ゼップバウンド

「食事に気をつけているのに、体重がなかなか減らない」「健康診断で血圧や血糖値を指摘されて、減量するように言われた」そのようなお悩みを抱えていませんか。肥満は見た目の問題ではなく、高血圧や脂質異常症、糖尿病などさまざまな健康障害につながる可能性があります。
ゼップバウンド(チルゼパチド)は、2024年12月に国内で「肥満症」への適応が承認された治療薬です。週1回の皮下注射で使用し、臨床試験では体重減少効果が確認されています。一方で、医師の診断のもとで使用する医療用医薬品であり、どなたでも使用できる薬ではありません。
この記事では、ゼップバウンドの効果や副作用、マンジャロ・ウゴービとの違いなどについて解説します。イーヘルスクリニック新宿院では、管理栄養士による無料の栄養指導や定期的な血液検査で治療をサポートしています。当院での診療の流れについても、わかりやすく解説します。
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記事監修:天野方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
経歴:埼玉医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学付属病院や足利赤十字病院などで勤務。2016年、帝京大学大学院公衆衛生学研究科へ入学。2018年、ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)へ留学。予防医療特化のメディカルクリニックで勤務後、2022年「イーヘルスクリニック新宿院」開院。
専門分野:腎臓内科、抗加齢医学(アンチエイジング)、産業医学
資格:日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士・博士
ゼップバウンドについて、主な治療対象と働きについて解説します。
ゼップバウンドは、有効成分をチルゼパチドとする注射薬です。肥満症は、BMI「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」で計算した肥満度の指標で判別します。肥満は、BMI(体格指数)が25以上の状態を指し、病名ではありません。
肥満症は、肥満が原因で高血圧や脂質異常症、糖尿病などの健康障害を起こしている状態です。あるいは起こすリスクが高く、医学的に減量治療が必要と診断されている方です。ゼップバウンドは、肥満症に適応のある薬剤であり、肥満によって健康を損なうリスクがある方の治療に使用されます。
美容・痩身のみを目的として使用することはできません。同じ有効成分の薬に2型糖尿病治療薬「マンジャロ」がありますが、肥満症への適応が国内で承認されているのはゼップバウンドです。肥満によって健康を損なうリスクがある方の治療に利用されています。

私たちの体には、食事を摂ると小腸から「インクレチン」というホルモンが分泌されます。インクレチンには血糖値を調整したり、食欲や胃の動きに関わったりする働きがあります。代表的なものにGIPとGLP-1の2種類があります。
ゼップバウンドの有効成分チルゼパチドは、GIPとGLP-1の両方の受容体に働きかける薬で以下の効果が期待されます。
その結果、体重減少につながると考えられています。従来のGLP-1受容体作動薬(ウゴービなど)がGLP-1の1つに働きかけるのに対し、チルゼパチドはGIPとGLP-1の2つに同時に働きかける点が特徴です。そのため「GIP/GLP-1受容体作動薬」と呼ばれます。
ゼップバウンドに期待できる体重減少効果と、食事療法・運動療法との組み合せについて解説します。
日本人の肥満症の方を対象とした試験が行われました。食事療法と運動療法に加え、ゼップバウンドを72週間(約1年4か月)投与した結果、以下の体重減少が確認されています。
同試験では、体重が5%以上減少した方の割合は10mg群で94.9%、15mg群で96.9%と報告されています。ただし、あくまで臨床試験での結果であり、効果の現れ方には個人差があります。すべての方に同じ効果を保証するものではありません。
ゼップバウンドは「注射さえすれば痩せられる薬」ではありません。添付文書上も、食事療法と運動療法を行っても十分な効果が得られない場合に、併用して使用する薬と位置づけられています。臨床試験も、食事療法と運動療法を続けながら投与した条件で行われたものです。
薬の力で食欲がおさえられている間に、食事内容や運動習慣を見直します。治療の効果を高め、治療終了後の体重維持にもつながります。当院でも、お薬の処方だけでなく、生活習慣についてのご相談や、管理栄養士による無料の食事指導を含めた診療を提供しております。
