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2025.02.25
#腎臓内科 #対象疾患

腎臓病は女性に多い?ホルモンや体の構造が影響する理由を解説

女性特有の体の構造やホルモンの変化は、腎臓病のリスクに深く関係しています。年齢とともに女性ホルモン「エストロゲン」は減少する傾向にあります。エストロゲンの減少は、高血圧や動脈硬化などのリスクを高め、腎臓に負担をかける要因の一つです。

尿路感染症や自己免疫疾患など、女性に多い特定の病気も、腎臓に大きな影響を与えることがあります。この記事では、女性が腎臓病になりやすい理由を、具体的なメカニズムとともに解説します。大切な腎臓の健康を守り、将来にわたって元気に過ごすための知識を身につけましょう。

イーヘルスクリニック新宿院では、ホルモン変化やライフステージを踏まえ、血圧・尿検査・eGFRを総合的に評価します。早期発見と継続フォローで腎臓の健康を守ります。気になる症状のある方は、お気軽にご相談ください。

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記事監修:天野方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
経歴:埼玉医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学付属病院足利赤十字病院などで勤務。2016年、帝京大学大学院公衆衛生学研究科へ入学。2018年、ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)へ留学。予防医療特化のメディカルクリニックで勤務後、2022年「イーヘルスクリニック新宿院」開院。
専門分野:腎臓内科、抗加齢医学(アンチエイジング)、産業医学
資格:日本腎臓学会専門医・指導医抗加齢医学会専門医日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士・博士

女性に腎臓病が多い理由

女性に腎臓病が多い理由として、主に次の3つが挙げられます。

  • 女性ホルモン(エストロゲン)の影響
  • 尿道が短いことによる感染リスク
  • 自己免疫疾患(SLEなど)の影響

女性ホルモン(エストロゲン)の影響

エストロゲンは、思春期から閉経までの間、さまざまな面で女性の体を守る役割を担っています。血管を柔らかく保ち、血圧を安定させることで、腎臓を病気から守る大切な働きをしています。閉経を迎えるとエストロゲンの分泌量が減少し、次の変化が起こりやすくなります。

  • 高血圧になりやすくなる
  • 脂質異常症が悪化しやすくなる
  • メタボリックシンドロームのリスクが高まる

若い頃は腎臓病のリスクが低くても、閉経後はホルモンの変化によって発症しやすくなる可能性があります。定期的に健康診断を受け、ご自身の体の変化に注意を払うようにしましょう。

尿道が短いことによる感染リスク

女性の体は、男性と比べて尿道が短いという特徴があります。体の構造的な違いが、女性が尿路感染症になりやすい理由の一つとなります。短い尿道は、次のリスクを高めることがあります。

  • 尿路感染症:細菌が膀胱に侵入する
  • 腎盂腎炎(じんうじんえん):尿路感染症が腎臓まで広がる
  • 腎機能低下:腎盂腎炎が腎臓にダメージを与える

膀胱炎は、女性にとって身近な病気ですが「またいつものこと」と軽く考えずに、適切な治療を受けることが重要です。普段から水分をしっかり摂り、トイレに行くのを我慢しない、排便後には前から後ろへ拭くといった習慣を意識しましょう。

腎盂腎炎は、発熱や背中の痛みなど全身症状を伴うこともあり、放置すると腎機能に影響を及ぼす可能性があります。以下の記事では、腎盂腎炎の原因や症状、検査方法、治療の流れについて解説しています。
>>腎盂腎炎とは?原因や症状、検査、治療について腎臓内科専門医が解説

自己免疫疾患(SLEなど)の影響

自己免疫疾患とは、免疫システムが何らかの理由で誤作動を起こし、自分の体の細胞や組織を異物と間違えて認識してしまう病気です。自己免疫疾患は、男性よりも女性に多く見られることがわかっています。

中でも、全身性エリテマトーデス(SLE)は、若い女性に多く発症する自己免疫疾患の一つで、腎臓に影響を与えることがあります。SLEでは、免疫の異常によって、全身のさまざまな臓器に炎症が起こります。腎臓に炎症が及ぶと、ループス腎炎を引き起こし、末期腎不全に移行する場合があると報告されています。

