希望するご予約を
お選びください

×閉じる
コラム
2025.06.04

寝室の光が肥満を招く?夜間光の健康リスクと対策を医師が徹底解説

【医師が解説】寝室の夜間光が肥満を増やす?隠れた健康リスクと今日からできる対策

「ぐっすり眠ったはずなのに、なんだか疲れが取れない…」
「健康的な生活を心がけているのに、体重が増えやすい…」

もしかしたら、その原因は「寝室の光」にあるかもしれません。近年、私たちが眠っている間に浴びるわずかな光(夜間光)が、肥満のリスクを高める可能性が指摘されています。それだけでなく、高血圧や糖尿病といった生活習慣病にも繋がることがわかってきました。

今回は、最新の研究報告1 を交えながら、夜間光の健康への影響と、今日からすぐに実践できる対策について詳しく解説します。

「夜間光」とは? あなたの寝室にも潜む意外な光

夜間光とは、文字通り「夜間に浴びる光」のことですが、特に問題となるのは睡眠中に持続的に感じる光です。具体的には、以下のようなものが挙げられます。

  • 豆電球や常夜灯
  • テレビやパソコン、スマートフォンの電源ランプや充電中のLEDライト
  • カーテンの隙間から漏れ入る街灯や看板の光
  • デジタル時計の表示光

「これくらいなら大丈夫だろう」と思っているわずかな光でも、私たちの体は敏感に感知し、知らず知らずのうちに影響を受けている可能性があるのです。

最新研究が示す!夜間光の驚くべき健康リスク

最近発表されたある研究1 によると、睡眠中に夜間光にさらされている人は、そうでない人と比較して、以下のような健康リスクが高まることが示されました。

  • 過体重・肥満になるリスク: +19%
  • 高血圧になるリスク: +86%
  • 糖尿病になるリスク: +21%

これらの数値は衝撃的であり、睡眠環境がいかに私たちの健康状態に直結しているかを示しています。特に高血圧のリスクが大幅に上昇している点は見過ごせません。

なぜ光が問題なの? 「体内時計」の乱れが引き金に

では、なぜ夜間の光がこれほどまでに健康に悪影響を及ぼすのでしょうか?その鍵を握るのが、私たちの体に備わっている「体内時計(サーカディアンリズム)」です。

  • 体内時計とは?
    私たちの体は、約24時間周期のリズムに従って、睡眠と覚醒、ホルモン分泌、体温調節などを行っています。この生命活動のリズムを刻んでいるのが体内時計です。
  • 光の役割
    体内時計は、主に「光」によって調整されます。朝の光を浴びることで体内時計がリセットされ、活動モードに切り替わります。逆に、夜暗くなると睡眠ホルモンである「メラトニン」の分泌が促され、体を休息モードへと導きます。
  • 夜間光による悪影響
    睡眠中に光を浴び続けると、脳は「まだ昼間だ」と錯覚しやすくなります。これにより、メラトニンの分泌が抑制されたり、体内時計そのものが乱れたりします。その結果、睡眠の質の低下はもちろん、自律神経のバランスが崩れ、代謝やホルモン分泌にも異常が生じ、肥満や高血圧、糖尿病といった生活習慣病のリスク上昇に繋がると考えられています。

