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2022.09.08

産業医

産業医とは

産業医とは、働く人が健康に就労できるように指導や助言を行う医師のことです。主治医が主にクリニックや病院などで患者個人を診るのに対し、産業医は企業などで従業員や事業者にアドバイスをします。産業医と主治医は主に活動場所や対象者、職務内容が異なります。

産業医の重要性

現在日本では、健康診断で何らかの異常が認められた方の割合が年々増加しているほか、高度情報化やグローバル化などによる労働環境の変化によってストレスを感じ、メンタルヘルス不調*などで休職する人も増えてきています。このように、今働く人の健康に関する問題は悪化しており、事業者側は従業員が健康で安心して働ける職場づくりを行うことが求められています。これには、事業者のほか産業医や人事労務担当者など他職種の方がチームとなって取り組むことが必要だとされています。

事業者側には、常時50名以上の従業員を使用する場合は、14日以内に産業医を選任することが法律上で定められています。従業員が50名未満の場合は産業医を選任する義務はありませんが、医師から健康に関する指導を受けたり、相談ができたりするようにする努力義務があります。

*メンタルヘルス不調:従業員の心身の健康や社会生活または生活の質に影響する可能性があるような問題のこと

産業医に期待できること

産業医を選任することで、従業員の健康を保ち、活力のある職場づくりに大きく役立つと考えられています。また、従業員と事業者の双方によい効果が期待できます。

産業医に期待できることとして、主に以下があります。

  • 従業員の健康管理の手助けをしてくれます
  • 従業員の安全や健康を守るための教育(衛生教育)などを通じて職場の健康に対する意識がアップします
  • 職場における作業環境の改善などについてアドバイスが受けられます
  • 不要な採用コストの削減が期待できます(従業員の健康障害を防ぐことで休職者や離職者を減らすことができるため)
  • 企業の生産性アップにつながります

産業医の役割

産業医にはさまざまな役割がありますが、ここでは主な役割について紹介します。

定期的に労働環境の改善・維持のためにアドバイスを行う

産業医は、少なくとも毎月1回は職場巡視をすることが定められています。ただし、事業所と衛生委員会からの承認があり、企業から産業医へ所定の情報を共有する場合は、2か月に1回にすることが可能です。

職場巡視は、作業方法や衛生状態に有害なものがないかを確認し、問題があれば改善することを目的としています。

従業員の健康診断結果のチェックとフォロー

企業では通常、従業員に対して毎年1回の健康診断を行うことが義務付けられています。この健康診断から、産業医が一人ひとりの結果判定を行います。

判定の結果に応じて産業医が対象となる従業員と面談をして、健康指導をしたり、受診を促したり、病院を紹介したりすることもあります。また、勤務に制限が必要な場合には、労働時間の短縮や作業内容・就業場所の変更などを提案します。

従業員へのストレスチェック、保健指導

従業員が50名以上いる事業所では、年に1回のストレスチェックが義務付けられています。ストレスチェックとは、従業員自身が自分のストレス状態を認識して対応することや、職場の環境を改善することで、従業員がメンタルヘルス不調になるのを未然に防ぐことを目的としています。

ストレスチェックは調査票を用いて実施されますが、結果は従業員本人にのみ通知されます。この結果により、医師が高ストレス者と認め、従業員が面談を申し出た場合には、医師との面談を実施し、保健指導を行います。

ストレスチェックについて詳しくはこちら

休職・復職前の面談

産業医は休職を検討する従業員や休職後に復職を検討する従業員との面談も実施します。休職を検討する従業員に対しては、診断書や本人の状況などを元に休職措置がどの程度の期間で必要であるかどうか、今後どのように企業と関わっていくかなどを相談します。また休職中も定期的に面談を実施し、従業員の容態や現在の生活リズム、復職への意志などを確認し、必要に応じて“試し出社”の提案や健康管理の指導を行うことがあります。

従業員の体調がある程度安定し、復職を考えるようになった場合には、復職判定面談を実施します。本人の意志や体の状態、再び悪化しないための環境整備なども踏まえて話し合い、産業医が第三者として復職の判断に介入します。実際に復職した後も、しばらくは定期的なフォロー面談を行い、再休職や離職を未然に防ぐ工夫を行います。

事業所と産業医が連携した健康経営の実施

健康経営とは、企業が従業員の健康管理に目を向け、戦略的に経営を行うことをいいます。企業が従業員の健康維持、健康促進に取り組むことによって、企業自体の組織の活性化や生産性の向上、企業価値の向上などが期待できると考えられています。近年は経済産業省より“健康経営優良法人認定制度”も設立され、優良な健康経営に取り組んでいる企業が社会的にも評価されるようになってきています。

健康経営を目指す企業では健康経営を経営理念の中で明文化し、協会けんぽや産業医などのサポートを受けながら、従業員の健康管理を行っていきます。ここでの産業医の役割は企業によっても異なりますが、主に従業員との面談や健康に関する講習会、予防接種の実施などが挙げられます。

仕事と治療を両立するための支援

病気の治療をしながら就労を続ける方が増えてきた昨今では、仕事と治療の両立のサポートも産業医の重要な役目の1つです。両立支援は患者(従業員)本人から希望された場合に行われ、主治医からの病状などの意見書をもとに産業医が従業員の意思や企業の実情を加味して具体的な支援内容を検討します。

たとえば、仕事と治療の両立においては従業員本人や事業者ではうまく判断できないことや、従業員の判断では無理をしてしまいがちなことも少なくありません。そこで産業医が適宜面談を行いながら、従業員本人や事業者へ適切な配慮などのアドバイスを行います。

産業医を探すときのポイント

産業医を探す方法はいくつかあり、各都道府県の自治体の医師会や近隣の医療機関、検診を依頼している医療機関に相談したり、誰かに産業医を紹介してもらったりするなどの方法があります。

産業医を探すときは、次のポイントを見ておくとよいでしょう。

  • 産業医が対応できる範囲を明確にしておく
  • 相場を確認する
  • 産業医の経験を確認する
  • 会社のニーズとのマッチ

働く世代の方は体調不良を感じても、つい忙しくて受診や通院を後回しにしてしまうことも少なくありません。また、従業員が50名未満の企業も、産業医を選任する義務がないからといって従業員の健康を放置してもよいというわけではありません。このような問題の解決には、時代に合わせた医療サービスを活用するのも1つの方法です。

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