ご自身やご家族が自己免疫疾患と診断された場合、腎臓への影響がないか、専門の医師と相談し、適切な診断と継続的な治療を受けることが大切です。

女性が注意すべき腎臓病のサイン

女性が注意すべき腎臓病のサインについて、以下の3点を解説します。

  • むくみ・疲労感・貧血などの初期症状
  • 妊娠中の高血圧やタンパク尿
  • 更年期以降に見られやすい腎機能低下のサイン

むくみ・疲労感・貧血などの初期症状

腎臓は、不要な老廃物を尿として排出し、必要なものは体にとどめるという大切な働きを担っています。腎臓の機能が徐々に低下すると、体にさまざまなサインが現れ始めます。初期に見られやすい症状と、原因を以下に挙げます。

  • むくみ:腎臓が体内の余分な水分をうまく排泄できなくなるため
  • 疲労感・だるさ:体内に老廃物がたまるため
  • 貧血:血液を作る指令を出すエリスロポエチンの分泌が減るため
  • 食欲不振・吐き気:体内に老廃物がたまるため

これらの症状は他の病気でも見られるため、自己判断せずに気になる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

妊娠中の高血圧やタンパク尿

妊娠中は、赤ちゃんを育てるために、母体にはさまざまな変化が起こります。妊娠中は、腎臓にも普段以上に大きな負担がかかることがあります。妊娠中に特に注意したい腎臓病のサインとして、妊娠高血圧症候群やタンパク尿があります。

定期的に行われる妊婦健診では、必ず血圧測定や尿検査が行われます。妊娠高血圧症候群や腎臓病を早期発見するための重要な検査です。健診で高血圧やタンパク尿が指摘された場合は、医師の指示に従い、適切な検査や治療を受けることが大切です。

更年期以降に見られやすい腎機能低下のサイン

女性は、50歳前後で迎える更年期を境に、女性ホルモンであるエストロゲンが減少します。エストロゲンは腎臓を守る働きがあり、減少すると腎臓の健康にも影響を与えることがあります。

更年期以降は、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病にかかるリスクが高まります。生活習慣病は腎臓に負担をかけ、腎臓病の主な原因となります。腎機能低下のサインは自覚症状が出にくいことが多いため、定期的な健康診断や特定健診で腎機能をチェックすることが重要です。

受診を検討すべき症状

受診を検討すべき症状について、以下の4つを解説します。

  • 顔や足のむくみが続く場合
  • 尿の泡立ちや血尿がみられる場合
  • 急な体重増加や強い倦怠感がある場合
  • 健康診断で腎機能異常を指摘された場合

顔や足のむくみが続く場合

女性の場合、生理前や立ち仕事の後などに、足がむくむことはよくあります。普段とは異なるむくみ方をする場合や長期間続く場合は、腎臓の機能が低下している可能性も考えられます。次の症状が見られるときは、受診を検討しましょう。

  • 朝起きても顔のむくみが引かない
  • 足のすねを指で押した際に、へこみがすぐに戻らない
  • 全身がむくむ

単なる疲れや体質だと決めつけずに、症状が長引くようであれば、検査を受けることをおすすめします。

尿の泡立ちや血尿がみられる場合

尿の色や泡立ち、量などに変化がないか、日常的に確認する習慣をつけましょう。異常に気づいた場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。

泡がなかなか消えずに残る場合は、尿の中にタンパク質が多く混じっているタンパク尿の可能性があります。腎臓の中にある糸球体(しきゅうたい)というフィルターの働きが悪くなると、タンパク質が尿に漏れ出てしまうことがあります。

尿に血液が混じっているように見える場合には、さまざまな病気が考えられます。健康診断で尿潜血(にょうせんけつ)陽性と指摘された場合も、尿には目に見えない量の血液が混じっている状態です。

尿の泡立ちや血尿に気づいた場合は、自己判断せずに、早めに医療機関を受診してください。原因を特定することが、ご自身の健康を守るために重要です。

以下の記事では、血尿の主な原因や受診の目安となる症状、検査や治療の流れについてわかりやすく解説しています。
>>血尿の原因と対処法|受診が必要な7つの症状と治療法を解説

急な体重増加や強い倦怠感がある場合

腎機能が低下すると、体から余分な水分がうまく排出されず、体内に蓄積されてしまいます。水分貯留が、急な体重増加として現れることがあり、全身のむくみを伴う場合があります。普段の食生活が変わっていないのに、短期間で体重が増えた場合は注意が必要です。また、腎臓病では次のような症状がみられることがあります。

