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2022.10.17
#糖尿病内科(内分泌・代謝外来) #対象疾患

日本人に多い糖尿病の特徴とは?発症リスクと予防策を解説

日本人は欧米人とは異なり、糖尿病になりやすい特有の体質を持っていると考えられています。厚生労働省の調査によれば、日本の成人の約6人に1人が糖尿病または糖尿病予備群に該当すると報告されています。自覚症状がないまま進行し、がんや心臓病のリスクを高めることもわかっています。

この記事では、日本人が糖尿病になりやすい理由や隠れたリスク、今日から始められる具体的な予防策を詳しく解説します。将来の健康を守るために、糖尿病を正しく理解しましょう。

イーヘルスクリニック新宿院では、日本人に多い2型糖尿病の特徴を踏まえ、血糖やHbA1c、体組成まで総合的に評価します。予備群の段階から生活指導と必要な治療を行い、合併症予防を見据えた継続的なサポートを提供します。気になる症状のある方は、ご相談ください。

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記事監修:天野方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
経歴:埼玉医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学付属病院足利赤十字病院などで勤務。2016年、帝京大学大学院公衆衛生学研究科へ入学。2018年、ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)へ留学。予防医療特化のメディカルクリニックで勤務後、2022年「イーヘルスクリニック新宿院」開院。
専門分野:腎臓内科、抗加齢医学(アンチエイジング)、産業医学
資格:日本腎臓学会専門医・指導医抗加齢医学会専門医日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士・博士

日本人に多い糖尿病の特徴

日本人に多い糖尿病の特徴について、下記の4つを解説していきます。

  • 欧米人と比較して低いインスリン分泌能力
  • 隠れ肥満に多い内臓脂肪型肥満
  • 血糖値スパイクを起こしやすい体質
  • 日本人に多いのは2型糖尿病

欧米人と比較して低いインスリン分泌能力

インスリンは、食事で摂取したブドウ糖を細胞に取り込み、エネルギーとして利用するためのホルモンです。血液中の血糖値を適切に保つ重要な役割を担っています。日本人はインスリンを分泌する力が、遺伝的に欧米人と比べて弱い傾向があることがわかっています。

欧米人は、インスリンの効果が悪くなるインスリン抵抗性による肥満が、糖尿病の原因につながります。日本人はインスリン分泌が弱く、インスリン分泌不全が糖尿病の原因に影響しています。少しの体重増加でも糖尿病を発症する可能性があります。

日本人の痩せ型の人が糖尿病になる原因の一つに、インスリン分泌能不全が関わっています。BMIが低くても、血糖値を意識した生活を送ることが、日本人には重要です。

隠れ肥満に多い内臓脂肪型肥満

肥満には、皮下脂肪型と内臓脂肪型の2種類があります。日本人は、内臓脂肪型肥満に注意する必要があります。内臓脂肪からは、インスリン抵抗性に関与するアディポサイトカインが分泌されます。インスリン分泌能が低い体質に、アディポサイトカインが関与することで、血糖値を上げやすくします。

日本人は欧米人と比べて、内臓脂肪がたまりやすい傾向があります。健康診断で腹囲が男性で85cm以上、女性で90cm以上の方やBMIが25以上ある方は肥満の可能性が高いです。

血糖値スパイクを起こしやすい体質

血糖値スパイクは、食後に血糖値が急激に上がった後に急降下する状態を指します。日本人の主食である炭水化物は、体内で速やかに糖に分解・吸収されるため、食後の血糖値を急上昇させます。

日本人はインスリンを出す力が弱いうえに、食後の血糖値上昇に対してインスリンが分泌されるまで時間がかかる傾向があります。急上昇した血糖値の処理が追いつかず、血糖値スパイクが起こりやすくなります。

血糖値の激しい乱高下は、血管を損傷しやすく動脈硬化が進行する可能性があります。動脈硬化は、心筋梗塞や脳梗塞などの病気を引き起こしやすくします。気になる症状がある場合は、医療機関で相談することをおすすめします。

