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高血圧を放置すると脳の血管が障害を受けて脳卒中を引き起こしたり、心臓の血管が障害を受けて心筋梗塞や心不全へと進展することもあります。そのため“血圧が高め”と分かった時点で早めに受診することが大切です。
① 平日20時まで、土日祝も診療
② オンライン診療対応で、すぐに薬が受け取れる
③ 管理栄養士による食事指導も実施
本記事では高血圧の治療について解説します。
高血圧治療の目的は、重大な病気の発症を防ぐことです。高血圧は大きく遺伝的素因や食塩の過剰摂取、肥満などさまざまな要因が組み合わさって起こる“本態性高血圧”と、何らかの病気が原因で二次的に起こる“二次性高血圧”に分けられ、それぞれ治療法が異なります。
なお、高血圧の約8~9割は本態性高血圧に該当し、本態性高血圧の治療の基本は食事療法と運動療法です。そのうえで効果が不十分であれば、薬の処方が検討されることが一般的です。二次性高血圧の場合は、病気に合わせた治療が行われます。以下では、本態性高血圧の治療法について解説します。
食事療法や運動療法で効果が不十分であった場合には、降圧薬の処方が検討されます。ただし薬だけでは効果が十分ではないため、食事療法と運動療法は引き続き継続することが一般的です。
降圧薬には種類があり、個人の病状に応じて処方されます。
現在、主に以下の薬が高血圧治療に使われています。
・カルシウム拮抗薬
・ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)
・利尿薬
・アルドステロン拮抗薬 など
高血圧に対する最初の選択肢として考えられる降圧薬は、一般的にはカルシウム拮抗薬やARBなどです。降圧薬は通常1日1回投与されますが、24時間を通じて血圧を安定させることが重要です。ただし、蛋白尿の有無、合併症や患者の年齢に応じて、選択される降圧薬が異なることがあります。
また、一部の降圧薬は臓器の機能保護にも寄与することが期待されています。臓器機能の保護を考慮して降圧薬を選択する場合もあります。例えば、新しいミネラルコルチコイド受容体拮抗薬であるフィネレノンは、腎臓の機能低下を抑える効果があるとされています
また、最近では新しい作用機序を持つ降圧薬であるARNI(エンレスト)も利用可能です。ARNIは降圧効果が強力で、特に比較的若い患者さんや塩分摂取量が多い人に対して強力な降圧作用が期待されています。
① 平日20時まで、土日祝も診療
② オンライン診療対応で、すぐに薬が受け取れる
③ 管理栄養士による食事指導も実施
高血圧の食事療法では、塩分制限や飲酒量を適量にすることなどが大切です。
塩分は体に必要な栄養素ですが、取りすぎると体内に水分がたまってしまい高血圧のリスクになることがあります。1日の塩分摂取量を6g未満に減らしましょう。
塩味がない食事は寂しいと感じることもありますが、“だしを生かした味付けにする” “減塩しょうゆや減塩みそを使う”などの工夫で無理なく減塩できる場合もあります。このような工夫は、医師や管理栄養士から教えてもらうとよいでしょう。
エネルギーの取りすぎは肥満につながります。肥満は高血圧の発症や悪化に関連しているといわれているため、適切なエネルギー量を意識することが大切です。
1日に必要なエネルギー量は、年齢や性別、身体活動量、肥満度、血糖コントロール、合併症などを考慮して決められます。人によって異なるため、詳しくは医師に確認するようにしましょう。
適度な飲酒は体によい影響を与えることもありますが、習慣的な飲酒や飲みすぎは血圧を上昇させる恐れがあります。
また、お酒のおつまみは塩分の過剰摂取につながるうえに、エネルギーを取りすぎてしまう可能性があり、肥満を招く原因となるため注意が必要です。1日の飲酒量の目安としては、男性の場合はビールなら中瓶1本、日本酒なら1合、ワインなら2杯弱までとなります。女性の場合はこの量の半分が目安です。
新鮮な野菜や海草、果物などに多く含まれるカリウムは、血圧上昇に関わるナトリウムを尿中に排出するはたらきがあります。
一方で果物は果糖も多く、食べすぎによって血糖や中性脂肪の上昇、肥満を招く可能性があるので注意が必要です。
運動は血管を広げて血圧を下げ、肥満防止にも効果的なため、高血圧治療には欠かせません。
運動の強度については「ややきつい」と感じる程度の有酸素運動を行うことがおすすめです。頻度はできれば毎日30分以上行うことを目標としましょう。忙しい日でも、少なくとも10分以上の運動を行い、毎日継続することが大切です。
なお、運動はまとめて30分以上する必要はなく、1日合計して30分を超えればよいとされています。朝は散歩をして仕事帰りに歩くなど、分散して運動することもおすすめです。
運動療法で大切なのは、無理をせず自分ができる範囲で続けることです。無理をすると、けがや挫折につながって長続きしないことがあります。
また、急に運動すると体に与える負担が大きいため、まずは軽い運動から始めましょう。掃除や洗車、子供と遊ぶ、自転車で買い物に行くなどの生活活動の中で身体活動量を増やすことから始めるのもおすすめです。
最近の研究では、1回30分で週2回程度の有酸素運動の実施でも降圧効果があるという報告もあります。
運動療法は、1週間あたりの総運動時間、あるいは総消費カロリーで設定することが適当であるといわれています。たとえば1回の運動時間を長くして1週間の運動回数を減らすなど、個人のライフスタイルに合わせて設定可能です。
運動を行う前には、準備運動を十分に行いましょう。
なお、虚血性心疾患や心不全などの病気を合併している方は運動に注意が必要なことがあるため、医師に確認をしてから運動しましょう。
食事療法や運動療法、使用する薬については患者さんによって異なるため、必ず医師の指示にしたがって進めましょう。
高血圧治療では、生活習慣の改善や服薬を生涯続ける必要がありますが、生活習慣の改善などで薬を飲まずに生活することが可能になる場合もあります。高血圧治療に関して、不安や疑問があれば医師に相談しましょう。
イーヘルスクリニック新宿院ではそれぞれの患者さんに合った治療を検討します。治療法について分かりやすく説明し、安心しご納得いただいたうえで治療方針を決めていきます。管理栄養士も在籍しているため、食生活のアドバイスを受けることも可能です。
参考資料
・高血圧治療ガイドライン2019