ゼップバウンドの使用方法について、週1回の皮下注射と少ない量から始める背景について解説します。
ゼップバウンドは週に1回、お腹や太ももなどに自分で注射する「自己注射」の薬です。注射針が内蔵されたペン型の注入器を使用するため、注射針を自分で取り付ける必要はなく、初めての方でも扱いやすい設計になっています。
投与は週1回、毎週同じ曜日に実施します。食事のタイミングに関係なく、1日のうち都合のよい時間での注射が可能です。初めての方でも安心して使えるように、看護師が丁寧にご説明します。投与開始後も、施行状況を確認するアフターフォローも充実しています。

ゼップバウンドは、主な副作用に吐き気などの消化器症状が出現する可能性があります。副作用を抑えるため、少ない量から始めて段階的に増やしていくことが添付文書で定められています。
増量のペースや維持する量は、効果と副作用のバランスを見ながら医師が判断します。ご自身の判断で量を増やしたり減らしたり、注射を中断したりせず、必ず医師の指示に従って使用してください。
ゼップバウンドの主な副作用と投与期間中の注意点について解説します。
ゼップバウンドの副作用として多くみられるのは、消化器症状です。添付文書では、主な副作用として次のようなものが報告されています。
これらの症状は、投与開始時や増量のタイミングで起こりやすいです。多くの場合は、体が慣れるにつれて症状が軽くなる傾向があります。少ない量から始めて段階的に増量する必要があります。
症状がつらいとき、長く続くときは、我慢せずにご相談ください。増量を遅らせる、量を減らすなどの調整を医師が検討します。
頻度は稀ですが、添付文書では次のような重大な副作用も報告されています。
このような症状に気づいた場合は、使用を続けずに、速やかに当院または近くの医療機関を受診してください。当院では、診察時に体調の変化を確認しながら治療を進めますので、気になる症状は小さなことでもお知らせください。
ゼップバウンドを使用できない方や注意が必要な方がいます。それぞれ解説します。
添付文書上、次に該当する方はゼップバウンドを使用できません。
上記にご自身では該当しないと思っていても、診察で初めてわかるケースもあります。イーヘルスクリニック新宿院では、処方の前に問診・診察で既往歴や健康状態を丁寧に確認していますので、これまでの病歴や治療歴は正確にお伝えください。
妊娠中または妊娠している可能性のある方は使用できません。妊娠する可能性のある方は、治療中および最後の注射から一定期間、避妊が必要とされています。授乳中の方、近い将来妊娠を希望される方は、必ず事前に医師へご相談ください。
以下に該当する方は、使用できる場合もありますが、慎重な判断が必要です。診察時に必ずお伝えください。
該当するかどうかご自身で判断がつかない場合も、自己判断せず、診察時に医師へご相談ください。お薬手帳をお持ちの方は、診察時にご持参いただくとスムーズです。
イーヘルスクリニック新宿院では、専門医が診察から治療までを一貫して担当し、定期的な血液検査で体の状態を確認しながら治療を進めています。持病がある方や服用中のお薬がある方も、治療を始められるかどうかを含めて、まずは診察でお気軽にご相談ください。
イーヘルスクリニック新宿院では、内科・腎臓内科の診療経験をもつ医師が、肥満外来(医療ダイエット外来)としてゼップバウンドによる肥満症治療を、自由診療で提供します。当院の特徴や診療の流れ、料金についてご案内します。
当院の特徴には以下の3つがあります。
特徴1:管理栄養士による無料の栄養指導
薬の作用で食欲がおさえられている間、食事量が減ることで栄養が不足しやすくなります。当院では、管理栄養士による栄養指導を無料で受けられます。たんぱく質や鉄分などが不足しないよう、一人ひとりの食生活に合わせて専門家がサポートします。
特徴2:定期的な血液検査による体調管理
処方して終わりにはせず、定期的な血液検査で体の状態を確認しながら治療を進めます。副作用や体調の変化を早めに把握できる体制を整えているため、初めて薬物治療を受ける方も安心してご相談ください。
特徴3:医師が適応の確認から経過観察まで対応
処方の前に医師が診察を行い、ゼップバウンドの適応となるか、健康状態に問題がないかを丁寧に確認します。治療開始後も、体調や効果を確認しながら、増量のペースや治療の継続を医師が判断します。

ゼップバウンドによる治療は自由診療のため、公的医療保険は適用されません。料金は以下のとおりです。
ゼップパウンドは週1回の注射のため、4本で1か月分です。上記とは別に、初診料:3,300円(税込)、再診料:1,100円(税込)が必要です。また、血液検査を行う場合は、検査の種類により1,000円または2,000円(税込)が別途かかります。
