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健康診断
2022.08.24

がん検診

がん検診とは

がん検診とは、がんの疑いがあるのかどうかを調べる検査のことです。がんを早期発見し、適切な治療を行うことでがんによって死亡する人を減らすことを目的に行われます。中でも胃がん・肺がん・乳がん・子宮頸がん・大腸がんの5つのがんは、正しい方法で検診を行ってがんを早期に発見して治療を行うことで、死亡率が減少することがこれまでの研究によって証明されています。

検診の種類

がん検診には、主に住民検診などに代表される“対策型検診”と、人間ドックなどの“任意型検診”があります。

国が推奨する“対策型検診”

主に市区町村で行われる住民検診といった対策型検診は、対象集団全体の死亡率を下げることを目的としています。

対策型検診は公共的な予防対策という位置づけであり、国から補助金が出るため、無料もしくは少額の自己負担で受診可能です。基本的には市区町村から通知が届くので、詳しくはお住まいの地域に問い合わせをしましょう。

自分の健康のために受ける“任意型検診”

任意型検診は、個人が自分の死亡リスクを下げるために受けるものです。人間ドックがその代表例で、自分の目的や好みに合わせたオプションを選べるメリットがあります。

任意型検診では死亡率の減少効果の有無にかかわらず、個人レベルで必要と判断された検診方法がとられます。したがって、人間ドックなどの任意型検診では、対策型検診で推奨されている5つのがん以外の検診を受けることも可能です。たとえば、甲状腺がん、食道がん、前立腺がん、膵臓がんや肝細胞がんなどが挙げられます。受けられるがん検診の種類は病院によって異なりますが、対策型検診と比較すると受けられるがん検診の種類が多いことが特徴です。

費用に関しては、基本的に全額自己負担です。健康保険組合から補助金が出ることがありますが、対策型検診と比べると費用は高くなるといわれています。

がん検診を受けるべき人はこんな人

そもそもがん検診とはどんな人が受けるべきなのか、がん検診を受けるべき人の特徴をご紹介します。

がん検診受診の推奨年齢、検診間隔に該当する人

がん検診にはいくつか種類がありますが、国が受診を推奨するがん検診においては、受診の推奨年齢や検診間隔が設けられています。適切な推奨年齢や検診間隔でがん検診を受けることで、がんを早期に発見することにつながり、がんによる死亡率を下げることができます。数あるがん検診の中からどれを受けたらよいのか目安が分かりづらい人や、がん検診をどのくらいの頻度で受けてよいのか分からない人は、それぞれのがん検診の推奨年齢や検診間隔を参考にするとよいでしょう。

がんの症状がまだない健常者

がん検診の対象者は、がんの症状がない健常者です。すでにがんの症状がある人はがん検診の対象にはならず、ただちに医療機関への受診が必要となります。がんは初期のうちは症状がなく、痛みや出血を伴うなど、ある程度進行するまで自覚症状がないケースもあります。したがって、がん検診の対象となっている健常者の人こそ、がん検診を受けることが大切だと考えられます。

がん検診のメリット・デメリット

メリット

メリットとしては以下が挙げられます。

  • がんの早期発見と早期治療がのぞめる
  • 早期治療によって死亡リスクが低下する
  • 早期発見により、身体的、精神的、経済的負担が軽減される

まだ進行していないがんをいち早く発見し、適切な治療を迅速に行うことで、死亡率を下げることこそががん検診の目的でもあります。

デメリット

一方でデメリットに関しては以下が挙げられます。

  • 偽陰性の可能性がある
  • 偽陽性、過剰診断の可能性がある
  • 検査によって偶発症が起こる可能性がある

がん検診を受けたからといって、100%の確率でがんを見つけられるわけではなく、偽陰性となることもあります。一方で、偽陽性や過剰診断の可能性もあります。過剰診断とは、命に関わらないがんを見つけることです。不必要な検査や治療による不利益を被るリスクがあります。また、内視鏡検査で胃に穴が開く、といった検査の際の偶発症のリスクもあります。

国で推奨するがん検診

国が推奨するがん検診の方法は、以下の5つです。がん検診の受診をおすすめする対象年齢や検診間隔などがそれぞれ設けられています。

胃がん検診

胃がんは胃にできるがんで、50歳代を超えてから胃がんになる人が多く、大腸がんに次いで日本人が多くかかるがんです。

  • 対象者:男女ともに50歳以上
  • 検診間隔:2年に1回
  • 検査内容:胃X線検査もしくは胃内視鏡検査

胃X線検査とはバリウムを飲んで胃の粘膜を観察する検査で、胃内視鏡検査とは、胃カメラで胃の内部を調べる検査です。

子宮頸がん

子宮頸がんは子宮の入り口にできるがんで、39歳以下の女性の罹患も珍しくないがんです。したがって、対象年齢にも定められているとおり、20歳代以降の女性に受診がすすめられているがん検診です。