今日からできる!夜間光から体を守るための具体的な対策

しかし、悲観する必要はありません。適切な対策を講じることで、夜間光のリスクは大幅に減らすことができます。今日からすぐに取り組める対策をご紹介します。

  1. 寝室は「完全消灯」を基本に!
    豆電球や常夜灯も、できる限り消灯しましょう。真っ暗闇に不安を感じる場合は、フットライトなど足元を照らす間接照明を一時的に使用し、眠りについたら消えるタイマー付きのものなどを検討しましょう。
    テレビやスマートフォン、パソコンなどの電子機器は、就寝前には電源を切るか、LEDランプが光らないように工夫しましょう(シールで覆うなど)。
  2. 「遮光カーテン」で外光をシャットアウト!
    窓から差し込む街灯やネオンの光は、思った以上に強力です。遮光性の高いカーテン(1級遮光など)を利用し、カーテンの隙間からも光が漏れないように工夫しましょう。
    カーテンレールの上部や側面からの光漏れもチェックし、必要であれば対策を講じましょう。
  3. 「アイマスク」も有効なアイテム!
    完全に光を遮断するのが難しい環境の場合や、旅行先などでは、アイマスクが手軽で効果的な対策となります。自分に合ったフィット感の良いものを選びましょう。
  4. 就寝前のスマホ・PC操作は控えめに
    直接的な夜間光ではありませんが、就寝前にスマートフォンやパソコンの明るい画面を見ることも、メラトニンの分泌を抑制し、睡眠の質を低下させます。就寝1〜2時間前からは、これらの機器の使用を控えるのが理想です。

質の高い睡眠で、健康な毎日を

夜間の光環境を見直すことは、単に「よく眠れる」というだけでなく、将来の生活習慣病リスクを低減するための重要なステップです。小さな工夫が、あなたの体内時計を守り、日々の健康維持に繋がります。

もし、睡眠に関する悩みや、生活習慣病に関する不安がある場合は、抱え込まずに当クリニックにご相談ください。医師が詳しくお話を伺い、適切なアドバイスをさせていただきます。


 

イーヘルスクリニック新宿院での対応

当院では、GLP-1受容体作動薬(例:マンジャロ、リベルサスなど)を使用した肥満治療に加え、以下のようなトータルサポートを提供しています:

  • 医師による安全な処方と経過観察
  • 管理栄養士による食事・栄養指導
  • 定期的な血液検査による副作用チェック

単なる「体重を落とす」だけでなく、健康的に痩せて、リバウンドしにくい体を作ることを目的としたメディカルダイエットをサポートします。

 

受付

イーヘルスクリニック新宿院の特徴は?

一般的な肥満外来(医療ダイエット外来)では、健康状態のヒアリングが不十分で、薬の処方が中心になっていることが多いのが現状です。しかし、イーヘルスクリニック新宿院の肥満外来(医療ダイエット外来)では、単に体重減量を目指すだけでなく、肥満によって引き起こされる健康問題の早期発見と治療にも重点を置いています。 当院の治療方針は”薬物療法”と”食事・栄養への介入”の2本柱で行っています。 診療は土日祝日も対応しており、24時間365日診療予約がネットから可能です。忙しい方でも受診しやすい体制を整えていますので、お困りごとがありましたらお気軽にご相談ください

 

▼【来院】のご予約はこちら▼

 

▼参考記事

マンジャロの減量効果について
健康的に痩せる断食(ファスティング)ダイエット
肥満と食事の関係~痩せたいときに食べるといいものとは?~
肥満と行動変容~痩せたいとき注意するポイントとは?~
肥満による健康障害は何なのか!!と適切なダイエット方法
肥満外来での栄養指導の内容とは?
睡眠不足でカロリー摂取量が上昇?~肥満と睡眠の関係~
肥満外来(医療ダイエット外来)のオンライン診療
【WHOも推奨へ】肥満症治療の新時代──GLP-1受容体作動薬とは?

新しい抗肥満薬(保険適応薬)のGLP-1受容体作動薬『ウゴービ』とは? ~特徴と使用上の注意点を解説~
糖尿病とは?内科で診てもらえる?症状や診断基準、予防、治療法まで解説
糖尿病の食事療法における栄養指導の内容とは?〜食事のポイントをご紹介〜
糖尿病を引き起こす原因とは? ~種類別の原因と予防法についてご紹介~
糖尿病ではどんな症状が出るの? 〜初期症状や種類別の症状をご紹介〜
糖尿病予防のためにできることって? ~バランスのよい食事と続けやすい運動が大切~

 

参考文献
1. Mao, B., Luo, C., Li, S., Zhang, J., Xiang, W., & Yang, Y. de. (2024). Exposure to light at night (LAN) and risk of overweight/obesity, hypertension, and diabetes: a systematic review and meta-analysis. International Journal of Environmental Health Research35(4), 1003–1017. https://doi.org/10.1080/09603123.2024.2378941

•• LINEお問合わせ •• AIに質問する