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コラム
2025.03.08

慢性腎臓病(CKD)のリスクと予防法|世界腎臓デーに学ぶ腎臓ケア

世界腎臓デー(World Kidney Day)とは?

世界腎臓デー(World Kidney Day)は、毎年3月の第2木曜日に実施される国際的な記念日です。この日は、慢性腎臓病(CKD)の早期発見と予防の重要性を広めることを目的としています。

この取り組みは、国際腎臓学会(ISN)腎臓財団国際連合(IFKF)によって始められ、現在では世界各国でイベントやキャンペーンが開催されています。CKDの認知を高めるための活動が行われており、腎臓の健康維持や予防策についての情報発信が強化されています。


慢性腎臓病(CKD)の現状とリスク

慢性腎臓病(CKD)は、腎機能が徐々に低下する進行性の病気です。日本では約1,480万人がCKDを患っており、20歳以上の約7人に1人が該当するとされています。

CKDの主な特徴

  • 初期症状がほとんどないため、多くの人が気づかないうちに進行。
  • 進行すると末期腎不全心疾患・脳卒中のリスクが上昇。
  • 早期発見と適切な対応が不可欠

CKDの進行を防ぐためには、定期的な健康診断生活習慣の見直しが重要です。


腎機能の改善と食事療法の重要性

腎機能は年齢とともに低下しますが、食事や生活習慣を見直すことで進行を抑制できます。

腎機能低下を抑える食事療法のポイント

避けるべき食品

  • 赤身肉(牛肉・豚肉)
  • 加工肉類(ハム・ソーセージ)
  • 塩分の多い食品(漬物・インスタント食品)
  • 砂糖を多く含む飲料(ジュース・清涼飲料水)

積極的に摂りたい食品

  • 新鮮な野菜・果物
  • ナッツ・豆類(アーモンド・大豆)
  • 全粒粉製品(玄米・全粒パン)
  • 脂肪分の少ない魚類
  • 低脂肪乳製品(豆腐・ヨーグルト・納豆)

バランスの取れた食事を心がけることで、腎臓への負担を減らし、健康を維持できます。


腎機能低下を防ぐ最新治療法

近年、医学の進歩により新たな治療法が登場し、腎機能の低下を抑える選択肢が増えています。

注目の治療薬

1. SGLT2阻害薬

  • 糖尿病の有無にかかわらず腎臓病の進行を抑制
  • 代表的な薬剤:「ダパグリフロジン
  • 腎臓保護効果、尿タンパクの抑制、心血管疾患リスクの低減にも貢献。

2. ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬

  • 高血圧治療薬として知られるが、CKDの進行抑制にも有効
  • 特に2型糖尿病を併発したCKD患者に効果的

最新の治療法については、医師と相談のうえ適切な治療を選択することが大切です。


適正体重の維持が腎臓を守るカギ

腎臓の健康を維持するためには、

  • 食事療法の実践
  • 適度な運動
  • 適正体重の維持 が重要です。

健康的な生活習慣を早期に取り入れることで、CKDのリスクを減少させることができます。

まとめ

世界腎臓デーを機に、腎臓の健康について考え、生活習慣を見直してみましょう。早めの対策が、将来の健康維持につながります。

 

イーヘルスクリニック新宿院の腎臓内科

健康診断でクレアチンが高い、尿蛋白や血尿が陽性の場合は、当院の腎臓内科を受診してください。基礎疾患や腎機能のリスク因子を検査し、最適な治療プランを提案します。治療オプションは理解しやすく説明し、患者様の了承を得た上で治療方針を共に決定します。当クリニックにでは、食事に関する専門的なアドバイスも受けられます。健康な未来への一歩を踏み出すお手伝いをさせていただきます。

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記事作成:天野 方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2016年より帝京大学大学院公衆衛生学研究科に入学し、2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2022年4月東京都新宿区に「イーヘルスクリニック新宿院」を開院。複数企業の嘱託産業医としても勤務中。
日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。

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