  • 対象者:20歳以上の女性
  • 検診間隔:2年に1回
  • 検査内容:細胞診

子宮頸がん細胞診では、医師が子宮頸部(子宮の入り口)から専用のヘラやブラシなどで細胞をこすり取り、顕微鏡を用いて異常な細胞がないかを調べます。

肺がん

肺がんとは肺細胞にできるがんのことで、がんの中でも死亡数は第1位です。

肺がんの最大の原因としてはたばこが知られていますが、喫煙以外のことが原因となるケースもあります。

  • 対象者:喫煙の有無にかかわらず男女ともに40歳以上
  • 検診間隔:1年に1回
  • 検査内容:胸部X線検査もしくは喀痰(かくたん)細胞診

胸部X線検査は、胸のX線撮影でがんを見つける検査です。また喀痰細胞診は痰の検査であり、痰に含まれる細胞を調べます。

「肺がん検診」について詳しく見る

乳がん

乳がんとは、乳にできるがんのことで、日本人女性がかかりやすいがんです。一方早期発見によって治りやすいことで知られています。

  • 対象者:40歳以上の女性
  • 検診間隔:2年に1回
  • 検査内容:マンモグラフィ

マンモグラフィとは乳房専用のX線検査のことで、しこりになる前の石灰化した小さな乳がんを発見するための検査です。

「乳がん検診におけるマンモグラフィ」について詳しく見る

大腸がん

大腸がんとは大腸にできるがんのことで、生活習慣が関係して発症すると考えられています。また、がんの中でも罹患数が1番多いことで知られています。

  • 対象者:男女ともに40歳以上
  • 検診間隔:1年に1回
  • 検査内容:便潜血検査

便潜血検査とは、検便をして便に潜む血液の有無を調べる検査です。大腸にがんやポリープがあると、便が腸内を移動する際に便と組織が擦れて血液が付着します。便潜血検査では便に血が混じっているかどうかを調べ、がんの可能性を調べます。

がん検診の結果の見方

がん検診後は、「がんの疑いなし(精密検査不要)」か「がんの疑いあり(要精密検査)」のどちらかで結果が通知されることが一般的です。精密検査が不要の場合、次回のがん検診まで健康に努めましょう。一方で、精密検査が必要と判定された場合は、自己判断せずに必ず精密検査を受けるようにしてください。より詳しい検査によって本当にがんがあるかを調べる必要があります。「要精密検査=がん」というわけではなく、精密検査の後、正式にがんであると診断された場合には、その後でがんの治療が始まります。

がん検診の注意点

がん検診では、検査前に準備することなどがあります。食事制限や自宅での検体採取が必要となることがあるため、詳しくは検診を受ける医療機関に確認するようにしましょう。

注意が必要な人

症状がある人

がん検診はがんの早期発見および早期治療による死亡率の減少を目指したものであり、健常者が対象となっています。したがって、すでにがんの症状があるような場合には、検診ではなく、医療機関の受診を検討する必要があります。

生理中の人

子宮頸がん検診は、生理中の受診は避けてください。検査結果が正確に出ないことがあります。また、子宮頸がん検診を受けた後に要精密検査の結果が出たとして、再検査が必要となった場合においても同様です。正しい検査結果を得るためにも生理中の子宮頸がん検診は避けたほうがよいでしょう。

痛み

検診によっては痛みや不快感がある場合もあります。たとえば、乳がん検診で行われるマンモグラフィでは乳房を板のような装置で乳房を挟むため、痛みを感じることがあります。

まだがん検診を受けたことのない人こそ受診を

がん検診は、がんの症状のない人が対象であると述べてきました。がん検診を定期的に受けることで早期発見できる確率が上がり、万が一がんが発見されたとしても早期治療がのぞめます。そういった点からも、まだがん検診を受けたことのない健康な人こそがん検診を受ける価値があると言えます。

eHealth clinicでは早期発見のための人間ドックプランを実施しています。ベーシックな人間ドックプラン(税込22,000円)には、基本的な身体測定や血液測定、心電図検査、視力聴力検査、尿検査などに加えて、胃がん検診(バリウムorABC検査)が含まれています。さらに、人間ドックプレミアムプラン(税込30,000円)では、バリウムもしくはABC検査に加えて、腫瘍マーカーによる胃がん検診と大腸がん検診も含まれています。また、女性向けのレディースドックプランのご用意もあり、ベーシックなレディースドックプラン(税込35,000円)では子宮頸がん検診が、プレミアムレディースドックプラン(税込40,000円)では、子宮頸がん検診と乳がん検診を受けることができます。

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