リベルサス
健康診断などで医師に「肉親に高血圧の人がいるなら、注意してください」と言われたことはありませんか。一方で、高血圧は主に食事や運動などの生活習慣が原因となり、血圧が高めな高血圧予備軍を含めると、日本には患者が多い病気だという話も聞きます。高血圧は本当に遺伝するのでしょうか。肉親に高血圧の人がいたら、どんなに気を付けて生活をしても高血圧になってしまうのでしょうか。
本稿では、高血圧と遺伝の関わりと発症を抑える生活習慣について解説します。
高血圧は発症原因により2種類に分けることができます。食事や生活習慣などのさまざまな要因が関係し、原因がはっきりしないタイプを“本態性高血圧”と呼び、日本人の高血圧の約8〜9割を占めています。このタイプは、血圧の上がりやすさに遺伝が関係していることが分かっています。もう一方は、ホルモンや腎臓の病気などによる高血圧で、“二次性高血圧”と呼びます。
遺伝の影響は人によって異なります。ただし、発症には家族が似たような生活環境・食習慣であることも大きな原因になります。
たとえば一緒に暮らしている家族は、塩分の高い食事を好んだり、過食や偏食傾向が強く肥満が多かったり、運動不足・外出嫌い、飲酒・喫煙習慣がある、ストレスが多いなど似たような生活をすることが多くなります。
このような生活環境が親から子へ受け継がれていくことで、高血圧の親をもつ子どもは高血圧になりやすくなり、必ず遺伝するように感じてしまう人が多くなります。
家族に高血圧の人が多いからといって、必ず自分も高血圧になるわけではありません。しかし、高血圧の要因は、遺伝要因に加えて摂取塩分量の多さや運動不足といった家族で似た生活環境を送ることによる環境要因を併せた“家族性”のものが60%だといわれています。
高血圧の発症は環境要素も大きいことから、高血圧の遺伝を心配するより、たとえ体質が遺伝しても発症させない生活習慣を家族で心がけることが大切です。そのためには、次のような生活習慣を心がけることが効果的だとされています。
食塩の取りすぎは、血圧を上昇させることが知られています。日本高血圧学会では、1日の摂取量を6g未満にすることを推奨しています。
出汁やお酢などで味付けを工夫し、麺類のスープは飲まない、インスタント食品を控えるなどの工夫が大切です。
食べすぎは肥満に直結します。たくさん食べると食塩の摂取量も多くなります。内臓に脂肪がつき、血液の通り道が狭くなったり血管が硬くなったりします。その結果、血圧が上昇します。
栄養バランスの取れた腹八分目の食事を、決まった時間に取ることをおすすめします。
運動不足は肥満の原因となるだけでなく、血管の柔軟性が低下し、血圧が上がります。
適度な運動は減量にもつながり、血管の収縮を助け柔軟性を高めます。不安な人は医師の指導を受けながらウォーキングやストレッチなど無理のない運動から始めるとよいでしょう。
アルコールの飲みすぎは血圧を上昇させ、心臓に負担をかけます。喫煙は血管を傷つけるので、血圧だけでなく合併症のリスクも高めます。
アルコールは1日に日本酒なら1合、ビールなら中瓶1本程度にし、できれば禁煙をしましょう。
ストレスを感じると血管は収縮し、血圧が上昇することが分かっています。ストレス状態が長く続くと血管に大きな負担がかかります。
ストレス解消のために、気分転換の時間や趣味に打ち込む時間を作ると降圧効果が高くなります。
家族に高血圧の人がいる家庭の場合、遺伝的にほかの家族も高血圧になりやすいのは事実です。そのため、子どもが小さい頃から減塩を心がけ、食べすぎや偏食などを避け、家族で運動をする習慣をつけることが高血圧の予防に役立ちます。
また、家庭で定期的に血圧を測るような機会をもつことも大切です。
血圧についての疑問や不安、生活習慣の改善などの相談があれば当院に相談してください。
イーヘルスクリニック新宿院では、個々の患者様に最適な治療プランを検討し、理解しやすい形で治療オプションを説明し、患者様の了承を得た上で、治療方針を共に決定してまいります。当クリニックには、管理栄養士も常駐しており、食事に関する専門的なアドバイスもご利用いただけます。健康な未来への一歩を踏み出すお手伝いを心よりさせていただきます。