、糖尿病や高血圧を介して腎臓に負担をかける要因の一つと考えられています。
近年の研究では、体重の増加そのものが腎臓に影響を及ぼす可能性があることも報告されています。腎機能低下は、自覚症状が出にくいため注意が必要です。この記事では、肥満が腎機能に与える影響やリスク、改善すべき生活習慣を解説します。正しい知識を身につけ、自分の体を守る一歩を踏み出しましょう。
イーヘルスクリニック新宿院では、腎機能の評価に加え、体重・血圧・血糖などを確認し、肥満と腎機能の関係を丁寧に見極めます。生活習慣の見直しを基本としながら、必要に応じて薬物療法も組み合わせ、無理のない体重管理と腎機能保護が大切です。
体重や腎機能に不安がある方は、お気軽にご相談ください。
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記事監修:天野方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
経歴:埼玉医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学付属病院や足利赤十字病院などで勤務。2016年、帝京大学大学院公衆衛生学研究科へ入学。2018年、ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)へ留学。予防医療特化のメディカルクリニックで勤務後、2022年「イーヘルスクリニック新宿院」開院。
専門分野:腎臓内科、抗加齢医学(アンチエイジング)、産業医学
資格:日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士・博士
肥満が腎機能に与える影響について、以下の内容を解説します。
体重増加は肥満関連腎症につながる場合があります。肥満関連腎症の主な要因として、以下の点が挙げられます。
腎臓への過剰な負荷によって起こるのが、糸球体過剰濾過です。体重が増えると全身の血液量が増加し、フィルターの役割を担う糸球体に負荷がかかります。糸球体が傷つき、次第に硬化することで、濾過機能が低下する可能性があります。
増加した脂肪組織は、体内で弱い炎症を引き起こす物質を持続的に分泌します。免疫細胞(マクロファージ)が炎症を促進する状態に変化し、腎臓の組織が傷つくことで機能低下につながると考えられています。過剰な脂肪が腎臓の細胞内に蓄積して障害を引き起こす脂肪毒性と呼ばれる現象も、腎機能を悪化させる要因の一つです。
肥満は糖尿病や高血圧の発症につながることがあります。いずれも腎臓の機能を低下させる要因の一つです。高血糖の状態が続くと、糸球体の細い血管が傷つき、糖尿病性腎症を引き起こす場合があります。尿にたんぱく質が漏れたり、老廃物を濾過する機能が低下したりし、進行すると透析治療が必要になる場合もあります。
肥満はインスリンの働きを弱め、糖尿病の管理を難しくする要因の一つです。高血圧は腎臓の血管に負担をかけ、動脈硬化を進行させる可能性があります。腎硬化症と呼ばれ、腎臓への血流が低下することで腎機能低下につながります。
脂肪組織から分泌される物質が血圧調節に関わるホルモンの働きを過剰に促すことも、血圧上昇の一因です。
腎臓への負担が大きくなる肥満度の目安として、BMI(体格指数)が用いられます。BMIの計算式は、体重(kg)÷身長(m)²です。日本では、日本肥満学会の基準によりBMI25以上を肥満と定義しています。一般に、肥満の度合いが高いほど腎臓への負担は大きくなると考えられています。
日本人を対象とした研究では、BMIが高くなるにつれて、慢性腎臓病の発症リスクが段階的に上昇することが報告されています。体重管理に取り組むことで、慢性腎臓病の進行抑制につながる可能性があります。
腎機能低下の主なチェック方法について、以下の内容を解説します。
健康診断の結果では、eGFRと尿たんぱくを確認しましょう。eGFR(推算糸球体濾過量)は、腎臓が血液中の老廃物をどの程度濾過できているかを示す指標です。単位はmL/分/1.73m²で、数値が高いほど腎機能が保たれていると考えられています。eGFRは、血清クレアチニンの値に年齢や性別を加味して算出されます。
クレアチニンは、筋肉の代謝によって生じる老廃物の一種です。腎機能が低下すると、クレアチニンを尿として十分に排出できなくなり、血液中のクレアチニン濃度が上昇します。腎臓は血液を濾過するときに、体に必要なたんぱく質を体内に戻します。
腎機能が低下すると、尿にたんぱく質が漏れ出す可能性があり、尿たんぱくは、腎機能低下を知るうえで重要な手がかりの一つです。eGFRの数値が良くても、尿たんぱくが認められる場合は、腎機能低下の可能性があります。
腎臓の病気は、初期には自覚症状がほとんどないことが多く、見過ごされがちです。腎機能低下の初期に起こる可能性がある症状を、以下の表にまとめました。
腎機能が低下すると、水分や塩分、老廃物の排出力が弱まり、体内に余分な水分や老廃物がたまります。体内に余分な物がたまると、むくみやだるさ、尿毒症による胃腸症状が起こることがあります。腎臓は赤血球の生成を助けるホルモンを作っているため、腎機能が低下すると貧血を招く可能性があります。
腎臓を守るための生活習慣について、以下の内容を解説します。
