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2023.01.20
#腎臓内科 #対象外来

血圧と体重の関係とは? 肥満を改善することが高血圧治療につながる

高血圧とは、血圧が正常より高い値が続くことです。この状態が続くと、血管の壁の内側に傷がついて動脈硬化を招き、やがて狭心症や心筋梗塞(しんきんこうそく)などの病気を引き起こす可能性もあるため、予防や改善に努めることが重要です。原因には塩分やお酒の過剰摂取、精神的なストレス、運動不足などの生活習慣がきっかけになることで知られていますが、そのうちの1つに肥満が関係することもあると考えられています。

本記事では、高血圧と肥満との関連性について解説します。

以下の記事では、高血圧になるとどんな症状が出るのか、合併症のリスクも交えて解説します。
>>血圧が高いと出る症状とは?脳や目、腎臓、心臓などの合併症のリスクを解説

イーヘルスクリニック新宿院 の高血圧外来の3つのメリット

① 平日20時まで、土日祝も診療
② オンライン診療対応で、すぐに薬が受け取れる
③ 管理栄養士による食事指導も実施

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記事監修:天野方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
経歴:埼玉医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学付属病院足利赤十字病院などで勤務。2016年、帝京大学大学院公衆衛生学研究科へ入学。2018年、ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)へ留学。予防医療特化のメディカルクリニックで勤務後、2022年「イーヘルスクリニック新宿院」開院。
専門分野:腎臓内科、抗加齢医学(アンチエイジング)、産業医学
資格:日本腎臓学会専門医・指導医抗加齢医学会専門医日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士・博士

高血圧と肥満の関係とは?

肥満の方は正常体重の方と比べて、高血圧になる頻度は約3倍高いといわれています。この理由には食べ過ぎによる塩分量の増加と、ホルモンの関係があげられます。具体的には以下の通りです。

食べ過ぎによる塩分量の増加

肥満の方は食べ過ぎることによって塩分の摂取量も多くなり、体内のナトリウム量が増えすぎてしまうことにあります。ナトリウムは増え過ぎると、その濃度を薄めるため水分量が増加します。この結果、血管が圧迫され血圧が上がるのです。

以下の記事では、塩分と高血圧の関係性について詳しく解説していますので、併せて確認しましょう。
>>塩分制限は高血圧の改善に役立つ?関係性と目標の食塩摂取量について解説

インスリンの影響

肥満になると、過剰に分泌された“インスリン”というホルモンのはたらきによって、尿と一緒に排出されるはずだったナトリウムを再吸収するはたらきが高まります。その結果、血液中でナトリウムが増加するため、その濃度を薄めようとして水分量が増加し血圧が上がります。

また、過剰に分泌されたインスリンが交感神経系を刺激することで、血液中にカテコールアミンというホルモンが放出されます。カテコールアミンには血管を収縮させるはたらきがあるため、血圧が上がることがあります。

アンギオテンシノーゲンの影響

アンジオテンシノーゲンは血圧を上げるはたらきがあることで知られている物質で、主に肝臓で作られていますが脂肪細胞でも作られています。このため、内臓脂肪の増加に伴って、分泌・生産が高まるため、肥満の方が高血圧になる1つの原因になるとされています。

なお、一言に“肥満”といっても肥満には主に“皮下脂肪型肥満”と“内臓脂肪型肥満”といったタイプがあります。なかでも高血圧との関わりの深い肥満は、“内臓脂肪型肥満”です。内臓脂肪型肥満とは、腸の周りなど腹腔内に脂肪が蓄積しており、ウエスト周りが大きくなる肥満のことをいいます。特に男性に多く、食べすぎ、飲みすぎ、早食いのほか、運動不足が原因で生じると考えられています。特におへそ周りが男性で85cm以上、女性で90cm以上ある場合、内臓脂肪型肥満が強く疑われます。

肥満を改善することで血圧はどのくらい下がるの?

肥満を改善することで高血圧もよくなることは、さまざまな研究から明らかになっています。たとえば高齢の高血圧患者を対象とした研究によれば、肥満の方が4.7kgの減量を行ったところ、血圧の低下が確認されたうえ降圧薬の服用を中止しても、心血管合併症の発症や高血圧の再発、降圧薬の再開が必要となる方などの数が30%も改善したといわれています。この研究によれば、肥満と判断された方は少なくとも3.6kgを超える減量ができれば、血圧の低下を実感できると報告されています。また、約4kg の減量により、収縮期で−4.5mmHg、拡張期で−3.2mmHg の血圧低下効果があると報告されています。

ただし、体重を急激に減らすことは体に負担がかかる可能性も考えられます。そのため、肥満の方は徐々に体重を減少させられるよう、食事内容に気を配り、適度な運動を習慣化することを心がけましょう。

肥満による高血圧の予防策

肥満を解消するために、食事や運動といった生活習慣の改善をしましょう。目標としては3~6か月ほどの間に現在の体重の3〜5%減を目指す程度がよいとされています。

以下の記事では高血圧の食事で気をつけることについて解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
>>高血圧の食事で気をつけること!血圧を下げる飲み物・食べ物も紹介

食事

食事で高血圧を予防する方法について解説します。

食塩を制限する

高血圧の予防に欠かせないのは、食塩摂取量の制限です。日本高血圧学会は、高血圧患者における減塩目標を1日6g未満にすることを強く推奨しています。

野菜やきのこ類を取り入れる

野菜やきのこ類は低カロリーなので、ダイエットにおすすめです。また、これらの食材に豊富に含まれるカリウムには、腎臓から塩分を排泄しやすくするはたらきがあります。ただし腎臓病などでカリウム制限がある方が摂取する場合は、主治医と相談してください。

減塩食やダイエット食などの食事制限は味気なく我慢するイメージを持つ方もいますが、工夫次第で無理なく食塩やエネルギー量をコントロールすることが可能です。eHealth clinicでは管理栄養士による栄養カウンセリングを実施しています。医師と連携しながら、無理なく続けられるような食事法や減塩のコツなどをアドバイスさせていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。

※自費診療の場合は、栄養カウンセリング30分 3,300円(税込)となります。

運動

肥満や高血圧の改善には運動療法も大切です。ウォーキングや水泳などの継続的な有酸素運動には血圧を下げる効果があります。高血圧の原因となるストレスを解消することにもつながるので、自分のペースで続けてみましょう。

以下の記事では肥満外来での栄養指導の内容について解説しています。
>>
肥満外来での栄養指導の内容とは? ~専門家の指導で無理なく健康的に減量~

高血圧と肥満について分からないことは医師に相談しよう

受付

肥満の方は正常体重の方と比べて、高血圧になる確率が約2~3倍高くなるといわれています。そのため、肥満を指摘された場合は食事や運動の工夫をし、肥満の改善を目指しましょう。高血圧や肥満について分からないことがあれば、医師に相談することが大切です。

eHealth clinicでは高血圧の診療のほか、肥満の診療も行っています。これらの病気の治療の基本は食事や運動など生活習慣の改善です。eHealth clinicには管理栄養士が在籍し、医師と一緒に患者様をサポートいたします。ご不安なことがあればいつでもご相談ください。

イーヘルスクリニック新宿院では高血圧外来を設置しています。お困りごとがあればお気軽にご相談ください。

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