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健康診断
2023.01.27

前立腺がん検診で測定するPSAとは? ~検査結果の見方についてご紹介~

前立腺がんの患者数は50歳頃から増える傾向があり、世界的にも発症頻度が高いがんの1つです。しかし、早期に見つけて治療することができれば、完治が期待できる病気でもあるため、定期的に前立腺がん検診を受けることがすすめられています。

本記事では、前立腺がん検診で測定する“PSA検査”について解説します。

前立腺がん検診で行う“PSA検査”とは

PSA検査とは、血液中にある“PSA”というタンパク質の値を調べる検査のことで、前立腺がんの早期発見にもっとも役立つことで知られています。実際に、PSA検査の普及に伴い前立腺がんの発症数が減少傾向にあることが報告されています。

PSAって何?

PSAとは前立腺から分泌されるタンパク質のことです。ほとんどが精液の中に分泌されますが、ごくわずかな量が血液中に取り込まれます。

そのため、PSAは健康な方でも多少検出されますが、前立腺がんがある場合は前立腺がんの組織が破壊されることで、PSAが大量に血液中に漏れ出して増加します。このため、PSAの値が高まると、それに比例して前立腺がんの発見率が高まる傾向にあります。

なお、がん以外の前立腺肥大症や前立腺炎でもPSAが高値になる場合があることから、“PSAの値が高い=がん”ではないことを理解しておきましょう。

前立腺がん検診の検査結果

前立腺がん検診の検診結果は“精密検査不要”もしくは“要精密検査”で通知されることが一般的です。精密検査不要の場合は、今回のPSAの値は基準値内で異常がみられなかったということになります。一方、要精密検査の場合は、PSAの値が基準値外で異常がみられるという意味になるため、必ず医療機関を受診して精密検査を受けましょう。

ただし、前述のとおり“PSAの値が高い=がん”というわけではなく、PSAの値が正常値でもがんが発見されることもあれば、異常値(4ng/mL以上)でもがんが発見されないことがあります。PSAの値はあくまで前立腺がんや前立腺肥大症などの病気を見つける目安として考えるとよいでしょう。

具体的な基準値は以下のとおりです。

基準値

基準値は、全年齢で4.0ng/mLです。しかし、PSAの値は年齢を重ねるごとに自然と上昇するので、年齢ごとでも基準値が設定されており、前立腺がん検診のガイドラインでは年齢別の基準値も用いることを推奨しています。

  • 50~64歳:3.0ng/mL以下
  • 65~69歳:3.5ng/mL以下
  • 70歳以上:4.0ng/mL以下

なお、PSA の値が4.0~10ng/mLの場合はいわゆるグレーゾーンといわれ、前立腺がんの発見率は25~40%だといわれています。

PSAの値からみる検診の頻度

前立腺がん検診の頻度は、基本的に1ng/mL以下の場合は3年に1回、1ng/mL以上の場合は年に1回の受診がすすめられています。ただし、50歳以上の男性の場合は、PSAの値が基準値内であっても、定期的に前立腺がん検診を受けるようにしましょう。

また、家族の中に前立腺がんと診断された方がいる場合は、前立腺がんにかかりやすくなるため、40歳を過ぎたら定期的に前立腺がん検診を受けることがすすめられています。

PSAが異常値だったら必ず受診を

繰り返しとなりますが、PSAの値が基準値を超えていても、必ずしもがんがあるとは限りませんが、検査結果が異常値だった場合は泌尿器を専門とする医療機関を受診し、精密検査が必要かどうかを相談するようにしましょう。検査の結果、PSAが異常値で前立腺がんの疑いがある場合には、精密検査として直腸診や前立腺生検などを行うことがあります。

eHealth clinicの健康診断では、前立腺がんの発見に役立つPSA検査を3,300円(税込:自由診療)で行っています。検査にあたってはPSAについて丁寧に説明し、十分にご理解いただいたうえで実施しています。また、検査後も結果について分かりやすく説明し、その後の対処法などをご提案いたします。ご不安な点などがあればお気軽にご相談ください。