子宮頸がん検診の超音波検診では何が分かるの? ~検査の内容や痛みの有無~
2023.02.27子宮頸がん検診とは、体に子宮頸がんがあるかどうかを調べる検査のことであり、子宮がん検診と呼ぶこともあります。定期的な検診によって子宮頸がんの死亡率低下につながることが科学的に認められています。
子宮頸がんとは、子宮頸部(子宮下部の腟につながる筒状の部分)にできるがんのことです。女性のがんの中ではかかる人が多いがんであり、近年、20歳~40歳代の女性で増加傾向にあるとされています。そのため、自覚症状がない20歳以上の女性は検診を受けることが推奨されています。
また、子宮頸がんは初期では自覚症状がないことが多いですが、進行すると不正出血、月経が不規則になるなどの症状が現れることがあります。したがって、早期発見のためには症状が出ていない段階で検診を受けることが大切です。症状がある場合は検診ではなく早めに婦人科を受診するとよいでしょう。
子宮頸がん検診では、問診、視診、内診、細胞を採取する細胞診を行います。
問診では、一番最近の生理開始日と継続日数、生理周期、妊娠や出産経験の有無、生理以外の性器出血などの症状の有無、検診の受診状況、子宮頸がんまたはCIN(がんになる前の状態)で病院に行ったことがあるかなどを聞かれることが一般的です。必要な情報は事前に確認、準備しておくとよいでしょう。
視診では、腟鏡(クスコ)という器具を腟に入れ、子宮頸部を目で見て確認します。内診では、指を腟の中に入れながらお腹を押し、子宮や卵巣の大きさを触って確認します。
細胞診では、専用のヘラやブラシなどを使って子宮頸部の細胞をこすり取り、採取した細胞を専門家が顕微鏡で調べて検査します。細胞診は、子宮頸がんによる死亡率の減少が科学的に認められ、検査方法として推奨される唯一のものとされています。
子宮頸がん検診は、20歳以上で症状のない女性に対して推奨されています。
子宮頸がん検診は、2年に1度定期的に受診することが推奨されています。
子宮頸がん検診は対策型検診(集団全体の死亡率を下げるための公共的な予防対策として行う検診)の1つに定められています。対策型検診は住民票がある市区町村で受診でき、特定の検診施設または検診車で受ける集団方式と、地域のかかりつけ医などで受ける個別方式があります。検診の受け方や日程、申込み方法などの詳細は、お住まいの市区町村に問い合わせるとよいでしょう。また、費用は公費負担の場合が多く、自己負担金がある場合でも、全額ではなく一部のみとなることが一般的です。
一方、職場や人間ドックなどが任意で提供する任意型がん検診を受ける方法もあります。任意型がん検診は全額自己負担となることが基本ですが、健康保険組合などが補助を行う場合もあります。
子宮頸がん検診の結果は、精密検査不要と要精密検査の2パターンがあります。
精密検査不要の結果が出た場合は、がんの疑いはないと判断されたということです。今後も2年に1度のがん検診を受けるとよいでしょう。
要精密検査となった場合は、精密検査を受ける必要があります。ただし、検診だけでは子宮頸がんの診断はできないため、この時点ではがんと確定したわけではありません。精密検査によって、異常なし、または良性の病変であると判定されることもあります。
精密検査では、コルポスコープ(腟拡大鏡)による組織診や細胞診、子宮頸がんの原因となるHPVの検査などを組み合わせて行います。
正しい結果が出ないことがあるため、生理中は検査できない場合があります。自治体によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
また、下着を取って検査を行うため、ゆったりしたスカートや着替えやすい服装で行くとよいでしょう。細胞診では出血することがあるため、ナプキンを持参すると安心です。
個人差があるものの、内診で大きな痛みを伴うことはほとんどないといわれています。細胞診もほとんど痛みはないとされていますが、個人差もあり、器具を入れる時に違和感を覚える場合もあります。痛みなどの軽減のために、力まずリラックスするとよいとされています。