A.効果の現れ方には個人差があります。臨床試験は72週間(約1年4か月)の投与で行われており、体重減少は数か月かけて緩やかに進むことが一般的です。焦らず、医師と経過を確認しながら治療を続けることが大切です。
A.どちらも有効成分は同じチルゼパチドで、薬としての作用の仕組みも同じです。違いは国内で承認されている適応症にあります。
「どちらが強い・どちらが痩せる」という優劣の関係ではなく、治療の目的によって使い分けられる薬です。肥満症の治療を目的とする場合に、正式に承認されているのがゼップバウンドです。
なお、同じ成分であるため、ゼップバウンドとマンジャロを併用することはできません。他のGLP-1受容体作動薬との併用もできません。現在マンジャロや他のGLP-1薬を使用中の方は、必ず診察時に医師へお伝えください。
A.ウゴービの有効成分はセマグルチドで、GLP-1の1つの受容体に働きかける薬です。一方、ゼップバウンドは有効成分がチルゼパチドで、GIPとGLP-1の2つの受容体に働きかけます。3つの薬の違いは以下の表のとおりです。
どちらが適しているかは、健康状態や治療の経過によって異なります。診察の際に医師へご相談ください。
なお、イーヘルスクリニック新宿院では、マンジャロによる肥満外来(医療ダイエット外来)やウゴービによる治療も行っています。それぞれの治療について詳しくは、以下のページをご覧ください。
>>肥満外来(医療ダイエット外来)|マンジャロ・リベルサス処方
>>ウゴービのダイエット効果を医師が解説!期待できる結果と注意点
A.いいえ。ゼップバウンドは肥満症の治療薬であり、添付文書で使用できる方の条件が定められています。具体的には、高血圧や脂質異常症、耐糖能障害(血糖値が正常より高い状態)のいずれかがある方です。さらに、食事療法と運動療法を行っても十分な効果が得られない方のうち、以下のいずれかに該当する方が対象の目安です。
実際にゼップバウンドによる治療が適しているかどうかは、BMIの数値だけで決まるものではありません。健康状態・既往歴・現在服用中のお薬などを踏まえて、医師が診察のうえで総合的に判断します。「BMIが27以上なら誰でも処方できる」ものではないため、ご注意ください。
A.あります。主な副作用は、吐き気や便秘、下痢などの消化器症状です。特に使い始めや増量時に起こりやすいものの、多くは徐々に軽くなる傾向があります。まれに急性膵炎などの重大な副作用も報告されているため、激しい腹痛など気になる症状があればすぐにご相談ください。
A.いいえ、週に1回の注射です。毎週同じ曜日に、ご自身で皮下注射します。ペン型の注入器を使うため、初めての方でも扱いやすくなっています。初回に使い方を丁寧にご説明します。
A.当院でのゼップバウンド処方は自由診療となり、公的医療保険は適用されません。なお、保険診療としてのゼップバウンド治療は、国が定める施設基準等を満たす医療機関で、一定の条件を満たす場合に限られています。
A.ゼップバウンドは来院診療が必要です。以下のリンクから予約が可能です。
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ゼップバウンド(チルゼパチド)は、GIPとGLP-1という2つのホルモン受容体に働きかける、国内承認済みの肥満症治療薬です。臨床試験では体重減少効果が確認されていますが、効果には個人差があり、食事療法・運動療法と組み合わせて、医師の管理のもとで使用することが前提の薬です。
また、肥満症の治療薬であるため、美容目的での使用はできず、対象となる方の条件も定められています。ご自身が対象になるかどうか、副作用への不安など、気になることがあれば、まずは診察でお気軽にご相談ください。
イーヘルスクリニック新宿院は、新宿三丁目駅から徒歩1分というアクセス至便な立地にございます。当クリニックでは、生活習慣病の早期発見・予防をはじめ、より高い健康水準の維持やアンチエイジング対策まで、幅広い医療サービスの提供に取り組んでおります。まずは一度、お気軽にご相談ください。
※当院ではゼップバウンドによる肥満症治療は、公的医療保険が適用されない自由診療です。費用は本ページの料金表をご確認ください。主なリスク・副作用についてはゼップバウンドの副作用・注意点をご覧ください。
※ゼップバウンドは、国内で肥満症治療薬として承認された医療用医薬品です(2024年12月承認)。
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厚生労働省「最適使用推進ガイドライン チルゼパチド(ゼップバウンド)〜肥満症〜」(令和7年3月策定・令和8年5月改訂)