リベルサス
高尿酸血症とは、血液中の尿酸が基準よりも高い状態のことをいいます。
尿酸とは、食品中のプリン体が分解されてできた老廃物のことです。尿酸が高いだけでは自覚症状はありませんが、進行すると結晶となった尿酸が関節や足先などにたまり、激痛が生じる“痛風発作”を引き起こす可能性があります。このような高尿酸血症や痛風は男性に多い病気です。
本記事では、高尿酸血症の原因について解説します。
高尿酸血症の主な原因は生活習慣の乱れだといわれ、特に食生活が大きく関わっていると考えられています。
具体的な原因は尿酸が増える仕組みによって異なり、(1)尿酸が異常に作られてしまう“尿酸生産過剰型”(2)尿酸の排出がうまくいかなくなる“尿酸排出低下型”(3)両方の原因が混合した“混合型”に分けて考えられています。
尿酸が多く作られる原因には、プリン体を多く含む食品の過剰摂取や飲酒(アルコールの摂取)、激しい運動などが挙げられます。前述のとおり、尿酸はプリン体が分解されてできた老廃物であるため、プリン体を多く含むレバーや白子、肉などの食品を過剰に取り入れることが高尿酸血症の原因になることがあります。
なお飲酒は、プリン体が含まれているか否かに関係なく、代謝の過程で尿酸が多く作られてしまいます。近年はアルコール類に“プリン体ゼロ”などと記載されていることもありますが、プリン体を含んでいなくてもアルコールを含んでいれば尿酸値を上げるはたらきがあることを理解しておきましょう。
また、激しい運動はエネルギーが消耗されプリン体が多く作られてしまうほか、汗をかくことによって水分が失われると、血液が濃くなり尿酸が溶けにくくなるため痛風が起こりやすくなると考えられています。
高カロリー食や運動不足が招く肥満は尿酸の体外への排泄を妨げるため、体内に尿酸がたまりやすくなります。また飲酒は、腎臓の機能を低下させることで尿酸の排泄を邪魔し、尿酸を増やす原因になることがあります。
以下では、高尿酸血症を改善、予防するための工夫をご紹介します。
食事の工夫では、高脂肪・高カロリー食を制限して肥満を解消したり、尿酸を生み出すプリン体を制限したりすることなどが大切です。
プリン体を多く含む食材には、あん肝、レバー、モツといった動物の内臓などの動物性食品が挙げられます。このような食品を控える必要がありますが、厳しい制限は続きません。そのため、タンパク質食品全般的に食べすぎないように注意しましょう。
また、特にプリン体を多く含む内臓などの食品は制限するほか、プリン体は水に溶ける性質があるため、肉汁などは残すようにすることから始めるとよいでしょう。
油の多い食品はエネルギーが高く、肥満を招きます。そのため、できるだけ控えましょう。
また、肥満の改善には1日のエネルギー量を見直すことも大切です。一般的には、標準体重(=身長(m)× 身長(m)× 22 )を求め、身体活動量に応じたエネルギー量を摂取するようにしましょう。
体内の尿酸の排泄を促進するために、野菜、果物、いも類などのアルカリ性食品を十分に取りましょう。野菜類をしっかり取ることで尿がアルカリ性に傾き、尿酸が体外に排泄されやすくなります。
ビールにはプリン体が多く、特に制限しないといけないといったイメージを持っている方が多いかと思います。しかし、ビールだけではなく、お酒全般に尿酸を上げるはたらきがあるため、どんなお酒であっても取り過ぎはよくありません。
1日に取る飲酒量の目安は以下のとおりです(いずれかに抑えましょう)。
水分を十分に取る(2L以上)ことで尿量が増え、尿酸の排泄を促します。しかし、甘い飲み物は尿酸値を上昇させるので、水分補給は水かお茶で行いましょう。
運動習慣によって肥満を防ぐことで、尿酸を体外へ排出しやすくなります。ウォーキングやジョギングなどの軽い有酸素運動を継続しましょう。
ただし、過度な運動や無酸素性運動(短距離走など)を行うと、尿酸が産生されやすくなり、尿酸値が上昇してしまいます。尿酸が高い方は、ウォーキング程度の軽い有酸素性運動を無理しない程度に継続することがすすめられます。
高尿酸血症の原因は、主に生活習慣の乱れだといわれています。高尿酸血症を進行させないためには特に食生活の改善が重要で、レバーや肉などの動物性食品やビールなどのアルコールの摂取を控えることが大切です。
高尿酸血症の原因や予防法などについて気になることがあれば、医師や看護師、管理栄養士などに相談しましょう。