こんにちは、イーヘルスクリニック新宿院の天野です。今回は、「IgA腎症」について詳しく解説します。この病気は腎臓に関わる疾患の中でも比較的よく見られるものですが、早期発見と適切な対処が重要です。それでは、原因や症状、放置した場合のリスクまで、詳しく見ていきましょう。
IgA腎症は、腎臓の中にある糸球体(しきゅうたい)という部分に炎症を引き起こす病気です。糸球体は、血液から老廃物をろ過し尿を作る重要な役割を担っています。この炎症は、IgA(免疫グロブリンA)という免疫物質の異常によって引き起こされます。
通常、IgAは体内で細菌やウイルスに対抗する役割を果たしますが、IgA腎症では異常なIgAが腎臓の糸球体に沈着し、炎症を引き起こします。この慢性的な炎症が進行すると、腎臓の機能が徐々に低下してしまうのです。
IgA腎症は初期段階では無症状であることがほとんどです。そのため、健康診断で指摘されるまで気づかないケースが多いです。しかし、以下の症状が現れることがあります:
✅ 血尿:尿がコーラ色や茶色っぽくなる場合があります。
✅ 蛋白尿:尿にタンパク質が混ざることで、健診の尿検査で指摘されることが多いです。
症状が現れた場合は、病気が進行している可能性がありますので、早めの受診が必要です。
IgA腎症を放置すると、次のようなリスクが高まります:
1️⃣ 腎機能の低下
炎症が続くと、腎臓のろ過機能が徐々に失われ、慢性腎不全に進行することがあります。
2️⃣ 末期腎不全
さらに進行すると、腎臓がほとんど機能しなくなり、透析治療や腎移植が必要になることもあります。
3️⃣ むくみや高血圧
腎臓の機能低下に伴い、体内の水分バランスが崩れ、むくみや高血圧を引き起こすことがあります。
IgA腎症は早期に発見し、適切な治療を行うことで進行を抑えることが可能です。次の点に注意しましょう:
IgA腎症は「静かに進行する腎臓病」とも呼ばれ、症状に気づきにくい病気です。しかし、定期的な健康診断で早期に発見し、適切な治療を受けることで、腎臓を守ることができます。
当クリニックでは、尿検査や血液検査を通じた腎臓病の早期発見に力を入れています。少しでも気になることがあれば、ぜひご相談ください。
健康な腎臓を守るために、定期的な検査と生活習慣の改善を一緒に取り組みましょう!
健康診断でクレアチンが高い、尿蛋白や血尿が陽性の場合は、当院の腎臓内科を受診してください。基礎疾患や腎機能のリスク因子を検査し、最適な治療プランを提案します。治療オプションは理解しやすく説明し、患者様の了承を得た上で治療方針を共に決定します。当クリニックには管理栄養士もおり、食事に関する専門的なアドバイスも受けられます。健康な未来への一歩を踏み出すお手伝いをさせていただきます。
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記事作成:天野 方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2016年より帝京大学大学院公衆衛生学研究科に入学し、2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2022年4月東京都新宿区に「イーヘルスクリニック新宿院」を開院。複数企業の嘱託産業医としても勤務中。
日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。