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糖尿病とは、インスリンというホルモンの不足や作用低下が原因で、高血糖の状態が慢性的に続く病気です。糖尿病には、体質的にインスリン分泌ができない1型糖尿病と、生活習慣が原因で発症する2型糖尿病があります。診断の際は1~2か月の血糖値の変動を反映したHbA1c値や、血糖値(空腹時や食後)などを測定し、その結果をもって複合的に判断することが一般的です。高血糖状態を放置すると、神経障害や目の網膜症、腎症などのさまざまな合併症を引き起こす可能性があるため、早期発見して治療することが大切です。
本記事では糖尿病の検査について解説します。
糖尿病は、血液検査や尿検査から診断や治療方針を決めます。検査項目にはいくつかの種類があり、それぞれで特徴や基準値が異なります。糖尿病の診断や治療方針を検討する際に用いられる検査項目と基準値については以下のとおりです。
朝食前に測定した血糖値のことをいいます。比較的安定しているので、インスリンのはたらきや状態を確認する指標となります。検査値が110〜125mg/dLの方は“境界型”と呼ばれ、糖尿病予備軍に該当します。糖尿病予備軍は今後糖尿病になる確率が高いため、半年から1年ごとに検査を受けることが推奨されています。
随時血糖値とは、食事時間を考慮せずに測定した血糖値のことです。随時血糖が200mg/dL以上ある場合は、糖尿病が疑われます。
一定量のブドウ糖を水に溶かしたものを飲み、その30分後、1時間後、2時間後に採血したときの血糖値を測定します。空腹時血糖が正常でも、食後血糖が高い場合があります。その場合、空腹時血糖だけ測定していては隠れた糖尿病を見逃す可能性があるため、この検査を行います。
HbA1cとは血液中のヘモグロビンにブドウ糖が結合したもので、過去1~2か月の血糖コントロール状態を反映した値です。このため、当日の食事や運動などからの影響は受けないといわれています。
尿中の糖の濃さを調べます。健康な人の場合はほとんど尿中に糖はでませんが、血糖値が160~180mg/dLを超えると出てくるといわれています。糖尿病の正確な診断材料にはなりませんが、糖尿病を見つけ出す材料として検査されます。
血液中のタンパクの一種であるアルブミンとブドウ糖が結合したもので、1~2週間前の血糖値の状態を反映します。
1,5-AGは、血液中の糖の中でブドウ糖の次に含まれるもので、過去数日間の血糖コントロールの指標となります。血中の1,5-AGは尿糖が出るほど減るため、数値が低いほど血糖コントロールが悪いことが判明します。
糖尿病の診断では主に空腹時血糖値、75g経口ブドウ糖負荷試験2時間値、随時血糖値、HbA1cの値から判断します。基準値は前述の通りで、具体的には(1)~(3)のいずれかと(4)が確認された場合、または(1)~(4)のいずれかが2回確認された場合に“糖尿病”と診断されます。
なお、(1)~(4)のいずれかが確認された場合のみでは、糖尿病型と診断されます。これは糖尿病の疑いが高い状態のことを指します。この場合は、再検査をします。この時、糖尿病型の診断基準に該当した場合は「糖尿病」と確定診断され、再検査をしても(4)だけが糖尿型だった場合は、経過観察で様子を見ることが一般的です。
糖尿病の検査は、糖尿病の診断および治療方針の決定に役立ちます。検査結果について、医師だけではなく本人も理解することが大切です。そのため、検査について不安や疑問がある場合は、医師や看護師に相談するようにしましょう。
イーヘルスクリニック新宿院の糖尿病内科では糖尿病の診療を行なっています。健康診断で糖尿病予備軍と指摘された方も、ぜひご相談ください。糖尿病予備軍は自覚症状に乏しいですが、放置すると糖尿病に進行します。糖尿病になると、さまざまな合併症を引き起こすこともあるため、予備軍の段階から適切な対処を行うことが大切です。イーヘルスクリニック新宿院では医師をはじめ看護師や管理栄養士、検査技師などが多方面からサポートいたします。ご不安なことがありましたらお気軽にお問い合わせください。