  • 体がだるい
  • 疲れやすい
  • 何をするにも億劫(おっくう)に感じる
  • 集中力が続かない

これらは強い倦怠感として自覚されることがあります。腎機能が低下すると、腎性貧血(じんせいひんけつ)という貧血が起こりやすくなり、だるさや疲れやすさがさらに強まる場合があります。女性はもともと貧血になりやすい方が多いため、倦怠感やだるさを「単なる疲れ」や「加齢のせい」と見過ごしてしまう傾向があります。

日常生活に大きな影響を及ぼすほどの強い倦怠感が続く場合は、腎臓病の可能性を疑い、早めに受診を検討することが大切です。

以下の記事では、腎性貧血の仕組みや主な症状、治療のポイントについて解説しています。
>>【医師監修】腎性貧血とは?症状や治療のポイントを紹介

健康診断で腎機能異常を指摘された場合

健康診断で腎臓の機能に異常を指摘された場合は、症状がなくても、専門医を受診して詳しい検査を受けるようにしましょう。健康診断では、次の項目が腎機能の状態を判断する指標となります。

  • 尿タンパク陽性:腎臓のフィルター機能に問題がある可能性
  • 尿潜血陽性:腎臓や尿路系に異常がある可能性
  • クレアチニン値の上昇:腎機能が低下している可能性
  • eGFR(推算糸球体濾過量)の低下:腎機能が低下している可能性

検査結果で「要精密検査」や「要再検査」と指摘された場合は、指示に従い、早めに対応しましょう。専門の医師は、数値の変化を総合的に評価し、腎臓病の種類や進行度合いを診断します。

女性のための腎臓病予防と早期発見

腎臓病の予防と早期発見のポイントについて、以下の3つを解説します。

  • 定期的な検尿・血液検査の重要性
  • 塩分管理・バランスの良い食生活
  • 妊娠を希望する場合の腎機能チェック

定期的な検尿・血液検査の重要性

腎臓病は自覚症状が出にくいため、早期発見には検尿や血液検査が重要です。検尿検査では、尿タンパクと尿潜血のチェックをします。血液検査では、血清クレアチニン(腎臓の働きを示す数値)とeGFR(推算糸球体濾過量:腎臓の濾過能力を示す数値)をチェックします。

尿タンパクや尿潜血、血清クレアチニン、eGFRの数値に異常が見られた場合は、腎臓からの大切なサインです。早めに医療機関を受診し、詳しい検査を受けるようにしてください。

塩分管理・バランスの良い食生活

塩分の摂りすぎは、血圧を上げてしまい、腎臓に大きな負担をかけます。日本人の食事は塩分が多くなりやすいため、意識的に減らす工夫が必要です。健康な腎臓を守るための食生活のポイントは、以下のとおりです。

  • 塩分を控える工夫をする
  • 野菜や果物を積極的に摂る
  • タンパク質は適量を心がける
  • 水分を適切に摂る(医師から制限がある場合は指示に従う)

日々の食事を見直すことは、腎臓だけでなく生活習慣病の予防にもつながります。今日できることから少しずつ始めてみましょう。

妊娠を希望する場合の腎機能チェック

将来、妊娠を希望している女性にとって、ご自身の腎臓の状態を知っておくことは重要です。妊娠を計画する際は、以下の点について確認しておきましょう。

  • 妊娠前の腎機能の状態
  • 妊娠中に想定されるリスクの有無
  • 腎臓内科や産婦人科との連携体制
  • 妊娠中の血圧管理や生活習慣の見直し

妊娠は、女性にとって喜ばしい出来事ですが、同時に体に大きな負担がかかる時期でもあります。少しでも不安なことがあれば、医師に相談するようにしてください。

まとめ

腎臓病は、初期には自覚症状が出にくいので、日々の体の変化に注意することが大切です。女性は体の構造的な特徴やホルモンの影響により、腎臓病のリスクが高まる可能性があります。むくみや尿の泡立ち、だるさが続く場合は、専門医へ相談しましょう。

定期的な健康診断や、塩分管理を意識したバランスの良い食生活も予防につながります。妊娠中や更年期以降は体の変化が起きやすいため、ご自身の体の状態を意識して、腎臓を守ることが大切です。

イーヘルスクリニック新宿院では、高血圧や妊娠・更年期の変化も踏まえた予防と治療で、継続的にサポートします。まずは一度、ご相談ください。

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参考文献

Li JH, Zhang L, Yang C, Yao CW, Xu YZ, Liu HF, An N. The cGAS-STING pathway in systemic lupus erythematosus and lupus nephritis: a review of novel therapeutic targets. Autoimmunity, 2026, 59(1), p.2612417

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