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2022.08.31

学習障害

学習障害とは

学習障害(LD)とは、読み書きや計算に関する学習において大きな困難がみられる発達障害の1つです。理解する力などには遅れはみられないと定義されています。学習障害には3つのタイプがあり、文字を読むことに障害があるタイプ、書くことに障害があるタイプ、計算などの算数に障害があるタイプに分類されます。

学習障害など発達障害は生まれつきの特性で、大人になってから突然発症するわけではありません。しかし、その特徴が軽度な場合は、年齢を重ねるごとに求められることが高度になり、それに伴って学習障害の特徴が目立つようになることがきっかけで診断されることもあります。また、発達障害によって社会や人にうまく馴染めなかったりすると、二次障害としてうつ病を発症してしまうこともあります。

繰り返しとなりますが発達障害は生まれつきの特性です。そのため、治すということではなく、その特性に合わせて“日常生活を送りやすくする”ということを目指します。うつ病などを併発している場合は、抗うつ薬などを用いた薬物療法が検討されることもあります。

学習障害の特徴

学習障害の場合は、以下のような特徴がみられることがあります。

  • 文字を正確に認識できない
  • 文字を声に変換することができない
  • 本などを読むことが難しい
  • 文字を正しく書くことが難しい
  • 文字を写せない
  • 文字を思い出すのに時間がかかる
  • 簡単な数字や計算が理解できない
  • 図形・グラフなどを理解できない など

考えられる原因

原因としては、中枢神経系(全身に指令を送る中心的なはたらきをする神経)に何らかの機能障害があることが考えられていますが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害といった障害や、環境的な要因が直接的な原因となって発症するわけではありません。

事業者側の対策のポイント

学習障害がある従業員に適切に対応するには、事業者側がそれに応じた対策を積極的に推進することも大切です。そのためには、上司などが不調に気付く体制を整えることが求められます。事業者側の対策としては、不調を未然に防ぐための1次予防、早期発見のための2次予防、職場復帰支援のための3次予防における対策があります。

1次予防

メンタルヘルスなど病気の予防や、よりよい健康状態を目指すことで、病気の原因を取り除いたり、リスクの低下を図ったりすることです。具体的には、事業者がメンタルヘルスケアに関する教育研修や情報提供、セルフケアを行なったり、ストレスチェック制度を活用して職場環境などの把握・改善に努めたりすることが挙げられます。

*ストレスチェック:従業員のストレス度合いを調べること

2次予防

すでに健康に問題が発生しているときに、より早く発見や治療を行うことで、病気の重症化を予防することです。具体的には、検診を行うなどで病気を早く発見し、治療や保健指導などに促すことが挙げられます。

3次予防

すでに病気の診断をされた後に、リハビリや再発予防の対策をすることで、社会に復帰できるような状態までの回復につなげて、それを維持することです。学習障害と診断された従業員に対しては、その特性に合わせた援助ができるサポート体制を構築することと、職場での発達障害への理解が大切とされています。上司や産業医などとも連携し、より働きやすい職場環境を目指して改善することが求められます。

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