食事内容は、腎臓を守るうえで大切です。以下の点に注意しながら、日々の食事を見直してみましょう。
塩分の摂りすぎは高血圧につながり、腎臓に負担をかける可能性があります。加工食品や外食は塩分が多くなりやすいため、成分表示を確認する習慣をつけましょう。香辛料や香味野菜、酢やレモンなどを上手に使うことで、薄味でも食事を美味しく楽しめます。
たんぱく質は大切な栄養素ですが、摂りすぎると体内で老廃物となり、腎臓の負担を増やしてしまいます。たんぱく質の制限量は腎臓の状態によって異なるため、医師や管理栄養士に相談し、適切な量を守ることが大切です。
DASH食は、高血圧の予防や改善のために考えられた食事法です。野菜や果物、玄米や麦などの全粒穀物、低脂肪の乳製品などを積極的に摂ることが特徴です。食材に含まれるカリウムや食物繊維は、血圧管理や腎臓の健康維持に役立ちます。
食事の見直しとあわせて、適度な運動を取り入れましょう。有酸素運動や軽い筋トレは体重管理だけでなく、血圧や血糖値を改善し、腎臓の保護に役立つ可能性があります。ウォーキングや軽いジョギング、水泳、サイクリングなど少し汗ばむ程度の運動を1日30分程度を目安に行いましょう。
軽い筋力トレーニングで筋肉量を増やすことは、基礎代謝を高め、血糖値の管理を助けると考えられています。内臓脂肪が減りやすい体づくりにもつながり、結果として腎臓への負担軽減が期待できます。スクワットやかかと上げなど、自宅でできる運動から始めましょう。
準備運動を行い、体調が悪い日は無理せず休むことが大切です。腎臓病の治療を受けている場合は、運動内容や強度について主治医に相談してから始めてください。
慢性腎臓病(CKD)を予防するためには、日々のセルフケアが大切です。食事や運動に加えて、以下のポイントも意識しましょう。
喫煙は動脈硬化の原因となり、腎機能低下につながるため、禁煙をおすすめします。1年に一度は健康診断を受け、eGFRや尿たんぱくの値などの腎臓の状態を把握することも大切です。
以下の記事では、慢性腎臓病の症状や進行の特徴、罹患した場合に日常生活で気をつけたいポイントについて解説しています。
>>慢性腎臓病とは?症状や罹患時に気をつけたいポイントを解説
腎臓病と上手に付き合うために、日常生活で役立つポイントを紹介します。
腎臓病では、日々の食事が大切です。外食やコンビニを利用する機会がある場合、ちょっとした工夫で食事内容を調整しやすくなります。外食の際は、以下を参考にしてみましょう。
コンビニを利用する場合は、栄養成分表示を確認し、塩分相当量やたんぱく質量を意識して選びましょう。おにぎりやサラダ、惣菜などを単品で組み合わせることで、食事全体のバランスを整えやすくなります。できることから少しずつ取り入れていきましょう。
以下の記事では、慢性腎臓病(CKD)の予防につながる最新の食生活習慣について解説しています。合わせて確認してみてください。
>>慢性腎臓病(CKD)を予防できる最新の食生活習慣 ~減塩と植物性タンパク質の摂取について~
日本には、治療にかかる経済的な負担を軽減するための公的な医療費助成制度があります。腎臓病の治療が長期にわたる場合や、医療費に不安がある方は、利用できる制度がないか確認してみましょう。主な医療費助成制度は以下のとおりです。
上記の制度には、それぞれ対象となる条件があり、原則として本人による申請が必要です。制度の詳細や申請方法については、かかりつけ医や病院の相談窓口(医療ソーシャルワーカー)、お住まいの市区町村役場の担当窓口へ相談してください。
腎臓病の治療で大切なのは、無理のない範囲で生活習慣の改善を長く続けることです。次のポイントを意識しましょう。
目標を小さく設定し、小さな成功体験を重ねましょう。体重や血圧、運動などを記録すると変化が実感でき、モチベーション維持につながります。1人で抱え込まず、家族や親しい友人に病気のことや食事で気をつけている点を話してみましょう。周囲の理解やサポートは、治療を続けるうえで力になります。
うまくいかないときや困ったときは、医師や管理栄養士に相談することも大切です。近年の研究では、肥満を伴う腎臓患者を、医師や管理栄養士などの専門家がチームで支えることの重要性が報告されています。
肥満は、糖尿病や高血圧を介して腎臓に負担をかけるだけでなく、腎臓そのものに直接影響を及ぼす要因の一つと考えられています。腎臓は自覚症状が出にくい臓器のため、気づかないうちに機能が低下している可能性があります。
腎臓の健康は、日々の生活習慣を見直すことで維持することができます。まずは現在の体重を把握し、減塩を心がけた食事や無理のない運動など、できることから始めてみましょう。むくみやだるさなど気になるサインがある場合は、自己判断せず、早めに医療機関へ相談することが、将来の健康を守る第一歩になります。
イーヘルスクリニック新宿院では、体重・血圧・血糖・腎機能を総合的に評価し、肥満による腎臓への影響を丁寧に確認します。体重や腎機能に不安がある方は、お気軽にご相談ください。生活習慣の改善から必要な治療まで一人ひとりに合わせてサポートし、腎機能低下の予防を目指します。
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