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高尿酸血症は、血液中の尿酸値が通常よりも高くなり、7.0mg/dLを超えた状態のことです。高尿酸血症を招く要因の1つに肥満があり、特に内臓脂肪が多いと高尿酸血症になりやすいことが分かっています。ここでは、高尿酸血症と肥満の関係、内臓脂肪が多いと尿酸値が高くなってしまう理由などについて解説します。
高尿酸血症と肥満の関係は深く、国内はもちろん海外でも多くの研究で強い関連性があることが明らかとなっています。肥満とは「脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態で、体格指数(BMI:BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m))以上のもの」とされています。
例)体重80kg、身長170cmの場合
80÷1.7÷1.7=27.68……(BMI25以上が肥満)
肥満との関係性を調査したある研究では高尿酸血症が原因で発症する痛風の相対危険度が、BMI 21~23 では1.4倍であるのに対し、BMI 30~35 では 3.26倍に増加することが報告されています。また、肥満の中でも“内臓脂肪型肥満”の場合は高尿酸血症になりやすいことや、体重を減らすと尿酸値も下がることも分かっています。
内臓脂肪型肥満とは、腸の周りの“腸管膜”などに脂肪が過剰に蓄積した状態のことです。内臓脂肪の蓄積は、高血糖、高血圧、脂質異常などさまざまな病気につながりますが、中でも高血糖を招く一因に“インスリン”が効きにくくなることがあります。インスリンは膵臓から分泌されるホルモンで、血糖値を一定に保つ一方で、尿酸の排泄を抑制するはたらきがあります。
内臓脂肪が蓄積するとインスリンのはたらきが低下し、膵臓は血糖値を下げるためにインスリンをたくさん分泌するようになります。このインスリンのはたらきが強くなることで尿酸が排泄されなくなり、高尿酸血症を招くのです。
肥満の方に高尿酸血症が多い原因の1つに過食が挙げられます。ほぼ全ての食品に含まれる“プリン体”は体内で分解される過程で尿酸となり、作られすぎると高尿酸血症となります。そのため、過食は体内にプリン体を多く取り入れることにつながり、結果的に尿酸が過剰に生産され高尿酸血症を招くと考えられています。
肥満の方が体重を3~5%減らすと、尿酸値が改善することが報告されています。たとえば、体重が80kgなら2.4kg から4.0kg程度の減量が目標になります。減量はあせらずに3~6か月かけて体重を減らすことが体調不良やリバウンドを防ぐコツです。ただし、患者さんによって具体的な減量目標は異なるので、医師や管理栄養士と相談しながら進めていくようにしましょう。
eHealth clinicでは、薬の処方や生活習慣におけるアドバイスを実施し、高尿酸血症や肥満の治療を行います。食事などにおいては管理栄養士が患者様一人ひとりの生活スタイルや普段の食事内容を丁寧にヒアリングし、無理なく続けられる食事をご提案します。詳細はスタッフまでお問い合わせください。
バランスのよい食事とは、炭水化物、たんぱく質、脂質、ミネラル、ビタミンを過不足なく摂取できる食事をとることが大切です。特に肥満がある方は摂取エネルギー量を見直し、暴飲暴食を控え、脂質や糖質に注意したメニューを意識しましょう。食事療法というと我慢する無理なダイエットをイメージするかもしれませんが、工夫次第では美味しく食べながら肥満改善を目指すことができます。1人で悩まずに、管理栄養士や医師の助けをかりてみるもの1つの方法です。
高尿酸血症の予防や改善に適しているのは“有酸素運動”です。これは、筋肉への負担が比較的軽く、酸素と一緒に体内の糖分や体脂肪が消費される運動のことで、ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなどが代表的です。
有酸素運動で糖分や体脂肪を効率的に消費するための基本は、息が弾む程度の強度で1日30分~60分程度行うことです。たとえば1日30分なら、10分間の運動を3回行うことでも同じ効果が得られます。
高尿酸血症と肥満との関係は、さまざまな研究で明らかになっています。特に注意したいのは内臓脂肪型肥満です。ウエスト周りが大きくなるため、“リンゴ型肥満”とも呼ばれます。また、肥満とされるのはBMI 25以上ですが、中にはBMI 25未満であっても内臓脂肪が蓄積している、いわゆる“隠れ肥満”の方もいます。尿酸値が気になる方、健康診断などで肥満を指摘された方は、ぜひ肥満の改善に取り組みましょう。そして、尿酸値や肥満についての疑問や不安は医師に相談しましょう。
eHealth clinicでは高尿酸血症や肥満の診療を行っています。高尿酸血症や肥満の原因について分かりやすく説明することを心がけており、治療については医師をはじめ看護師や管理栄養士、検査技師が一丸となってサポートします。ご不安な点などがあればいつでもご相談ください。
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