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高血圧(医学的には高血圧症)とは、一度だけでなく繰り返し計測しても血圧が高い状態をいいます。最高血圧が140mmHg以上、もしくは最低血圧が90mmHg以上であれば、高血圧と診断されます。高血圧は主に本態性高血圧症と二次性高血圧に分けられ、原因は種類によって異なります。
この記事では、高血圧の種類別の原因について詳しく解説していきます。
本態性高血圧症とは原因の分からない高血圧のことで、高血圧症の約9割がこれに当てはまります。遺伝的な要素や生活習慣などが関係すると考えられており、生活習慣病ともいわれています。
ここでは、本態性高血圧症の原因として考えられているものについて詳しく解説していきます。
食塩を過剰に摂取することで血液中のナトリウム濃度が上昇します。すると喉が渇いてきて水分を摂取しますが、水分を取ることで血管を通る血液量が増えるため、血圧が高くなります。
つまり、過剰な塩分摂取によって、体がナトリウムと水分のバランスを調節するために血液の量が増えて高血圧につながるということです。食塩の摂取量は1日6g未満が目安とされています。
野菜や果物、きのこ類、海藻類、芋類にはカリウムや食物繊維が含まれています。カリウムには腎臓でナトリウムの再吸収を抑え、尿として排泄することを促進するはたらきがあるため、血圧を下げる効果が期待できます。
そのため、野菜や果物などを摂取しないとカリウムなどの栄養素が不足し、高血圧につながることがあります。
心臓は体中に血液を巡らせるため、強い圧力で血液を送っています。
肥満体型の場合は体が大きいため、より強い圧力が必要になるために血圧が高くなると考えられてきました。しかし最近では、単純に体が大きいから高血圧になるわけではなく、動脈硬化を引き起こしたり、血圧を上げたりする物質を作り出している内臓脂肪が多いため、高血圧になりやすいと考えられるようになっています。
飲酒量と高血圧のリスクは比例するといわれています。高血圧と飲酒のメカニズムについてはいまだ分かっていないこともありますが、神経・内分泌系を介した作用や、マグネシウム濃度の低下といった電解質異常が関係しているといわれています。
一方で、少量の飲酒は健康にとってよいこともあるため、飲む場合は適量を心がけるとよいでしょう。
ストレスがあると自律神経の1つである交感神経が刺激され、血管が収縮することで血圧が上がるとされています。そのため、ストレスをためないように規則正しい生活や十分な休養を取るとよいでしょう。
慢性的な運動不足は血行不良を引き起こし、全身に血液を送るために高い圧力が必要になるため、高血圧につながるとされています。
かといって、激しい運動をすると心臓から出ていく血液の量が増え、血圧が高くなるため注意しましょう。
一方で、適度な運動をした場合は心臓から出ていく血液の量は増えるものの、血管自体が広がるので血圧はあまり上がりません。むしろ、適度な運動を習慣化することで、血圧を下げるホルモンの増加、肥満解消といったメリットがあるため、高血圧の予防や改善のためには適度な運動がよいとされています。また、無酸素運動よりも有酸素運動が好ましいとされています。
ただし、重度な高血圧の方や、そのほかの合併症を抱えている方は運動の内容を医師に相談するようにしましょう。
喫煙自体が高血圧症の発症やその悪化につながるという明らかな因果関係はありません。しかし、喫煙をすると血圧は急上昇し、継続的な喫煙習慣が慢性的な血圧の上昇につながる可能性があるとされています。
本態性高血圧症とは違い、血圧上昇の原因が特定できる高血圧のことを二次性高血圧といいます。二次性高血圧は高血圧全体の1割以上を占めており、腎臓に関わる病気や甲状腺機能低下症やアルドステロン症などの内分泌に関わる病気、睡眠時無呼吸症候群などが原因になるといわれています。
そのほかにも以下のような薬が原因になることもあります。
二次性高血圧の場合、原因を特定し適切な治療を行うことで治癒が期待できるという特徴があります。
高血圧には、原因が特定できない本態性高血圧と、病気や薬といった原因が特定できる二次性高血圧があります。前者の場合はさまざまな生活習慣が原因として考えられます。
いずれにしても、高血圧の可能性がある場合は早めに受診を検討するとよいでしょう。高血圧の原因を探り、医師の指導の下、適切なセルフケアや治療を受けることが大切です。
eHealth clinicではそれぞれの患者さんに合った治療を検討します。治療法については分かりやすく説明し、ご納得いただいたうえで治療方針を決めていきます。管理栄養士も在籍するため、食生活のアドバイスを受けることも可能です。