日本人に多いのは2型糖尿病

日本で糖尿病を診断された方で、多くを占めているのが2型糖尿病です。1型糖尿病は、自己免疫疾患などで、すい臓のインスリンを作る細胞が壊されて、インスリンが分泌されなくなる病態です。生活習慣とは関係なく発症し、若い方に多い傾向があります。治療にはインスリン注射が使用されます。

2型糖尿病は、遺伝的な要因に加え、食べすぎや運動不足、肥満など生活習慣の乱れで発症しやすい病態です。2型糖尿病は自覚症状が乏しいため、気づかないまま進行しやすいです。

気づかないうちに、貧血や低栄養状態などが病状を悪化させ、合併症のリスクを高めることも研究でわかっています。貧血は、糖尿病の三大合併症である糖尿病性網膜症や糖尿病性腎症の共通のリスク因子の一つとなることが報告されています。定期的な健康診断で血糖値やHbA1cをチェックし、生活習慣の見直しが大切です。

以下の記事では、糖尿病でみられる初期症状や種類別の特徴的な症状について解説しています。
>>糖尿病ではどんな症状が出るの? 〜初期症状や種類別の症状をご紹介〜

糖尿病の発症リスク

糖尿病の発症リスクについて下記の4つを解説します。

  • 遺伝的要因
  • 食生活の変化(糖質過多)
  • 運動不足や加齢による影響
  • 健康診断で血糖値を指摘された場合

遺伝的要因

血縁者に糖尿病の方がいる場合は、注意が必要です。糖尿病になりやすい体質を受け継いでいる可能性があります。遺伝的体質は、インスリン分泌能が低かったり、インスリンが効きにくかったりします。両親のどちらか、または両方が2型糖尿病の場合、発症リスクが高くなることが知られています

ご自身の血縁者に糖尿病の方がいるか、一度確認してみてください。遺伝的な要因があっても、必ず発病するわけではありません。食生活や運動習慣を見直せば、発症リスクは十分に下げられます。ご自身の体質を知り、生活習慣に気をつけることが大切です。

食生活の変化(糖質過多)

現代の食事には、糖尿病のリスクを高める要因が多く存在します。糖質の過剰摂取は血糖値を上昇させ、すい臓に負担をかける可能性があります。注意したい食生活は下記のとおりです。

  • 加糖された飲料水をよく飲む
  • 食事は炭水化物が中心である
  • お菓子や菓子パンを食事代わりにする
  • 急いであまり噛まずに食事をする
  • 野菜などをあまり食べない

糖質過多の食生活は、血糖値スパイクを引き起こす要因の一つです。血糖値スパイクを予防するためには、加糖された飲み物を水やお茶に変えるなど、食生活を見直しましょう。

運動不足や加齢による影響

運動不足も、糖尿病リスク要因の一つです。運動をしないと摂取した糖が筋肉に利用されません。余分な糖が血液中に残ることで、高血糖状態が継続しやすいです。運動不足は、筋肉量の減少と基礎代謝を低下させます。運動不足による内臓脂肪の蓄積は、インスリン抵抗性を高め、高血糖を助長する可能性があります。

年齢を重ねると、筋肉量が減少しやすいです。若い頃と同じような食事を摂取していると、エネルギーが余りやすくなります。年齢を重ねても日常生活の中で、意識的に体を動かし筋肉量の増加やエネルギー消費の習慣を意識しましょう

健康診断で血糖値を指摘された場合

健康診断で血糖値やHbA1cの異常を指摘された場合は、医療機関での相談を検討してください。空腹時血糖値とHbA1cの具体的な数値は、以下の表のとおりです。ご自身の検査結果の数値と比較しましょう。

境界型や糖尿病型に当てはまる場合は、速やかに医療機関を受診してください。糖尿病を適切に管理しないと、合併症のリスクが高まる可能性があります。

糖尿病患者さんに多い死因が悪性腫瘍であることが報告されました。心不全で亡くなる方の割合も高く示されています。研究によると、血糖コントロール不良は健康寿命や予後に影響を及ぼす可能性があると報告されています。早期に適切な対応を始めることが、将来の健康を守るために重要です。

以下の記事では、糖尿病の診断基準や糖尿病予備軍との違いについてわかりやすく解説しています。
>>糖尿病の診断基準とは? 糖尿病と糖尿病予備軍の診断基準の違いを解説

糖尿病の予防

糖尿病の予防について、下記の3つを解説します。

  • 食事療法の3つの基本
  • 効果的な運動習慣
  • 受診を検討すべき症状

食事療法の3つの基本

糖尿病の予防で、食事の摂り方は大切です。以下の3つの基本から実践してみましょう。

  • 野菜から食べ始める
  • 炭水化物の質と量を選ぶ
  • バランスの良い食事を1日3食とる

食事の最初に、野菜やきのこなどを摂取しましょう。食物繊維が、後から食べる糖の吸収をゆるやかにします。野菜の後に肉や魚などのタンパク質を摂取しましょう。筋肉の材料となり、糖の代謝を助ける働きがあります。

白米や食パンなどの炭水化物は、血糖値を急上昇させやすいため、最後に摂取しましょう。白米や食パンを、食物繊維の多い玄米や全粒粉パンに変えると、糖質や脂質の量を減らせます。バランスの良い食事を3食することが基本です。食事を抜くと、次の食事で血糖値が上昇しやすくなる傾向があります

以下の記事では、糖尿病の食事療法に対する具体的な栄養指導の内容や実践しやすいポイントについて解説しています。
>>糖尿病の食事療法に対する栄養指導とは

効果的な運動習慣

効果的な運動習慣は、インスリンの感受性を改善し、血糖値のコントロールに役立ちます。筋肉量の増加は、ブドウ糖の消費を活発にするため血糖値の安定化につながります。効果的な運動習慣として以下の3つを実施してみましょう。

  • 有酸素運動
  • 筋力トレーニング
  • 生活の中でのこまめな活動

運動が苦手な方は、ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動を試しましょう。週に合計150分以上の運動が推奨されています。太ももなど大きな筋肉を鍛えるスクワットは、週に2〜3回行うのがおすすめです。

上の階には階段を利用したり、一駅手前で降りて歩いたりするなど、日常生活で意識的に体を動かす機会を増やしましょう。毎日の運動の積み重ねが大切です。

受診を検討すべき症状

糖尿病の初期は自覚症状がほとんどないため、気づかない間に進行している可能性があります。以下の症状に気づいたら、放置せずに医療機関を受診してください。

  • のどが異常に渇く
  • トイレの回数が増える
  • 急に体重が減少する
  • 倦怠感がある
  • 視力が低下する
  • 手足のしびれがある
  • 傷の治癒が遅い

症状は、血液中の糖が増えすぎていることを示している可能性があります。症状がないからと放置すると、重篤な合併症のリスクが高まる場合があります。気になる体調の変化は、早期に医療機関を受診しましょう。

まとめ

日本人はインスリン分泌能が低い体質なので、痩せている方や若い方でも糖尿病になる可能性があります。自覚症状がほとんどないまま進行し、深刻な合併症を引き起こす可能性があります。

日本人に多い2型糖尿病は、生活習慣の見直しで予防が期待できる病気です。食事の順番を工夫したり、10分多く歩いたり、今日からできる習慣に取り組みましょう。健康診断の結果や気になる体調の変化は、放置せず専門の医療機関に相談することから始めてみましょう。

イーヘルスクリニック新宿院では、HbA1cや血糖値を丁寧に評価し、予備群の段階から生活指導と治療を行います。痩せ型の方も含め一人ひとりに合わせた対策で、合併症予防を継続的にサポートしますので、安心してご相談ください。

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